今回は「化学薬品の危険性と応急処置の方法」についての記事です。
人体に悪影響な薬品は家庭でも職場でも、どこにでも存在しています。なので、子供が誤って口にしてしまったり、家事をしていたら目に入ってしまったり、作業中に全身に被ってしまったり、、、一歩間違えたら失明と死んでしまう可能性があるわけです。
私も職場で危険な薬品を取り扱う機会があるのですが、危険性を理解していなかったり、被災しないための保護具を装着していなかったり、、、そんな人が結構います。
そこで今回の記事では、薬品の危険性と応急処置についてまとめておこうと思います。
記事の目次
化学薬品の危険性と応急処置の方法
化学薬品の危険性
身近な漂白剤をはじめとする化学薬品は人体に悪影響を与えるので、扱いを間違うととても危険です。
例えば、強酸、強アルカリは人体の細胞を腐食させるので非常に危険ですし、軽微な損傷で済む薬品であっても、体内に吸収されたり、体内で有害なガスが発生することで死に至らしめる薬品もあるので、毒物、劇物に指定されている物質は危険なんです。
酸性の特徴
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細胞の蛋白が凝固し腐食する
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皮膚炎や薬傷の症状が現れる
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付着すると早期に激痛を感じる
アルカリ性の特徴
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皮膚炎や薬傷の症状が現れる
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付着しても痛みを感じるまでに時間がかかる
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細胞の蛋白を溶かし、ヌルヌルした感触になる
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細胞に素早く浸透するので、目に入ると失明するリスクが高い
酸性とアルカリ性を比べると、どちらも人体に有害で危険ですが、どちらかと言えば「アルカリ性」の方が危険です。
私の仕事関係の先輩は、とある作業中にアルカリ性の薬品が目に入ったのですが、痛みを感じないのでそのまま作業していたら、、、、片目を失明してしまいました。
そもそもゴーグルをつけて作業をしていなかったのが原因なのですが、それも後の祭りです。片目は濁って変色して全く見えないそうです。
私は酸性の方が危険だと思っていたので、この話しを聞いたとき半信半疑でしたが、事故例を調べたり、実際に薬品を扱う機会があったりして、マジで危険なのはアルカリ性だと気が付きました。
出典:厚生労働省 化学物質による薬傷・やけど対策について
人体に有害で危険性が高い物質は安全衛生法で表示と通知義務を課しています。その対象物質は約600以上あります。それ以外にも、毒物及び劇物取締法では健康被害が発生するおそれが高い物質を毒物又は劇物に指定して、取扱いを厳しく規制しています。
毒物又は劇物は下記に該当するものを指定しています。
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発がん性
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生殖毒性
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急性毒性
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誤えん有害性
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生殖細胞変異原性
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皮膚腐食性/刺激性
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呼吸器感作性又は皮膚感作性
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特定標的臓器毒性(単回ばく露)
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特定標的臓器毒性(反復ばく露)
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眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性
薬品を扱う作業は保護具が絶対必要
薬品を扱う作業は危険しかありません。
こんな作業は高リスクです
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薬品の配管を施工する作業
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直接薬品に触れたり扱う作業
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薬品が付着した部品に触れる作業
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薬品の粉、蒸気、ミスト、の環境で作業
薬品で負傷するリスクが高い作業は色々とありますが、私自身もそうですが、実は「なんの薬品なのか」「どんなリスクがあるのか」の知識を持たずに作業をしている人はかなりいます。
薬品を取り扱う仕事には、例えば薬品製造の工場、めっき工場、半導体関係の工場、化学プラント、がありますが、そこには多くの業者や作業者が日々働いています。ところが、多種多様な薬品の危険性を承知徹底して、全てを暗記することは無理なのです。これは、私が実際にそのような現場で働いているから断言できます。
では、どうすればいいのか?と言えば、「絶対に保護具を着用しルールを守ること」です。これが、自分の身を守るための第一歩です。
耐薬品のための保護具はコレです
- マスク(防毒マスク)
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ゴーグル、保護メガネ
- 耐薬品性のブーツ
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耐薬品性の防護服
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耐薬品性のゴム手袋
薬品は身体に付着しなくても、呼吸から、皮膚から、体内に取り込まれる場合があります。なので、マスクは欠かせませんし、肌の露出がない耐薬品性の服装を着用します。
ゴム手袋は一日に何枚も使用するので安価ものを選びがちですが、実はゴム手袋には材質に種類があり適合する薬品が違います。なので、扱う薬品を調べて適合するゴム手袋を使用しましょう。
次に、守るべきルールを紹介します
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薬品は速やかに拭き取る、洗う
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保護具が破れたり損傷したら作業を止め交換する
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手が濡れている場合は薬品だと思って身体を触らない
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休憩などで作業から離れる場合は、その都度手洗いする
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身体に違和感や薬液の漏れを発見したら、速やかにホウレンソウをする
この中で、もっともやりがちなことは「ゴーグルを着用しない」です。実際に着用すると分かりますが、ゴーグルは鬱陶しいですし、めんどくさいですし、曇って見えなくなる、ので着用し忘れる人が多いです。ですが、身体の被害で最も大きいのは「死」と「失明」です。ゴーグルさえしていれば薬品を浴びても失明だけは避けられます。
なので、決められたルールば絶対まもること、特にゴーグルは必ずです。
参考
*薬品が皮膚に付着して薬傷した事例が載っています
基本の処置方法
もし、薬品が皮膚に付着したり、目に入ったり、飲み込んでしまったらどうすれば良いでしょうか?
皮膚の付着と、目に入ったときの処置はコレです
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大量の水で洗う
飲み込んでしまったときの処置はコレです
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無理に吐かせずに医師の指示、診察を受ける
薬品の種類によって症状の違いがあるので、処置方法を間違えると被害が大きくなるかもしれません。なので、基本は「水で洗う」「無理に吐かせずに医師の指示、診断を受ける」です。
特に危険なのは目に入ったときと、飲み込んでしまったときですが、この場合は速やかに「救急に連絡」した方が良いです。もし救急から指示があれば、その通りに処置しましょう。
では、次項から特に危険な薬品の対処方法を、厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」とナツメ社から出版されている「めっき技術の基礎」を参考に情報を紹介します。
酸系薬品の処置方法
塩酸/硝酸/硫酸/リン酸
皮膚に付着した場合
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直ちに汚染された衣類をすべて脱ぐ、取り除く
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皮膚を大量の流水、シャワーで良く洗う
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重曹(炭酸水素ナトリウム)を塗り中和し洗う
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直ちに医師に連絡、または診断を受ける
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汚染された衣類は廃棄するか、3回以上洗濯してから再使用する
*自己判断できない場合は無暗に薬などを塗らず、医師の指示に従います。
目に入った場合
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顔を横に向けて洗う目を下側にする
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大量の水で眼球全体を意識して15分間以上洗浄する(流水の強さは弱め)
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コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。無理に外さない
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コンタクトレンズを外した後も洗浄を続け、直ちに医師に連絡、または診断を受ける
*中和剤を使用する方法は損傷が広がる可能性があるので、水洗いを基本として医師の判断を仰ぐ
飲み込んだ場合
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口をすすぎ、無理に吐かせない。意識がない場合は、安静状態で救急車を呼ぶ
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食道と胃壁の保護のため「牛乳」「生卵」のいずれかを与え、直ちに医師に連絡、または診断を受ける
*無理に吐かせると誤嚥の危険性があり、強酸、強アルカリは食道がさらに損傷させます
*飲み込んだ物質が酸、アルカリの場合は「牛乳」 「生卵」が有効ですが、防虫剤、石油製品等は逆に吸収を速めてしまうので飲ませてはいけません
*黒板に使うチョークの炭酸カルシウム(CaCO3)や重曹を液体にして飲ませて中和する方法もありますが、賛否があり医師の判断を仰いで行った方が良いです
フッ化水素/ケイフッ素/ホウフッ化水素
皮膚についた場合
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直ちに汚染された衣類をすべて脱ぐ、取り除く
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皮膚を大量の流水、シャワーで良く洗う
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カルシウムを含んだゲル(グルコン酸カルシウム)を患部に塗る
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直ちに医師に連絡、または診断を受ける
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汚染された衣類は廃棄するか、3回以上洗濯してから再使用する
*自己判断できない場合は無暗に薬などを塗らず、医師の指示に従います。
目に入った場合
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顔を横に向けて洗う目を下側にする
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大量の水で眼球全体を意識して15分間以上洗浄する(流水の強さは弱め)
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コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。無理に外さない
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コンタクトレンズを外した後も洗浄を続け、直ちに医師に連絡、または診断を受ける
*中和剤を使用する方法は損傷が広がる可能性があるので、水洗いを基本として医師の判断を仰ぐ
飲み込んだ場合
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口をすすぎ、無理に吐かせない。意識がない場合は、安静状態で救急車を呼ぶ
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食道と胃壁の保護のため「牛乳」を与え、直ちに医師に連絡、または診断を受ける
*重度の低カルシウム血症や低マグネシウム血症を引き起こす。
*無理に吐かせると誤嚥の危険性があり、強酸、強アルカリは食道がさらに損傷します
*飲み込んだ物質が酸、アルカリの場合は「牛乳」 「生卵」が有効ですが、防虫剤、石油製品等は逆に吸収を速めてしまうので飲ませてはいけません
アルカリ系薬品の処置方法
アンモニア
皮膚に付着した場合
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直ちに汚染された衣類をすべて脱ぐ、取り除く
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皮膚を大量の流水、シャワーで良く洗う
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酢(酢酸)の溶液で中和し洗う
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直ちに医師に連絡、または診断を受ける
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汚染された衣類は廃棄するか、3回以上洗濯してから再使用する
*自己判断できない場合は無暗に薬などを塗らず、医師の指示に従います。
目に入った場合
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大量の水で眼球全体を意識して15分間以上洗浄する(流水の強さは弱め)
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コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。無理に外さない
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コンタクトレンズを外した後も洗浄を続け、直ちに医師に連絡、または診断を受ける
*中和剤を使用する方法は損傷が広がる可能性があるので、水洗いを基本として医師の判断を仰ぐ
飲み込んだ場合
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口をすすぎ、無理に吐かせない。意識がない場合は、安静状態で救急車を呼ぶ
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「レモンジュース」「薄い酢(酢酸)」を飲ませて中和する
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食道と胃壁の保護のため「牛乳」「動物油」を与え、直ちに医師に連絡、または診断を受ける
*無理に吐かせると誤嚥の危険性があり、強酸、強アルカリは食道がさらに損傷します
*飲み込んだ物質が酸、アルカリの場合は「牛乳」 「生卵」が有効ですが、防虫剤、石油製品等は逆に吸収を速めてしまうので飲ませてはいけません
水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)/水酸化カリウム(苛性カリ)
皮膚に付着した場合
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直ちに汚染された衣類をすべて脱ぐ、取り除く
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皮膚を大量の流水、シャワーで良く洗う
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酢(酢酸)の溶液で中和し洗う
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直ちに医師に連絡、または診断を受ける
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汚染された衣類は廃棄するか、3回以上洗濯してから再使用する
*自己判断できない場合は無暗に薬などを塗らず、医師の指示に従います。
目に入った場合
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大量の水で眼球全体を意識して15分間以上洗浄する(流水の強さは弱め)
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コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。無理に外さない
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重曹水、ホウ酸水などで洗浄し2~3滴の0.5%ポントカイン液を適眼する
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十分に眼からアルカリを除くために長時間洗浄を続ける
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直ちに医師に連絡、または診断を受ける
*中和剤を使用する方法は損傷が広がる可能性があるので、水洗いを基本として医師の判断を仰ぐ
飲み込んだ場合
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口をすすぎ、無理に吐かせない。意識がない場合は、安静状態で救急車を呼ぶ
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「レモンジュース」「薄い酢(酢酸)」を飲ませて中和する
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食道と胃壁の保護のため「牛乳」「生卵」を与える
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できなければ、多量の水を与え、直ちに医師に連絡、または診断を受ける
*無理に吐かせると誤嚥の危険性があり、強酸、強アルカリは食道がさらに損傷します
*飲み込んだ物質が酸、アルカリの場合は「牛乳」 「生卵」が有効ですが、防虫剤、石油製品等は逆に吸収を速めてしまうので飲ませてはいけません
水酸化カルシウム(消石灰)
皮膚に付着した場合
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直ちに汚染された衣類をすべて脱ぐ、取り除く
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皮膚を大量の流水、シャワーで良く洗う
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ホウ酸軟膏を塗る
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直ちに医師に連絡、または診断を受ける
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汚染された衣類は廃棄するか、3回以上洗濯してから再使用する
*自己判断できない場合は無暗に薬などを塗らず、医師の指示に従います。
目に入った場合
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大量の水で眼球全体を意識して15分間以上洗浄する(流水の強さは弱め)
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コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。無理に外さない
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コンタクトレンズを外した後も洗浄を続け、直ちに医師に連絡、または診断を受ける
*中和剤を使用する方法は損傷が広がる可能性があるので、水洗いを基本として医師の判断を仰ぐ
飲み込んだ場合
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口をすすぎ、無理に吐かせない。意識がない場合は、安静状態で救急車を呼ぶ
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大量の水または牛乳を飲ませる
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直ちに医師に連絡、または診断を受ける
*水と反応すると発熱し脱水症状になる
*無理に吐かせると誤嚥の危険性があり、強酸、強アルカリは食道がさらに損傷します
*飲み込んだ物質が酸、アルカリの場合は「牛乳」 「生卵」が有効ですが、防虫剤、石油製品等は逆に吸収を速めてしまうので飲ませてはいけません
塩化物の薬品の処置方法
塩化アンチモン/塩化ニッケル/塩化スズ
皮膚に付着した場合
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直ちに汚染された衣類をすべて脱ぐ、取り除く
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皮膚を大量の流水、シャワーで良く洗う
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ラノリン軟膏を塗る
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直ちに医師に連絡、または診断を受ける
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汚染された衣類は廃棄するか、3回以上洗濯してから再使用する
*自己判断できない場合は無暗に薬などを塗らず、医師の指示に従います。
目に入った場合
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大量の水で眼球全体を意識して15分間以上洗浄する(流水の強さは弱め)
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コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。無理に外さない
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コンタクトレンズを外した後も洗浄を続け、直ちに医師に連絡、または診断を受ける
*中和剤を使用する方法は損傷が広がる可能性があるので、水洗いを基本として医師の判断を仰ぐ
飲み込んだ場合
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口をすすぎ、無理に吐かせない。意識がない場合は、安静状態で救急車を呼ぶ
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大量の水を与え、直ちに医師に連絡、または診断を受ける
*無理に吐かせると誤嚥の危険性があり、さらに損傷します
シアン化物の処置方法
シアン塩酸など
皮膚に付着した場合
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直ちに汚染された衣類をすべて脱ぐ、取り除く
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皮膚を大量の流水、シャワーで良く洗う
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直ちに医師に連絡、または診断を受ける
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汚染された衣類は廃棄するか、3回以上洗濯してから再使用する
*シアン化物は皮膚からも吸収されます
*自己判断できない場合は無暗に薬などを塗らず、医師の指示に従います
目に入った場合
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大量の水で眼球全体を意識して15分間以上洗浄する(流水の強さは弱め)
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コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。無理に外さない
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コンタクトレンズを外した後も洗浄を続け、直ちに医師に連絡、または診断を受ける
*中和剤を使用する方法は損傷が広がる可能性があるので、水洗いを基本として医師の判断を仰ぐ
飲み込んだ場合
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意識がない場合は、安静状態で救急車を呼ぶ
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オキシフルまたは過マンガン酸カリウムを水に溶かして飲ませる
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異物を吐き出させる
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直ちに医師に連絡、または診断を受ける
*呼気から焦げたアーモンド臭がする
*シアン中毒の場合は、直ちに医師による解毒処置が必要です
*シアンが体内に入ってすぐにもしくは数分以内に状態の変化が出てきます
硫酸塩系の薬品の対処方法
硫酸アルミニウム/硫酸アンモニウム/硫酸コバルト/硫酸マグネシウム/硫酸ニッケル/硫酸カリウム/硫酸ナトリウム
皮膚に付着した場合
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直ちに汚染された衣類をすべて脱ぐ、取り除く
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皮膚を大量の流水、シャワーで良く洗う
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直ちに医師に連絡、または診断を受ける
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汚染された衣類は廃棄するか、3回以上洗濯してから再使用する
*中和剤を使用する方法は損傷が広がる可能性があるので、水洗いを基本として医師の判断を仰ぐ
目に入った場合
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大量の水で眼球全体を意識して15分間以上洗浄する(流水の強さは弱め)
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コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。無理に外さない
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コンタクトレンズを外した後も洗浄を続け、直ちに医師に連絡、または診断を受ける
*中和剤を使用する方法は損傷が広がる可能性があるので、水洗いを基本として医師の判断を仰ぐ
飲み込んだ場合
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意識がない場合は、安静状態で救急車を呼ぶ
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体内の水分が奪われるため、大量の水を与える
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直ちに医師に連絡、または診断を受ける
*無理に吐かせると誤嚥の危険性がありさらに損傷させます
その他の薬品の対処方法
クロム酸/重クロム塩
皮膚に付着した場合
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直ちに汚染された衣類をすべて脱ぐ、取り除く
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皮膚を大量の流水、シャワー、または5%のハイポ水溶液で良く洗う
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直ちに医師に連絡、または診断を受ける
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汚染された衣類は廃棄するか、3回以上洗濯してから再使用する
*中和剤を使用する方法は損傷が広がる可能性があるので、水洗いを基本として医師の判断を仰ぐ
目に入った場合
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大量の水で眼球全体を意識して15分間以上洗浄する(流水の強さは弱め)
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コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。無理に外さない
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コンタクトレンズを外した後も洗浄を続け、直ちに医師に連絡、または診断を受ける
*中和剤を使用する方法は損傷が広がる可能性があるので、水洗いを基本として医師の判断を仰ぐ
飲み込んだ場合
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意識がない場合は、安静状態で救急車を呼ぶ
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直ぐに吐き出させる
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体温低下することがあるので、体を温める
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直ちに医師に連絡、または診断を受ける
*無理に吐かせると誤嚥の危険性がありさらに損傷させます
硫化物
皮膚に付着した場合
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直ちに汚染された衣類をすべて脱ぐ、取り除く
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皮膚を大量の流水、シャワーで良く洗う
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直ちに医師に連絡、または診断を受ける
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汚染された衣類は廃棄するか、3回以上洗濯してから再使用する
*中和剤を使用する方法は損傷が広がる可能性があるので、水洗いを基本として医師の判断を仰ぐ
目に入った場合
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大量の水で眼球全体を意識して15分間以上洗浄する(流水の強さは弱め)
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コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。無理に外さない
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コンタクトレンズを外した後も洗浄を続け、直ちに医師に連絡、または診断を受ける
*中和剤を使用する方法は損傷が広がる可能性があるので、水洗いを基本として医師の判断を仰ぐ
飲み込んだ場合
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意識がない場合は、安静状態で救急車を呼ぶ
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大量の水を飲ませて、2%クエン酸でアルカリを中和させる
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直ちに医師に連絡、または診断を受ける
*無理に吐かせると誤嚥の危険性があり、強酸、強アルカリは食道がさらに損傷させます
*飲み込んだ物質が酸、アルカリの場合は「牛乳」 「生卵」が有効ですが、防虫剤、石油製品等は逆に吸収を速めてしまうので飲ませてはいけません
ポイントまとめ
それでは、化学薬品の応急処置について重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- 酸性とアルカリ性を比べると、どちらも人体に有害で危険ですが、どちらかと言えば「アルカリ性」の方が危険
- 酸性は細胞の蛋白が凝固し腐食し、付着すると早期に激痛を感じる
- アルカリ性は細胞の蛋白を溶かし素早く浸透するので、目に入ると失明するリスクが高い
- 薬品の対処方法の基本は「大量の水で洗う」「無理に吐かずに医師の診断をうける」です
以上4つのポイントです。
*防毒マスクの購入はこちから
*ゴーグルの購入はこちらから
*耐薬品性の防護服の購入はこちらから
参考
関連記事:【作業/工事/ユーティリティ】
以上です。