パワハラって攻撃的な上司が部下にやりがちな事だと思うのですが、私は「放任型」と呼ばれる「部下を締付けず、やりたいように仕事をしてもらうことで、自由な発想で効率よく業務を遂行してもらう」タイプの上司もパワハラに該当するのではないか?と思っています。
記事の目次
「何もしない」ことはパワハラを助長させます
パワーハラスメントと感じる行為
パワーハラスメントに該当する行為は厚生労働省が示していますが、簡単にまとめると「優位な立場を利用して肉体的、精神的、に苦痛と感じる行為をすること」となると思います。
具体的には経営者や役職者が部下に、暴力を振るう、激しく叱責する、無視する、過大な業務を押し付ける、体や性格の特徴をいじる、と言ったことが該当します。
見方を変えると「優位な立場の攻撃的な人がやりがちな行為」とも言えそうです。
出典:厚生労働省 職場のパワーハラスメントの概念
ところが私は、パワハラは「攻撃的な人」以外の人も該当すると思っています
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放任型の上司(経営者や役職者)もパワハラに該当するかもしれない
放任型の特徴
- 部下に干渉しない
- 問題解決は部下に任せる
- 業務のやり方は部下に任せる
部下を締付けず、やりたいように仕事をしてもらうことで、自由な発想で効率よく業務を遂行してもらうのが放任型と呼ばれるタイプです。部下中心で業務を進めるとも言えます。
このタイプは一見するとパワハラに無縁に思えそうですが、私はこの放任型の上司の部下だったことがあるし、放任型上司を何人も見てきた経験から「無責任なパワハラ助長タイプ」だと思っています。
問題解決できない放任型の上司
なぜ放任型の上司は「無責任なパワハラ助長タイプ」なのか?
それは「問題解決を部下に任せているので、上司は問題を放置する」からです。
つまり、こんなことが起きます。
部下が自発的に問題解決をおこなわずに、やりたい業務しかやらない可能性がありますが、上司は部下に任せているので見てみぬふりをします。
また、部下が自力で問題解決できない場合に上司に相談しても、部下に任せているので問題解決しようとしません。
つまり、放任型の上司は日ごろの業務で発生する問題を放置する傾向があり、本来上司がやるべきマネジメントをおこなっていないと言えそうです。
業務で発生する問題を解決しないと、どうなるのか?
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部下は無視されていると感じる
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部下同士であったり、部下が他部署とトラブルになる
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部下は自分の業務が改善されないので肉体的、精神的なストレスを抱える
結果どうなるのか?
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部下は上司からパワハラを受けていると感じる
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部下が同僚からパワハラをうけたり、パワハラをしてしまう
会社で仕事をしていれば必ず問題が起きます。人間関係の問題、スキルの問題、納期の問題、成果物の不具合の問題、労働環境の問題、業務をおこなうためのシステム(ルール)の問題、などなど様々な問題が発生するわけです。
このような問題を放置すると、部下は「上司に無視されて業務を押し付けられている」と感じるのでパワハラされていると受け取るし、「問題が解決されずイライラした部下が同僚にパワハラする」、その逆に「問題解決されないことで業務の成果がイマイチな部下に同僚がパワハラしてくる」こともあります。
ここがポイントです
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それでも上司は放置する
私から見て「あの部署の部下は問題を抱えているな」と思い、その部署の放任型上司にいろいろと話しをしたことがあったのですが、「俺はパワハラしていない」「人間関係のトラブルは個人の問題」と言ったスタンスでした。と言うか、そもそも「何も解決できる能力がない」ので言い訳しているだけのようにも見えました。
放任型の上司はコミュニケーションを増やすこと
放任型上司の部下の気持ち
放任型の上司をもつ部下の気持ちはどうなのか?
私が部下の方たちと話しをしたり、一緒に仕事をしてきた結果、分かったことがあります。
部下の気持ち
- 成果を上げて役に立ちたい
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仲間と協力して仕事をしたい
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上司から指示がないからどうしていいのか分からない
部下の皆さんはさぼっているわけではありません。
しっかり仕事をして、成果を上げたい気持ちがあるんです。だけど「上司から指示がない」「相談しても話がすすまない」「やり方を教えてくれない」「指導してくれない」から成果が上がらないのです。
しかも「周囲の仲間と協力して仕事をしたい」ポジティブな気持ちがあるのです。
にもかかわらず、上司の行動はこのような部下の気持ちに反しているので、最終的に「部下は上司からパワハラを受けていると感じる」「部下が同僚からパワハラをうけたり、パワハラをしてしまう」となってしまうのです。
放任型は「部下のスキルや自主性が高い場合にしか成立しない」ということはしっかり認識すべきなのです。
放任型の上司がやるべきこと
放任型の上司が「無責任なパワハラ助長タイプ」とならないように、何をすべきでしょうか?
放任型上司がすべきこと
- 部署や部下の目標を明確に示す
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コミュニケーションを増やして信頼関係を深める
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部下から相談されたことは、突き放さずに解決に導く
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部下がトラブルを抱えていているようなら、見て見ぬふりをせずに介入する
部下は自分のやりたいように業務をしていると、「これでいいのか?上司からはなにも言われないけど、、、」っと、不安になります。これでは部署(チーム)としての一体感がでないので活気もありません。なので、大枠の目標を明確に示し、その目標の達成方法は部下に任せる、といったやり方がよいです。
次に、コレが一番大切なことです、「コミュニケーションを増やす」は必ず実施します。コミュニケーションを増やし信頼関係が築ければ、「部下の異変に気が付きやすい」「部下に疎外感を与えにくい」「お互いに好感度が上がる」「部下の精神的なストレスを軽減できる」このような効果があり、大きな問題に発展する前に解決できるようになります。だた、ここで難しいのは「どの程度の信頼関係を築けばいいのか?」と言うことです。私が目安としているのは「定期的に一緒にランチを外食できる」関係性であることです。これが出来れば「適度な距離感があり、ある程度の信頼関係は築けている」と思います。
そして最後に、部下を放置することは絶対にやめましょう。部下が上司に相談するということは、上司に助けを求めている状態なのだから「アドバイスする」「一緒に解決に取り組む」「上司が解決する」を行わなければなりません。仮に部下が相談してこなくても、「いつもと雰囲気が違う」「ミスが多くなった」「第三者から部下のトラブルを聞いた」など部下がトラブルを抱えていそうなら、上司からコミュニケーションをとり部下の状況を把握する必要があります。
これらをおこなうことで、放任型上司のデメリットであった「パワハラを助長する」ことは改善するし、部下は安心して業務に取り組むことができると思います。
ポイントまとめ
それでは、放任型の上司について重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- 放任型上司は「無責任なパワハラ助長タイプ」と思われる可能性あり
- 放任型は「部下のスキルや自主性が高い場合にしか成立しない」
- 上司はコミュニケーションを増やして信頼関係を深めることが大切
- 部下の抱えている問題やトラブルは放置せずに解決すること
以上4つのポイントです。
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以上です。