記事の目次
ハイトゲージとの精度と注意点
ハイトゲージとは
ハイトゲージとは、「高さの測定」と「高さの罫書き」ができる測定器です。
出典:ミツトヨ カタログ
目盛りの値
ハイトゲージの目盛りの読み取り単位は下記のようになっています。
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標準ハイトゲージ・・・バーニア目盛りで0.05mm単位
- 直読ハイトゲージ・・・ダイヤルの目盛りで0.01単位
- デジタルハイトゲージ・・・0.01mm単位の表示
標準ハイトゲージは、目盛りの合っている部分の数値を目視で読み取るタイプです。0.05mm刻みの「バーニア目盛り」とハイトゲージ本体の「本尺目盛り」の合っている部分が測定値となります。
直読ハイトゲージには標準ハイトゲージのような目盛りはないのですが、カウンターとダイヤルによって0.01mm単位の測定が可能です。そのため、価格も標準ハイトゲージよりも高価です。
デジタルノギスは、測定結果の値が0.01mm単位なので細かく測定ができ、測定値は画面に表示されるので読み上げるだけなので簡単です。
器差
器差(モノの寸法と測定器が示す数値の差)は、ハイトゲージの測定できる長さと最小読取値によって違いがあります。下記のJISB7517の規格表をご覧ください。
JISB7517 ハイトゲージの器差
JISB7517 ハイトゲージの器差
使用するときの注意点
ハイトゲージの使用に関わる注意点をまとめておきます。
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定盤のような平面度の良い環境で使用する
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測定面を押さえ過ぎると変形などで誤差が大きくなる
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スクライバは罫書き作業によって摩耗したり欠けたりします
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使用前に毎回、0点の確認をおこない、ズレていたらゼロ点調整をする
平面度が悪かったり、ベースの滑りが悪かったりすると、ハイトゲージがバランスを崩して倒れることがあるので、基本的には定盤で使用します。そして、定盤の表面にチリホコリなどのゴミを除去することと、打痕をとっておくことが欠かせません。
ハイトゲージはノギスと同様に、測定力を強くすると変形によって測定値の誤差が大きくなります。安定して正確に測定物の当てるように意識することが大切です。
スクライバは、測定と罫書きをおこなう重要な部品ですが、使用するにしたがって摩耗したり欠けたりします。使用するときには必ず確認しないと、間違った測定結果であったり、間違った罫書きをおこなってしまうので、注意しましょう。摩耗や欠けたスクライバは単品購入できるので、予備品としてストックしておくのがおすすめします。
ハイトゲージの目盛りは、ズレ易い傾向があるので、使用前に基準面にスクライバを当てて0点の確認を行います。もしズレている場合には、0点調整が必要となります。詳しくは下記の記事をご覧ください。
ハイトゲージの0点調整
代表的なハイトゲージを紹介
標準ハイトゲージ
標準ハイトゲージは、バーニア目盛り付きのスタンダードなハイトゲージです。目視で目盛りを読取らなければいけない為難しさがありますが、安価ですし細かい扱いに気をつけなくていいので、罫書き作業や大まかな寸法測定には向いています。
標準ハイトゲージ
ミツトヨの標準ハイトゲージ
デジタルハイトゲージ
デジタルハイトゲージは、0点を任意の高さでゼロセットボタンを押して表示をゼロにすることができるので、標準ハイトゲージより、高低差を測定する時の使い勝手が良いです。
測定結果は数値が表示されるため読取り間違いが起きません。ただし、感度が敏感である為に、測定面の押さえ方に気を付けても0.01mm~0.02mmのバラつきが起きるので、何度か測定して数値が安定した時を結果として読み取る方法がおすすめです。
デジタルハイトゲージ
ミツトヨのデジマチックハイトゲージ
ハイトゲージの使い方の応用
ハイトゲージは測定方法をアレンジすると、測定の幅が広がります。良くあるパターンには、ハイトゲージにダイヤルゲージを取付けて使用する方法です。この使い方は、高さの変位量と高低差の測定が容易におこなえます。
ダイヤルゲージの取付けには、スクライバ(測定面)をダイヤルゲージのインジケータホルダ(測定器の固定部品)と交換して、ダイヤルゲージを取付けて使用します。
標準ハイトゲージ
新潟精機さんのハイトゲージ取扱い動画を載せておきます。参考にしてください。
*ハイトゲージの購入はこちらから
*インジケータホルダの購入はこちらから
関連記事:【測定器/工具 /電動工具】
以上です