今回は「ローラチェーンを短くする方法」についての記事です。
ローラチェーンは機械装置に欠かせない部品です。チェーンは定期的な交換が必要な場合が多く、交換作業にはチェーンの長さを短くする(カット)ことが伴います。
チェーンを短くする作業は、機械装置に携わることの基本であるとおもいますので、その方法について紹介しておこうと思います。
記事の目次
ローラチェーンを短くする方法
チェーンとは
チェーンとは鎖の事で、何かと噛み合わせたり引っ張ったりして伝動するモノです。モーターの駆動や何かを釣り上げたたり、ワークを搬送したりと幅広く使用されています。
チェーンを短くする方法
チェーンの交換や取付けの作業には、「チェーンの長さ調整」が伴うことがありますが、長さ調整には「長くする」場合と「短くする」場合があります。
長くする場合には「ジョイントリンク」でチェーンとチェーンをつなぎチェーンを長くし、短くする場合は「チェーンを切る」ことで短くすることになります。
チェーンを短くする方法としては
-
チェーンカッターで短くする
-
グラインダーとピンポンチで短くする
このような方法があります。
チェーンカッターはチェーンを切る専用の工具ですが、グラインダーを使用する場合はチェーンのリンクを削りピンを打ち抜くやり方となるのでチェーンの発熱に注意が必要です。
チェーンの発熱は、チェーンのリンク部分にゴム製のシールが内蔵されているシールチェーンの場合に悪影響となります。それは、発熱によって切る部分以外のゴムシールに熱が伝わり損傷する可能性があることです。ですから、シールチェーンの場合にはチェーンカッターで切ることをお勧めします。
*シールチェーンはモーターサイクルで採用される耐摩耗に優れたチェーンです(フリクションは大きい)
チェーンカッターやグラインダーでカットする方法
それでは、チェーンを短くする方法として、チェーンカッターとグラインダーを使用した方法を紹介しようと思います。
チェーンカッター
チェーンカッターとは、チェーンの側面にセットしてピンを打ち抜く工具です。
チェーンカッターには様々なタイプがありますが、私がおすすめするチェーンカッターは片山チェンのチェーンサイズ専用のチェーンカッターです。
汎用性を持たせて各種チェーンサイズに対応したチェーンカッターもありますが、汎用性を持たせているため故障や破損することがあるので、費用と収納に余裕があれがサイズ別の専用品が良いと思います。
チェーンカッターの使用方法は下記の動画をご覧ください。
初めて使用する人でも簡単に扱うことができます。
グラインダー
グラインダーを使用する方法は、チェーンカッターが無い場合に有効ですが火気と巻き込まれなどの危険性があるので注意しましょう。
グラインダーでチェーンを短くする方法
- チェーンをバイスなどで固定
- チェーンの外リンクのピンカシメ部分をグラインダーで削り落とす
- ピンポンチでピンを打ち抜き、作業完了
グラインダーによるチェーンのカット
チェーンをバイスなどで固定する
ピンのかしめをグラインダーで削り落とす
ピンポンチでピンを打ち抜く
補足 チェーンカッターとチェーンサイズ
チェーンには大きさの種類があるので、チェーンカッターを使用する時にはサイズに注意が必要です。
出典:椿本チエイン ドライブチェーン&スプロケット 取扱説明書 P4
チェーンのサイズは、チェーンのピッチを基に規格化されていて、チェーンピッチが長くなるとピンの外径も大きくなります。
*正確には、ピッチが長くなると、チェーンすべての部位が大きくなります。
ピンのサイズに違いがあると言うことは、チェーンカッターの打ち抜きピンの外径もそれに合わせたサイズが必要となります。
上記のカタログに記載があるように、チェーンカッターのサイズとチェーンのサイズの組み合わせを間違えないように使用しましょう。
ローラチェーンの長さを短くするのポイントまとめ
それでは、ローラチェーンの長さを短くするについて重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- チェーンを短くする方法には、「チェーンカッター」と「グラインダー」を使用した方法がある
- チェーンをカットする方法はチェーンカッターがおすすめ
- グラインダーでカットすると、火気、巻き込まれ、ゴムシールの損傷、などのリスクがある
以上3つのポイントが大切です。
参考
*おすすめのチェーンカッターはこちら
関連記事:【回転運動の要素】
以上です。