今回は「制御盤における器具とは/器具の端子の大きさと圧着端子の大きさ」についての記事です。
制御盤を配線しているとよくあることに、器具によって端子の大きさが違う、、、と言うことがあります。よく確認しないと大きさが合っていない圧着端子で配線してしまうことがあるのですが、圧着とねじの締め付けが適切にできていれば問題になることが少ないので、大きさが違うのに見逃されたり、これぐらいいいや、、、と済まされてしまうことがあります。
しかし、本来は器具の端子の大きさにあった圧着端子を使用するべきでしょう。そこで今回の記事では、器具の端子の大きさと圧着端子の大きさについて解説しておこうと思います。
記事の目次
制御盤における器具とは
器具とは
制御盤組立における器具とは「開閉器、過電流遮断器、接続器その他これらに類する器具」のことです。
配線の注意点
器具は制御盤には欠かせなため当然配線作業が必要となりますが、配線作業において注意しておきたいことがあります。
器具への配線注意点
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器具の端子の大きさ
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圧着端子の大きさ
この2点に種類があるので大きさの組合せに注意が必要です
つまり、大きさに種類があるので配線するときに大きさが合っていないと、接続ができなかったり接触面積が少なくなったりしますので、そのようなことにならないように、お互いの大きさが適切な組み合わせとなるように配線しなければならないのです。
それでは具体的に、どのような種類があるのか、どうやって組み合わせを確認するのか、について解説していきます。
器具の端子の大きさと圧着端子の大きさ
器具の端子の大きさ
器具には電線を接続するために端子が設けられていますが、この端子には大きさの種類があります。
端子の大きさ
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器具の端子は器具の種類(容量)によって端子のサイズ(ねじのサイズ)に種類がある
例えば、M8のねじであったりM3のねじであったりとサイズは様々です。
*下記のカタログで確認してください。
出典:三菱電機 CP30サーキットプロテクタ カタログ
圧着端子の大きさ
器具の端子の大きさが様々なので、圧着端子は器具の端子に合わせる必要があります。
圧着端子の大きさ
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圧着端子の大きさは、器具の端子の大きさに合わせて選定する
「取り付けできればどのようなサイズの圧着端子でも良い」と言う事はなく、「器具に接続する圧着端子は適合する大きさを使用する」ということなのです。
*下記にニチフのR形とY形の裸圧着端子の品番構成を出典します。ご覧ください
出典:ニチフ 総合カタログ 品番構成
圧着端子の選定ポイント
端子の大きさに合わせた圧着端子の選定のポイントを2点紹介します。
選定ポイントは2点
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スタッド径(ねじサイズ)
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外形寸法
選定ポイント1点目はスタッド径です。上記のニチフの品番構成をご覧いただくと分かると思いますが、スタッド径とは端子のねじサイズの事です。
例えば品番のスタッド径が「5」でしたら、M5のねじ用と言う事です。つまり、M5の端子はスタッド径が「5」の圧着端子を使用しなければいけません。
大きすぎても小さすぎても使用してはいけませんので、必ずねじサイズが一致している圧着端子を使用しましょう。
選定ポイント2点目は圧着端子の外径寸法です。下記の資料をご覧ください。
この外径寸法はスタッド径が同じ場合でも種類があります。
出典:ニチフ 総合カタログ R形とY形の外寸
下記の「R2-4」R形端子を例にして説明しますと、3種類あり外見寸法のB欄を比べますと大きさの違いが分かると思います。
スタッド径が同じだけど外径寸法に違いがあると言う事は、接地面積が違う事になります。可能な限り接地面は大きい方が有利なのですが、そこは器具の端子の大きさや作業性に関わってきます。
器具の端子に入る圧着端子の外径寸法は器具によって違いがあり、例えば「R2-4」の外径が大きいタイプが取り付けられも器具あれば「R2-4S」の外径が小さいタイプしか取付出来ないタイプあります。
引用抜粋:ニチフ ニチフ 総合カタログ R形
それでば実物で外形寸法の違いを確認してください。
外径寸法の違い
器具の端子の大きさと圧着端子の大きさのポイントまとめ
それでは、器具の端子の大きさと圧着端子の大きさについて重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- 器具の種類によって端子の大きさが違う
- 圧着端子の大きさは器具の端子の大きさに合わせる
- 圧着端子のねじ径は器具に適合した大きさにする
- 圧着端子の外形寸法は大きいほうが良い
以上4つのポイントが大切です。
参考
*電気配線におすすめの工具はこちらで紹介しています
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制御盤組立におすすめの工具【圧着工具やワイヤストリッパーなど】
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*裸圧着端子の購入はこちら
関連記事:【電気配線/制御盤製作 】
以上です。