【その他/雑記】

特殊健康診断の必要性【馬尿酸とマンデル酸の基準値と健康被害】

2022年2月9日

 

今回は「特殊健康診断の必要性」についての記事です。

最近、労働環境の整備と作業者の健康管理が盛んになってきました。今までは労働安全衛生法で決められていても、中小企業ではしっかり守られていないことが多くありました。ところが、近年の労働時間の問題をきっかけにして労働監督署の指導が厳しく、細かくなってきたように感じます。

私の職場でも数年前から特殊健康診断を受けるようになり、労働環境の整備だけでなく、健康管理にも重点を置くように変わってきました。

そこで今回の記事では、特殊健康診断の中でも、有機溶剤と特定化学物質の測定結果の基準値や健康被害についてまとめておこうと思います。

 

特殊健康診断の必要性

特殊健康診断とはなにか?

数年前から、私の勤め先では労働基準監督署の指導もあって「有機溶剤」と「特定化学物質」の健康診断を受けるようになりました。

この健康診断とは一般的な定期健康診断とは違い、「特殊健康診断」と呼ばれるものです。

 

特殊健康診断の目的はコレです

  • 人体に有害な業務をしている人の健康を守るため

 

職種で言いますと、建築業、土木業、製造業、塗装業、など、有害指定されている物質を扱う職業が該当します。

 

 

労働安全衛生法によると検診の周期は一般的な定期健康診断と違い、やや厳しめです

  • 定期健康診断・・・1年以内ごとに1回
  • 特殊健康診断・・・6月以内ごとに1回

 

特殊健康診断の該当者は下記の業務に関係している人です

  • 鉛業務
  • 石綿業務
  • 放射線業務
  • 除染等業務
  • 有機溶剤業務
  • 特定化学物質業務
  • 四アルキル鉛等業務
  • 高圧室内業務または潜水業務

 

出典:厚生労働省 労働安全衛生法に基づく健康診断

 

有機溶剤と特定化学物質の診断項目

私の場合は、有機溶剤業務(塗装や接着剤の取り扱い)と特定化学物質業務(薬品の取り扱い)が該当したので、半年に1回検診を受けています。

 

検診内容はこちら

  • 握力測定
  • 医師による診察
  • 尿(検診前日の夜に採取)
  • 問診(事前にアプリで回答)

 

診断項目は少ないので、大体15分くらいあれば終わります。診断結果は1週間程度で届きました。

 

診断結果の項目は下記の通りです

  • 握力
  • 馬尿酸の値
  • マンデル酸の値
  • メチル馬尿酸の値

 

この項目で一体なにか分かるのか?説明していきます。

 

診断結果の基準値と健康被害

握力

特殊健康診断で握力を測定する理由はコレです

  • 「脳」や「中枢神経」がダメージを受けていると握力が低下する

 

脳や中枢神経にダメージがあると握力が低下するので、平均値よりも著しく低い人や、検診を受けるたびに低下している人は、医師の判断が必要となります。

下記の資料は令和2年の年齢別平均値です、参考してください。

出典:スポーツ庁 令和2年 体力・運動能力調査報告書

 

馬尿酸の値

馬尿酸は有機溶剤に指定される「トルエン」の曝露量(ばくろりょう)が多いと数値が高くなります。

体内に吸収されたトルエンは肝臓で代謝されると、最終的に馬尿酸として排出されます。

 

代表的なトルエンが使われているもの

  • 塗料
  • 薬品
  • インキ
  • 石油精品
  • 合成繊維

 

このような材料を扱っている人は検査対象となります。

 

馬尿酸の基準値はコレ

  • ~1.0g/L     問題なし
  • 1.01~2.50g/L 経過観察
  • 2.51g/L~        暴露量が多い

 

数値が高いとトルエンの曝露量(ばくろりょう)が多いことになりますので、その他の検査結果と作業環境、自覚症状と合わせて医師の判断が必要です。

 

トルエンを体内に取込んだときに起きる健康被害はこちらです

  • 眼と皮膚に刺激
  • 腎臓に障害がでる
  • 中枢神経に障害がでる
  • 生殖能又は胎児への悪影響

 

ここでポイント

  • 馬尿酸は「食品添加香料」「清涼飲料水」「乳製品」「コーヒー」「フルーツ」などの食品からも出る

 

食べ物からも馬尿酸がでるので、数値が高いからといって、トルエン中毒になっているとは限りません。

詳しくは下記の資料で確認してください。

出典:株式会社近畿エコサイエンス 尿中に馬尿酸として排泄される食品中の物質

 

マンデル酸の値

マンデル酸は特別有機溶剤に指定される「スチレン」と「エチルベンゼン」の暴露量が多いと数値が高くなります。

 

代表的なスチレンが使われているもの

  • 塗料
  • 合成樹脂、プラスチック

 

代表的なエチルベンゼンが使われているもの

  • 塗料
  • 接着剤
  • インキ
  • ラッカーの希釈剤

 

このような材料を扱っている人は検査対象となります。

 

マンデル酸の基準値はコレ

  • スチレンの判断・・・マンデル酸の値が0.43g/L以下が正常
  • エチルベンゼンの判断・・・マンデル酸の値が0.1g/L以下が正常

 

実際には、マンデル酸の値だけでは、スチレンとエチルベンゼンをどれくらい暴露しているのか?判断が難しいので、職場の作業環境も含めて調査することになります。

 

 

スチレンを体内に取込んだときに起きる健康被害はこちらです

  • 発がん性の可能性
  • 眼、粘膜に障害がでる
  • 中枢神経に障害がでる
  • 生殖器、胎児への悪影響

 

エチルベンゼンを体内に取込んだときに起きる健康被害はこちらです

  • 眼に刺激
  • 発がん性の可能性
  • 中枢神経に障害がでる
  • 生殖器、胎児への悪影響

 

ここでポイント

  • スチレンはコーヒー、シナモン、イチゴ、小麦などに微量に含まれている

 

スチレンはトルエンと同じように、特定の食品に微量に含まれていますが、微量の摂取は問題ないです。エチルベンゼンの場合は、食品には含まれていないようですが、食品のトレーには含まれていますので、溶かしたり燃やして煙を吸い込んだりしないようにしましょう。

 

メチル馬尿酸の値

メチル馬尿酸は有機溶剤に指定される「キシレン」の暴露量が多いと数値が高くなります。

 

代表的なキシレンが使われているもの

  • 塗料
  • 農薬
  • 接着剤
  • インキ
  • 合成原料

 

このような材料を扱っている人は検査対象となります。

 

メチル馬尿酸の基準値はコレ

  • ~0.50g/L   問題なし
  • 0.51~1.50g/L 経過観察
  • 1.51~g/L   暴露量が多い

 

数値が高いとキシレンの曝露量(ばくろりょう)が多いことになりますので、その他の検査結果と作業環境、自覚症状と合わせて医師の判断が必要です。

 

 

キシレンを体内に取込んだときに起きる健康被害はこちらです

  • 眼、皮膚に強い刺激
  • 生殖器、胎児への悪影響
  • 中枢神経系、呼吸器、肝臓、腎臓の障害

 

ちなみにですが、キシレンを含んでいる食品はないようです。

 

ポイントまとめ

それでは、特殊健康診断の診断結果について重要なポイントをまとめておきます。

 

ポイント

  • 「脳」や「中枢神経」がダメージを受けていると握力が低下する
  • 馬尿酸は有機溶剤に指定される「トルエン」に暴露されると数値が高くなる
  • マンデル酸は特別有機溶剤に指定される「スチレン」と「エチルベンゼン」に暴露されると数値が高くなる
  • メチル馬尿酸は有機溶剤に指定される「キシレン」に暴露されると数値が高くなる
  • 有機溶剤や化学物質は人体に悪影響で健康被害がおきるので「マスク」「ゴーグル」「服装」「換気」に注意が必要です

 

以上5のポイントです。

 

*有機溶剤、化学物質を扱うときには防毒マスクがおすすめです

 

*体内に取り込まれた有害物質は肝臓で代謝されますので、肝臓の健康管理は大切です

 

参考

本記事の情報は下記のサイトを参考にしております

 

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以上です。

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