今回は「かじりや焼付いたステンレスのボルトを外す方法/ねじ神様が最強」についての記事です。
ステンレスのねじを扱っていると、かじったり焼付いてねじが外せなくなることがあります。これはステンレス特有の粘りが強く熱伝導性が悪いことが関わっているのですが、この特徴を変えることはできないのでトラブルがなくなることはないでしょう。
そこで今回の記事では、かじりや焼き付きが起きやすいステンレスのボルトを外す方法としておすすめなスプレーを紹介しようと思います。
記事の目次
かじりや焼付いたステンレスのボルトを外す方法
ねじのトラブル
部品交換やメンテナンスなどで、締め付けられているボルトを外そうとしたときに「かじり」「焼き付き」「錆」によって緩まなかったり折れてしまう事があります。
誰でも1度は経験したことがあるのではないでしょうか?
折れたボルト
ボルトの材質は鉄やステンレスが代表的で使用することが多いと思いますが、中でもねじのかじりや焼き付きはステンレスのボルトに発生し易く、そして取り外す作業は非常に厄介です。
ねじのかじりや焼き付きを取り外す方法
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ハンマーで衝撃を与えて外す
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ねじのゆるみ剤(油)を塗布して緩める
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パーナーで加熱して熱膨張を利用して外す
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ねじを折ったり切断して残ったねじをドリルで穴開けして除去する
例えばこのような方法があると思いますが、私がおすすめするステンレスのねじを取り外す方法はねじのゆるみ剤を使用する方法です。
ゆるみ剤と言っても、特にねじ神様と呼ばれる商品を使用する方法です。
ステンレスにはねじ神様が最強
単刀直入に言います。焼付いたステンレスのボルトを外す方法は「ねじ神様」を使用することです。
ねじ神様とはステンレスボルトのかじり/焼き付きに特化した取り外し専用スプレーです。
*製造メーカーの「R-GOTさん」に問い合わせたのですが「錆びた鉄ボルトにも有効」との事です。またねじ専用なので「はめ合いの挿入/引抜」には不向きだそうです。
ねじ神様
ねじ神様紹介動画
ねじ神様がどのようなものか?下記の動画を見てください。
ねじ神様を使用した事例
私がねじ神様を使用した事例を紹介します
ステンレスのM16ボルト
客先でのメンテナンスで普段高温にさらされている部品を交換しようとステンレスのM16ボルトを緩めようとしたのですが「かじり/焼き付き」で緩めることが出来ませんでした。
そこでKURE5-56をスプレーし一晩おいて、翌朝インパクトを使用してボルトを緩めようとしたのですが全く緩みませんでした。いつもですと5-56で緩めることができるのですが今回のM16ボルトには通用しなかったようです。こうなると、ボルトを外すことができないのでボルトをグラインダーやレシプロソーで切断するしかありません。
そんな時にお客さんに教えてもらったのが「ねじ神様」でした。客先の保全では頻繁にこのような事態が起きるようで「ステンレスのボルトを外すことができるスプレーを常備している」との事でした。
さっそくねじ神様をスプレーし10分ほど浸透させて人手で緩めてみると、、、、なんと緩めることが出来たのです。これには驚きました。普段5-56を使用している私からすると雲泥の差でした。
ステンレスの穴あけトラブル
ステンレスのSUS304の板に追加工でM4タップの下穴を開けていたら、ドリルが折れてしまいました。
折れたドリルは穴に噛み込んでいたり、溶着していて簡単には抜けません。定番のKURE5-56をスプレーして精密ドライバーで取り外そうとしたら全く効果がなかったので、ダメもとでねじ神様を塗布してみました。
ねじ神様
折れたドリルにダメ元でねじ神様を塗布してみた
ドリルの噛み込みが解消されて、グラグラになったのでピンセットで摘出しました
ねじ神様を塗布すると、簡単に噛み込みが解消されて摘出することができました。
本来の使い方ではないですが、相手がステンレスの場合はドリルやタップの摘出に使えそうです。
かじりや焼付いたステンレスのボルトを外す方法のポイントまとめ
それでは、かじりや焼付いたステンレスのボルトを外す方法ついて重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- ステンレスのボルトはかじりや焼き付きが起きやすい
- ステンレスにはねじ神様が有効
- どうしてもねじが外れない場合は切断して除去する
以上3つのポイントです。
ねじ神様は一本持っておいて損はない商品だと思いますが、ホームセンターでは入手できないと思いますので事前に準備しておきましょう。
参考
*ねじ神様の購入はこちらから
関連記事:【締結要素】
以上です。