海外案件の設備にはアメリカ規格(UL規格)であるAWGの電線を使う場合がありますが、その際に日本規格のSQ(スケア)用の端子を圧着したい場合があります。
ところがここで問題が起きます。どのサイズのAWG電線が、どのサイズのSQ端子に適合するのかが分からない、、、、ってことです。
と言うことで、今回の記事では「AWGの電線に対応するSQ端子の適合一覧表」を作ったの紹介します。
AWGの電線に対応するSQ端子の適合一覧表
AWGとSQの規格
電線のサイズの規格には種類があります。
日本の規格(JIS規格)では、電線の「心線の断面積=㎟」をSQ(スケア)と言う単位で区別しています。
アメリカの規格(UL規格)では、AWG(アメリカンワイヤーゲージ)と言う単位で区別し規格化しています。
AWGの詳しい情報は下記の引用を参考にしてください。
引用:株式会社潤工社 導体寸法表(AWGサイズ)
American Wire Gaugeの略で、アメリカで一般的に使用されている導体の寸法規格です。B&S (Brown and Sharp) Gaugeとも呼ばれます。
AWG No.4/0の外径を0.4600 インチ、AWG No.36の外径を0.0050インチと定め、この間を公比 の等比級数的に39に分けたものです。AWG No.10の導体抵抗はほぼ1Ω/1000フィート、線径はほぼ0.1インチです。番号が大きくなると、線径は細くなります。番号と導体抵抗、質量の概略の関係は次のようになります。
番号が3つ大きくなる → 導体抵抗は約2倍、質量は約1/2
番号が6つ大きくなる → 導体抵抗は約4倍、質量は約1/4、線径は約1/2
番号が10大きくなる → 導体抵抗は約10倍、質量と断面積は約1/10AWGサイズは、MIL規格やUL規格製品に使用されており、寸法公差や導体抵抗などは、電線の個別仕様規格ごとに定められています。
簡単に注意点まとめておきます
SQとAWGの表記数字の違い
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SQは表記の数字が小さくなるほど電線が細くなる
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AWGは表記の数字が小さくなるほど電線が太くなる
心線の太さの注意
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SQとAWGの各サイズの断面積は一致しない
- 断面積は一致しないのでSQとAWGの適合一覧表で相当品を判別する
AWGにSQ用の端子を使用する注意
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使用するAWG電線に適合するSQ端子を調べる必要があります
AWGとSQの心線の太さの適合一覧表は色々なサイトで紹介されています。
ところが、AWGの電線に適合するSQ用端子については分かりやすい適合一覧表はなく、各端子メーカーのカタログで調べる必要があります。
AWG電線に対応するSQ端子の適合一覧表
と言うことで、AWGの電線に対応する日本規格のSQ端子の一覧表を作りました。
丸形と先開形
「ニチフ端子工業」「大同端子製造株式会社」「日本圧着端子製造株式会社」「富士端子工業株式会社」の4社さんのカタログに記載されている資料から、丸形端子、先開形端子、の2種類の端子の適合を一覧にしました。
棒端子、ブレード端子などのその他の端子は、丸形と先開形の端子の対応サイズとは若干違う場合がありますので、その他の端子は参考程度にして端子メーカーのカタログで確認するようにしてください。
株式会社ニチフ端子工業
AWGの電線に対応する、株式会社ニチフ端子工業のR形とY形の端子サイズの一覧です。
大同端子製造株式会社
AWGの電線に対応する、大同端子製造株式会社のR形とF形の端子サイズの一覧です。
日本圧着端子製造株式会社
AWGの電線に対応する、日本圧着端子製造株式会社のR形とA形の端子サイズの一覧です。
富士端子工業株式会社
AWGの電線に対応する、富士端子工業株式会社のR型とYAS型、YASS型、YA型の端子サイズの一覧です。
ポイントまとめ
それでは、AWGの電線に対応するSQ端子について重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- 電線にはサイズの規格に種類があるので、海外向け設備はよく確認すること
- UL規格のAWG電線はJIS規格のSQ電線と心線の断面積が一致しない
- AWG電線にSQ用端子を使用する場合は、各端子メーカーのカタログで確認すること
以上3つのポイントです。
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以上です。