今回は「組立における油砥石の使い方と注意点」についての記事です。
金属に関わることがある職業には、油砥石は必要不可欠なアイテムでしょう。
油砥石の取り扱いは作業の基本だと思いますが、しかし、教えてもらう機会がない、教科書に載っていない、調べても使い方がわからない、、、、、など、困っている人も見受けられます。
そこで、今回は私が実際に行っている油砥石の取り扱いを紹介しようと思います。
記事の目次
組立における油砥石(オイルストーン)とは
砥石とは
砥石とは、研磨や研削するモノですが、組立作業では部品の面修正で使用されます。
出典:(株)大和製砥所 油砥石
具体的には下記の2点です
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バリ
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打痕
部品の面修正が目的ですから、面の凸(出っ張り)を落とすイメージで使用します。
おすすめの砥石
私の使用している砥石は(株)大和製砥所さんのチェリーオイルストーンです。砥石の成分はアルミナ(酸化アルミニウム)です。
私は、粒度は2種類を使い分けています
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中目(粒度180)
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細目(粒度320)
チェリーオイルストーン中目
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油について
油砥石は、油砥石と言う名前の通り油を浸み込まして使用します。そもそも、砥石は水や油を浸み込ませたり、かけながら使用するモノです。
なぜ、水や油が必要か?
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研磨、研削の屑が砥石に目詰まりしないように
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滑り易くして均等な力で砥石がかけられるように
このような理由があります。目詰まりすると面に傷が入ったり、滑りにくいと一部分だけ削りすぎてしまったり良い事はありません。
使用する油
使用する油は、目詰まりと滑りを考慮すると粘度の低いサラサラしている油が扱いやすいです。
私は安価で入手し易いKUREの5-56を使用していますが、油砥石専用の油やミシン油、他工業用油など自分の環境にあった油を使用すれば良いと思います。
使い方と注意点
それでは、油砥石の使用方法の手順を紹介します。
手順
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砥石に油を十分に浸み込ませておく
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砥石をかける面に油を吹き付ける
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砥石をかける
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面をウエスなどで清掃し完了
それでは、それぞれの作業ポイントを解説していきます。
1. 砥石に油を十分に浸み込ませておく
私の場合にはスプレーの油ですので砥石に吹き付けて浸み込ませています。
十分に油を浸み込ませると砥石が油を吸わなくなり表面に油が溢れてきますので、この状態になれば砥石を使用できると言えます。
砥石に油を浸み込まる
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2. 砥石をかける面に油を吹き付ける
砥石には十分に油が浸み込んでいますが、対象物が乾いていると砥石の油が対象物に奪われてしまい、油の効果が無くなってしまいますので対象物にも油を吹きかける必要があります。
3. 砥石をかける
砥石をかける目的は冒頭でも説明しましたが「バリ」と「打痕」の修正ですから、砥石のかけ過ぎには注意しなければいけません。
砥石をかけ過ぎると起きる問題
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必要以上に面が削れてしまう
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手作業のため部分的に削れてしまう
このような問題が起きますので、面精度はそのままで修正するイメージで作業をします。
砥石による面修正の見極めのポイントは、手の感覚と視覚で確認すると言うことです。
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手に抵抗を感じなくなるまで
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手で面を触る
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目視
バリや打痕は面に対して出っ張っていますので砥石を滑らせるとひっかっかります。何度か滑らせると、そのひっかっかりが削れて抵抗を感じなくなるはずです。
それがバリや打痕が除去できたかの目安となり、最終的には手で面を触った感触と目視でバリや打痕の有無を確認します。
見極めのポイント
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試験的にポンチで打痕を付けた面に砥石をかけてみた。このような感じに削れます。
4. 面をウエスなどで清掃し完了
油や汚れ、削り屑をウエスなどで拭き取ります。対象物の材質や表面処理の有無にもよりますが、拭き取る時に脱脂まですると錆びが発生する事がありますのでその点は考慮します。
補足
砥石の取り扱いですが、硬い材質のため落とすと割れる事があります。小さくなった砥石も狭い場所や小さな部品に使用できますが、基本的には落としたりしないような取り扱いを心がけましょう。
割れた砥石
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ポイントまとめ
それでは、油砥石の使い方と注意点ついて重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- 使用前に砥石に油を十分に浸み込ませておく
- 砥石のかけすぎに注意。目安は手の感覚と目視
- 砥石は割れるのて落とさないように
以上3つのポイントが大切です。
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*油砥石の面修正の方法はこちらをご覧ください
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油砥石の平面修正の方法【オイルストーンはダイヤモンド修正する】
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以上です。