今回は「生活と健康を脅かす悪臭の物質」についての記事です。
私はアレルギー体質でにおいに敏感です。何年か前ですが、換気していない工場で、湿度が高い時期に床の塗装をしていたら、いつも以上に「におい」が強くて私だけが気分が悪くなり「めまい」と「頭痛」で2時間ダウンしてしまったことがありました。これは塗料に含まれている化学物質の影響で中枢神経が麻痺してしまったのが原因でした。
そこで今回の記事では、「におい」に焦点をあてて、悪臭防止法と対策について基礎情報をまとめておこうと思います。
記事の目次
生活と健康を脅かす悪臭の物質
悪臭とはなにか?
普段の生活であったり、職場であったり、何かと「臭い」って感じる場面はありますよね。
一番身近なにおいと言えば「香水」「体臭」「柔軟剤」「食品」「トイレ」などがありますが、このようなにおいは距離をとれば、わりと我慢できますよね。でも、中には「マジで無理」ってにおいもあって、それが「悪臭」ってことになります。
悪臭とはコレ
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気分が悪くなるにおい
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不快に感じるなるにおい
においの感じ方は人によって違うので、これが悪臭問題が無くならない原因かもしれません。
例えば、私の場合は結構においに敏感で、友達や同僚が気が付かないにおいにも直ぐに反応します。なので普通の人なら大丈夫な「香水」や「柔軟剤」のにおいでも、少し嗅いだだけで、頭が痛くなって気分が悪くなることがあります。なのでもしかしたら、私は化学物質過敏症なのかもしれません。
化学物質過敏症は、多くの人が感じない微量な化学物質を取り込むことでアレルギー反応を起こしてしまう病です。最近、患者さんが多くなってきているようです。化学物質にはにおいがするものと、においがしないものがありますが、大抵の場合「におう物質」は「化学物質」であることが多いです。なので、悪臭は切実な問題なんですよね。
悪臭防止法
悪臭は気分が悪くなるだけでなく、健康被害にも直結しているので、「悪臭防止法」によってにおいに関する規制をしています。ところが、悪臭防止法は、化学物質を規制するのではなく、あくまでも「悪臭」を規制するものなので、化学物質過敏症の患者さんからすれば全然不十分かもしれません。
また、悪臭防止法は企業に対して厳しいのですが、個人に対しては、強制力が弱いようです。
悪臭防止法の概要はこんな感じです
悪臭防止法の規制対象
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工場、事業場から排出される悪臭・・・行政指導と罰則あり
悪臭防止法の推進
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野外での多量焼却の禁止
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日常生活に伴う悪臭発生の防止
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水路等管理者の悪臭防止の適切管理
悪臭のもとはコレ
悪臭が発生する場所にはこんなところがあります。
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飲食店
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畜産業
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焼却炉
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製造工場
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農業、畑
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下水、用水
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車の排気ガス
このような場所では、特に悪臭が発生し易いので、においに敏感な人は近づかない方が良いですし、仕事などで関係する人は悪臭の対策をする必要があるかもしれません。
悪臭を規制しようにも実際のところ、においの感じ方は人ぞれぞれなので難しいです。そこで、においの感じ方を6段階にランク分けした臭気強度があり、悪臭をランク分けして規制していました。ところが最近では、より具体的に区分して規制するために悪臭を数値化した「臭気指数」が用いられています。
出典:大阪市 悪臭の規制がこれまでの「物質濃度規制」から『臭気指数規制』に変わりました
臭気強度と臭気指数の関係
出典:環境省 悪臭防止法パンフレット
臭気強度と濃度の関係(ppmは濃度の単位です)
*クリック拡大
参考
化学物質の有害性について厚生労働省の「職場の安全サイト」で検索することが出来ます。
こちらから検索してみてください ⇒ 【厚生労働省 職場の安全サイト】
現場や職場の悪臭対策
個人と企業の対策
私は製造業で働いているので、現場や職場で結構な確率で悪臭が発生しています。有機溶剤のにおい、樹脂のにおい、塗料のにおい、油のにおい、、、、などなど、一日一回は悪臭に遭遇しますね。
そこで、悪臭の対策を考えてみることにしました。
自分で出来る悪臭対策
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近づかない
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悪臭対策用のマスクを着用
企業の取り組みでおこなう悪臭対策
- 脱臭装置の導入
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排気と換気システム導入
- 悪臭発生源に人を近づけない
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悪臭発生源を屋外に放置しない
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異臭が発生しない物質に変更する
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異臭発生源を迅速に分別、保管、処分
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近隣の迷惑にならない時間帯に作業する
自分で出来る悪臭対策簡単ですね。でも、そもそもの悪臭を発生させている企業側の悪臭対策は基本的に「費用」がかかるので簡単ではないです。私が知っている企業では、いくら対策しても悪臭をゼロにできなくて諦めてしまっているところもあります。もしかしたら、何も対策していない企業もあるかもしれませんね。
これからの悪臭対策への取組み
悪臭の苦情件数は平成15年をピークにして減少しているようですが、平成5年よりもまだまだ多いです。
出典:環境省 平成30年度悪臭防止法施行状況調査の結果について 悪臭に係る苦情件数
悪臭は健康に直接関係しないと思われがちですが、実際には、「臭い」と感じる物質には化学物資が含まれていることがあるので危険です。
例えば、身近な「たばこの煙」や、製造現場でありがち塗料や樹脂に含まれる「トルエン」「スチレン」「キシレン」は、中枢神経の麻痺、生殖機能の悪影響、発がん性、などがある訳です。
それ以外にも、悪臭によって「食欲がなくなる」「吐き気がする」「精神不安定になる」などのメンタル的なダメージもあります。
なので、今の社会の風潮を考えると、ますます悪臭に対する規制が厳しくなる可能性があるので、悪臭を発生させない、拡散しない、といった根本の対策と悪臭を取り除く製品の開発が企業には求められます。
参考
特定化学物質の健康診断についてはこちらの記事をご覧ください
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特殊健康診断の必要性【馬尿酸とマンデル酸の基準値と健康被害】
続きを見る
ポイントまとめ
それでは、生活と健康を脅かす悪臭の物質について重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- 悪臭とは「気分が悪くなるにおい」「不快に感じるなるにおい」のことです
- 悪臭防止法によって規制があるが、苦情件数は年間1万件以上ある
- 悪臭には人体に有害な化学物質が含まれていることがあるので対策が必要
- 今の社会の風潮を考えると、ますます悪臭に対する規制が厳しくなる可能性がある
以上4つのポイントです。
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関連記事:【社会の仕組み/本紹介/雑記】
以上です。