配線作業に欠かせないことに、線番を印字したマークチューブを取付ける作業がありますが、フェルール端子はマークチューブが固定できない問題がありました。
その問題を解決するためにはどうすれば良いのか?
それは「ひだ付きのマークチューブを使う」「マークチューブに後付けのストッパーを使う」ことです。
フェルール端子にはマークチューブのズレ止め対策をする
フェルール端子は固定できない
フェルール端子は棒端子とも呼ばれるヨーロッパ規格の端子です。
ヨーロッパ向けの設備、CE対応の設備はフェルール端子が基本となり、最近では日本国内でもフェルール端子を指定する客先もあります。
フェルール端子
このフェルール端子は、JIS規格の裸圧着端子と違い、線番を印字したマークチューブが固定できない問題があります。
裸圧着端子の場合は、圧着した部分にマークチューブを被せることで固定ができますが、フェルール端子はサイズ識別用の色がついている絶縁部分を見えるようにしておかなければならず、またY形裸圧着端子のような抜け止めに役立つクビレもないのでマークチューブを固定することが出来ません。
そのため、マークチューブが固定されないので電線上をスルスルと動いてしまい、マークチューブを綺麗に並べて配線できないばかりか、マークチューブがどっかに滑っていなくなってしまうことがあります。
マークチューブが被せられない
このような問題を解決するためには、「ズレ止めマークチューブを使用する」「マークチューブを固定するストッパーを使用する」必要があります。
客先の仕様書にも「フェルール端子にはマークチューブのズレ止めを施工するように」と記載がる場合もあるので、必ずズレ止めをしましょう。
参考
フェルール端子の圧着方法は下記の記事をご覧ください。
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フェルール端子と裸圧着端子の圧着方法【Y形R形ブレード形の基本】
続きを見る
ズレ止めと後付けストッパー
マークチューブがズレないようにするためには2つの方法があります。
マークチューブのズレ止めの方法は2つ
- ひだ付きのマークチューブを使う
- マークチューブに後付けのストッパーを使う
ひだ付きマークチューブの製造メーカーは「WAGO」「株式会社セフティデンキ」「ユーボン」「フェニックス・コンタクト」「MAX(レタツインの製造元)」などがあります。
汎用のマークチューブに後付けで差し込むことでズレ止めできるストッパーは「WAGO」が販売しています。
メーカー一覧
注意したいのは、株式会社セフティデンキのスーパーピタットチューブは、印字機のMAXのレタツインに対応していないようです。MAX株式会社のグリップチューブは、自社の印字機のレタツイン以外は保証対象外となっていることです。
ここで紹介した商品以外にも探せばあると思いますが、実際に使えるのか?よく確認したほうが良いですね。
ちなみにですが、私はフェニックス・コンタクトのフェルール用チューブマーキングを使用しています。
商品のカタログ紹介
それでは最後に、今回紹介した商品のカタログを載せておきます。
WAGOのマークチューブMTシリーズです。
出典:WAGO カタログ マークチューブMTシリーズ
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ユーボンのピタットチューブUPTシリーズ、海外メーカーなので代理店はスズデン株式会社さんとなっています。
出典:スズデン株式会社 ユーボン ピタットチューブ UPTシリーズ
MAX株式会社のグリップチューブです。
出典:MAX株式会社 グリップチューブ
株式会社セフティデンキのスーパーピタットチューブです。
出典:株式会社セフティデンキ スーパーピタットチューブ
フェニックス・コンタクトのフェルール用チューブマーキングです。
出典:フェニックス・コンタクト フェルール(棒端子)用チューブマーキング WMRTシリーズ
WAGOのマークチューブストッパーです、配線完了後に後施工でズレ止めができるのが魅力です。
出典:WAGO カタログ マークチューブストッパー
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ポイントまとめ
それでは、マークチューブのズレ止めについて重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- フェルール端子にマークチューブを固定することができないのでズレてしまう
- マークチューブズレ止めの方法は「ひだ付きマークチューブ」と「ズレ止めストッパー」を使うこと
以上2つのポイントです。
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*フェルール端子の購入はこちらか
関連記事:【電気配線/制御盤製作 】
以上です。