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長尺モノのわたみを考慮した精密測定【エアリー点とベッセル点とたわみを等しくする点】

 

今回は「長尺モノのわたみを考慮した精密測定」についての記事です。

測定には、加工された部品が図面通りにできているか、要求精度をクリアしているか、などの目的がありますが、部品の大きさや形状が毎回同じではない場合は正しい方法で測定ができていなくて間違った判断をしてしまうことがあります。

特に、長尺モノの測定は「たわみ」が発生するので測定が難しいだけでなく、得られた測定値をどのように判断するのか?の難しさもあります。

そこで今回の記事では、長尺モノのたわみを考慮した測定方法についてまとめておこうと思います。

 

長尺モノのわたみを考慮した精密測定

長尺モノはたわむ

長尺モノの測定で、精度が0.01mm単位やそれ以下の精密な測定の場合、測定値に矛盾が発生したり、誤った測定結果となってしまうことがあります。

 

原因はコレ

  • たわみ

 

出典:ミツトヨ 精密石定盤 グラプレート

定盤

 

測定と言いますと、通常は定盤の上でおこなうことになりますが、注意したいのが長尺モノです。長尺モノの測定ゲージや部品を定盤の上に直置きして測定しようとすると、自重でたわんで定盤の面にならって変形することで、曲がったモノが真直ぐな状態になったり、真直ぐなものが曲がった状態になるので、正しい測定結果が得られなくなることがあります。

それ以外にも、面で接触しているように見えても実際には点当たりで接触しているので、一体どこで支持されているかが不明で、置く場所を変えるたびに精度が狂ってしまう原因になります。

 

たわみを考慮した測定方法

たわみを考慮した測定方法はコレ

  • 長尺モノは2点で支持して測定する
  • ナイフエッジ、ローラー、高さが揃っていてなるべく点当たりになる治具、で支持する

 

たわみ

 

と言っても、ただ単純に長尺モノを2点で支持するだけでは、支持されていない部分は定盤の上に直置きするよりもたわみが発生するかもしれません。

そこでポイントとなるのが、長尺モノの長手方向のどの部分を支持するのか?と言うことです。

 

2点支持の方法はいくつかあります

  • エアリー点
  • ベッセル点
  • たわみを等しくする点

 

これらの方法はどの部分を支持するかによってたわみ具合に違いがありますが、どのような目的で、何を測定するのか、など自分の測定目的に応じて使い分けると良いです。

因みにですが、このような支持方法は工作機械を使用した加工においても応用が可能ですし、機械装置の構造物のフレームの固定位置にも共通する考え方です。

 

参考

長尺モノの精度測定に標準型ダイヤルゲージを使用することがありますが、標準型ダイヤルゲージはてこ式ダイヤルゲージと違い、スピンドルのバネの反発力が強めなので測定物が押されてたわんでしまうことがあります。精密に測定しているはずが、測定によってたわんでしまって誤った測定結果になってしまうわけです。対策としてはてこ式ダイヤルゲージを使用することです。

 

2点支持の測定方法

エアリー点

エアリー点とは

  • 長尺モノの両端面が平行となる支持点

 

支持点の位置の計算方法はこちら

  • 端面から支持の位置 = 全長 × 0.2113

 

エアリー点

 

エアリー点での測定は、端面精度を測定する場合、両端面を平行に保つ必要がある場合、ブロックゲージを支持する場合に有効です。

 

ベッセル点

ベッセル点とは

  • たわみによる全長の縮み量を最小にする支持点

 

支持点の位置の計算方法はこちら

  • 端面から支持の位置 = 全長 × 0.2203

 

ベッセル点

 

ベッセル点での測定は、たわみによる全長誤差を最小にして測定したい場合、標準尺と呼ばれる精密なものさしを支持する場合に有効です。

 

たわみを等しくする点

たわみを等しくする点とは

  • 長尺モノの中心と両端のたわみ量が同じになる支持点

 

支持点の位置の計算方法はこちら

  • 端面から支持の位置 = 全長 × 0.2232

 

中心と両端のたわみを等しくする支持

 

たわみを等しくする点で測定すると、「部品の加工精度=変形」を判断することが出来ます。

 

ポイントまとめ

それでは、長尺モノのわたみを考慮した精密測定について重要なポイントをまとめておきます。

 

ポイント

  • 長尺モノの測定ゲージや部品はたわみが発生するので、正しく測定できないことがある
  • 精密に測定する場合は、たわみを考慮した「エアリー点」「ベッセル点」「たわみを等しくする点」を使い分けて測定すると良い
  • エアリー点は「長尺モノの両端面が平行となる支持点」である
  • ベッセル点は「たわみによる全長の縮み量を最小にする支持点」である
  • たわみを等しくする点は「長尺モノの中心と両端のたわみ量が同じになる支持点」である

 

以上5つのポイントです。

 

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以上です。

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