今回は「グリスニップルが無いLMガイドには直接給油する」についての記事です。
LMガイドに給油は欠かせませんが、グリスニップルがない、無給油仕様、グリスガンを持っていない、、、などの状況でどうしてもLMガイドに給油したい場合があります。
そのような時に私はLMブロックを抜いて手の指で直接給油しています。あまりお勧めできる方法ではありませんが、今回の記事では直接給油の方法を紹介しようと思います。
記事の目次
グリスニップルが無いLMガイドには直接給油する
LMガイドの給油
LMガイドは基本的にはグリスを給油をして使用するのですが、なかには無給油のLMガイドがあり使用条件によって使い分けがされます。
例えばこのようなLMガイド
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THKのオプションの潤滑装置付き(型番:QZ)タイプ
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THKのLMガイド「型式SR-MS」のオイルフリーのLMガイド
このようなLMガイドにはグリスニップルが付きません。
QZタイプのLMガイド
それでも給油したい
LMガイドにグリスニップルが「付いていない」「取付が出来ない」などの状況で、「どうしてもグリス給油したい」と思ったことはありませんか?
そんなとき私がやっていることは、、、
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LMブロックを抜いてボール(球)に直接グリスを給油(詰める)する
それでは実際にやってみたので次項から紹介していきます。
ボール(球)に直接給油する
それでは、どのように給油するのか?を実際の作業例で説明します。
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LMガイドを抜く
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グリスを給油する
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レールにブロックを戻す
step1 LMガイドを抜く
LMレールからブロックを抜く作業は、LMブロックを抜くときに引っかかるとボールが脱落するリスクがあるので注意が必要です。
作業ポイント
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LMブロックをレールと平行に抜く
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ブロックを傾けたりせずに慎重に抜く
いくら慎重に抜いても、リテーナー無しのブロックはボールの遊びが多いので脱落のリスクが増します。ですからLMブロックを抜く前に「リテーナーのあり/無し」を把握しておくと良いでしょう。
*中古のLMガイドは摩耗によってボールの遊びが大きくなっているので、抜き取るとボールが全部脱落する事があります。新品の場合はメーカーにもよりますが、THKの場合は余程脱落する事はありません。
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step2 グリスを給油する
ボール(球)に手の指でグリスを詰めます。
作業のポイント
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ボールを押してスライドさせながらブロックの内部までグリスを詰める
グリスを詰める
step3 レールにブロックを戻す
LMレールにブロックを挿入します。この時も抜くとき同様にボールの脱落の危険性があります。
作業のポイント
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LMレールと平行に無理やり挿入せずに慎重におこなう
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余分なグリスがはみ出るので拭き取る
挿入できたらブロックをスライドさせて抵抗を確認してください。グリスが詰まっていれば抵抗が増えますので、手応えでグリス給油が出来ているかの判断をします。もし不十分だと感じたら、数回グリス給油を繰り返します。
レールにブロックを戻す
LMガイドの直接給油のポイントするまとめ
それでは、LMガイドの直接給油について重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- グリスニップルがない場合は、LMブロックを抜いてボール(球)に直接グリスを給油(詰める)
- LMブロックを「抜く」「挿入」の作業はボールが脱落するリスクがある
- グリス給油はボールを押してスライドさせながらブロックの内部までグリスを詰めること
以上3つのポイントが大切です。
LMブロックに直接グリス給油する方法は推奨はしませんが、どうしても必要な場合には選択肢として考えておきましょう。ただ、ボールの脱落のリスクは十分に理解しておいてください。あくまでも自己責任の作業となります。
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以上です。