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なぜ問題は繰り返されるのか?
私の職場では日々問題が起き、その問題は繰り返され続けてきました。それは「設計ミス」と「製作ミス」です。
問題をゼロにすることは簡単な事ではないと痛感している今日この頃です。今回は、なぜ問題は無くならないのかを今一度整理したいと思います。

なぜ「設計ミス」や「製作ミス」が起きるのか考えてみますと、、、
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組織/システムの問題
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個々のスキルと思考の問題
大きく分けてこの2つではないかと思います。
組織/システムの問題
では、はじめに組織とシステムの問題について考えてみたいと思います。
組織、システムの問題とは下記の2点です。
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仕事のチェック体制・・・・人は失敗するものなのに、チェックすることを怠る
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問題を是正する仕組み・・・・個々に責任を押し付けている
私は「仕事のチェック体制」と「問題を是正する仕組みがない」は非常に重要なことで、これが実行できれば問題は大幅に低減できると思っています。
1.仕事のチェック体制
人は失敗するものなのですが、現在のチェック体制は全く機能していません。
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設計・・・上司が確認し承認するルールとなっているが、確認せずに承認印を押すことが常態化している
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製作・・・寸法測定をおこなっていない、測定していても記録しない。
このような状態です。これでは問題がなくなるわけがありません。
これに対して、どうすればよいか?考えてみますと、、
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設計・・・組図のチェックと承認を上司が行い、図面に承認印を押す。
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製作・・・製作時に、寸法測定を行い製作図面に記録で管理者の承認を得る。
このようなやり方が適切ではないかと思います。仕事は当事者だけで完成ではなく、それ以外の人もその仕事は大丈夫なのか?一緒に判断するとミスが減ると思います。
2.問題を是正する仕組み
人は失敗するものなので、問題は必ず起きるでしょう。
例えば下記の取り組みはどうでしょうか、、、
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問題が起きたらやり方、管理方法、ルールなどを変える
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話し合い、対策会議を実施し仲間の問題意識を共有し意見を出し合う
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問題を集計しデータ分析を行い、何を改善すれば最善か検討する。
残念ながら現状では個々に責任を押し付けている状態なので全く機能していませんが、もし実行出来たら社内の雰囲気も含めて激変するでしょう。
組織/システムの問題が改善しない理由
設計ミスや製作ミスが起き続けているのに、なぜ組織とシステムの問題が改善しないのでしょうか?
私が感じているところでは、、、
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上司や管理者の問題意識が薄い
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めんどくさいなどの怠慢な意識
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問題は起きるのが当たり前だから、やるだけ無駄
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ワンマンの上司や管理者の為、意見できない、話し合いができない環境
このようなことが考えられます。これを変えるためには経営者、会社幹部が取り組まなければ変わることは無いのかもしれません。
個々のスキルと思考
では次に、個々のスキルと思考について考えてみます。
個々のスキルと思考の問題とは下記の2点です。
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スキル不足(技術)のため失敗する
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仕事に対する考えが甘い。誰かが何とかするからイイや、、、、
この2点に尽きると思います。
1.スキル不足(技術)のため失敗する
仕事をするうえで、その仕事に対して自分のスキルが見合っていないと失敗するリスクが高くなります。
スキル向上に必要なことは、、
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知識や事例など座学での勉強
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実技講習で知識や事例を実践してみる
このようなことが考えられます。
ここで大切なのは本人のモチベーションです。仕事のモチベーションが低ければ、いくら社外のセミナーや職場の勉強会、自身で学習などをしても身につかないと思います。
2.仕事に対する考えが甘い。誰かが何とかするからイイや、、、、
仕事に対する考えが甘いと失敗が多くなります。失敗を生かして次につなげれば良いのですが、考えが甘い人は何度も同じ失敗をしてしまうことがあります。
仕事意識の改善には、、
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客先に適切な商品を届ける意識
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自分が怠慢な仕事をすれば、会社、仲間、客先、皆が不幸になる
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プライドを持つ。自分の仕事に自信を持ち結果、評価されることをやりがいとする。
このような考えを持つことができれば、必ず問題の低減につながると思います。
ただ、考えは人それぞれですから、皆がそうなることは難しいところです。
個々のスキルと思考の問題が解決しない理由
設計ミスや製作ミスが起き続けているのに、なぜ個々のスキルと思考の問題が解決しないのでしょうか?
私の感じているところでは、、、
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仕事が嫌い
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自身の向上心が薄い
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失敗すると責められる
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自分がどうあるべきかの理想像がわからない
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スキルを向上させる環境がない(セミナー、勉強会)
このようなことが改善の障害となっていると思います。
個を伸ばすためには環境が大切です。良い雰囲気を作りその気にさせれば、誰でも成長するか可能性があります。
まとめ

私の一番変えたいことは、組織/システムですが、難易度はかなり高そうです。下からの訴えに耳を傾けてくれる人もいるが、そうでない人も居る。組織の場合、部署を超えて変えていくことは権限がある立場の人間にしかできません。
となると経営者や会社幹部にこの問題を理解してもらうように、どれくらい会社の不利益になっているかのデータや資料をもとに設計ミスや製作ミスについての今までの取り組みを説明して訴えるしかないようです
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