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【電気配線/制御盤製作 】

より線(sq)をリングスリーブで圧着するときのサイズの考え方【単線(㎜)とは違います】

2023年10月8日

 

リングスリーブは電線同士を圧着し結線する接続部品ですが、単線の接続に使用されることが多いのでより線を結線する場合、リングスリーブサイズや圧着サイズが分からないことがあります。

結論としては「単線1.6mm」=「より線2m㎡(2sq)」=1、「単線2.0mm」=「より線3.5m㎡(3.5sq)」=2として、圧着する電線の合計の値が「2=〇」「4まで=小」「5から=中」として結線すればOKです。

 

より線(sq)をリングスリーブで圧着するときのサイズの考え方

単線とより線は構造が違います

電線の導体は「単線」と「より線」があります。

  • 単線・・・一本の銅線で構成された電線
  • より線・・・複数の素線(細い銅線)がより集まった電線

 

外見は同じ電線のように見えても単線とより線は性能に違いがあります。例えば、許容電流の違い、サイズの表記方法の違い、結線方法の違い、圧着方法の違い、可とう性の違い、などの違いがあります。

 

単線とより線

単線とより線の違い

 

単線とより線の違いの基本として、サイズの表記について紹介しておきます。

 

単線とより線はサイズの表記

  • 単線のサイズは導体の断面の直径mm表記です
  • より線のサイズは導体の断面積のm㎡またはsq表記です

 

単線は直径、より線は断面積、なので表記の単位に違いがあるので、単位で電線が単線かより線か見分けることができますし、逆に許容電流の確認や圧着サイズの確認には単位を間違えると施工不良となるので要注意です。

 

より線のリングスリーブのサイズ

ざっくりですが一般的に、単線の電線同士の結線にはリングスリーブや差込みコネクタが使用されます。そのため「リングスリーブは単線の結線に使うモノ」と思いがちですが違います。

実際にはより線の電線同士、単線とより線の電線、をリングスリーブで圧着、結線することができます

 

リングスリーブ

リングスリーブの小と中

 

ただし、より線をリングスリーブに使用するときは注意点があります

  • 単線とより線ではリングスリーブのサイズの考え方が違う

 

リングスリーブサイズと圧着サイズの簡単な覚え方として、単線のサイズを「1.6mm=1」「2.0mm=2」と仮定し、圧着する電線の合計の値が「2=〇」「4まで=小」「5から=中」と思えている人が多いと思います。例えば、圧着する単線が「1.6と1.6」なら「1+1=2」となるのでリングスリーブのサイズは「小」で圧着サイズは「〇」となります。別の例として「1.6と2.0と2.0」なら「1+2+2=5」となるのでリングスリーブのサイズは「中」で圧着サイズは「中」となります。

ところが、より線の場合は単線とは考え方が違うので要注意です。

 

ニチフさんのカタログに記載があります

出典:株式会社ニチフ端子工業 総合カタログ

ニチフのリングスリーブのサイズ リングスリーブと電線のサイズ一覧表

 

リングスリーブの圧着に関する単線とより線の考え方

  • 1.6mm=2m㎡(2sq)=1とする
  • 2.0mm=3.5m㎡(3.5sq)=2とする

 

と言うことで、より線は「2m㎡(2sq)=1」「3.5m㎡(3.5sq)=2」として計算してリングスリーブを選定して圧着します。

詳しくはカタログで確認していただきたいのですが、例をいくつが挙げておきます。

 

より線同士を圧着する場合、「2m㎡(2sq)と2m㎡(2sq)」ならば「1+1=2」となるので、リングスリーブのサイズは「小」で圧着サイズは「〇」となります。

「2m㎡(2sq)と3.5m㎡(3.5sq)」ならば「1+2=3」となるのでリングスリーブのサイズは「小」で圧着サイズは「小」となります。

「2m㎡(2sq)と3.5m㎡(3.5sq)と3.5m㎡(3.5sq)」ならば「1+2+2=5」となるのでリングスリーブのサイズは「中」で圧着サイズは「中」となります。

 

単線とより線を組合わせた圧着の場合は、「1.6mmと2m㎡(2sq)」ならば「1+1=2」となるので、リングスリーブのサイズは「小」で圧着サイズは「〇」となります。

「1.6mmと3.5m㎡(3.5sq)」ならば「1+2=3」となるのでリングスリーブのサイズは「小」で圧着サイズは「小」となります。

「2.0mmと2m㎡(2sq)と3.5m㎡(3.5sq)」ならば「2+1+2=5」となるのでリングスリーブのサイズは「中」で圧着サイズは「中」となります。

 

単線とより線の許容電流

単線とより線の許容電流の違い

 

リングスリーブにおける単線とより線の適合は許容電流の適合と同じなので、忘れてしまったら単線とより線の許容電流で考えるのも良いです。

ちなみにですが、より線をリングスリーブで圧着し結線する作業は第一種電気工事の実技テストに出題されます。第二種電気工事士の実技ではより線は出ないので、事前勉強なしで第一種を受験した場合、より線の2m㎡(2sq)を=2と計算してしまいリングスリーブのサイズを間違える、、、、ってこともあるようです。

 

 

より線と単線を圧着してみた

実際にやってみました。

より線の2m㎡(2sq)が2本、単線の1.6mmが2本の合計4本です。

「2m㎡(2sq)=1」が2本「1.6mm=1」が2本なので、計算すると1+1+1+1=4となり、リングスリーブのサイズと圧着サイズともに「小」です。

 

より線と単線を圧着してみた

圧着するより線と単線 より線と単線をリングスリーブに入れいる リングスリーブを圧着する リングスリーブを圧着したら先端を切りそろえる

 

ポイントまとめ

それでは、より線(sq)をリングスリーブで圧着するときの重要なポイントをまとめておきます。

 

ポイント

  • 単線とより線は導体の銅線の構造が違うので性能も違う
  • より線でリングスリーブの計算をする場合「2m㎡(2sq)=1」「3.5m㎡(3.5sq)=2」とする
  • 結線する電線の合計の値が「2=〇」「4まで=小」「5から=中」です

 

以上3つのポイントです。

 

 

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以上です。

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