安全作業するためには、3Sや5Sなどの作業環境の整備が重要視されていますが、それ以外にも例えば「第三者が作業エリアに侵入してこないように」することも大切です。
作業エリアは切れ目なく区画して第三者を排除する
作業エリアの確保は安全に必要
作業エリアは事故や災害が発生しないように安全対策をする必要がありますね。
部品、資材、道工具が散乱していたり、作業動線(作業者やモノの動く流れ)が確保できていないような状況では安全に作業をすることができません。
そして何より、第三者(非関係者)が作業エリアに侵入することは絶対にあってはなりません。
安全教育がされていない、どのような作業をしているか理解していない、保護具を着用していない、そもそも第三者は作業の邪魔、このような人が作業エリアに侵入してくると飛躍的に事故が発生するリスク高くなります。
これは、客先の工事現場でも、社内の作業場でも、同じことです。
第三者(非関係者)を作業エリアに侵入させない方法
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作業エリアの周知徹底
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立ち入り禁止の看板表示
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カラーコーンとバーで区画
第三者(非関係者)を作業エリアに侵入させないための代表的な方法は3つあります。
まずは「作業エリアの周知徹底」です。
安全教育や作業前ミーティングで、工場内で「いつ、どこで、誰が、何をやっているのか?」と「無関係な作業エリアに立ち入らないこと」などを周知徹底します。これによって、無暗に他人の作業エリアに侵入したり横切ったりすることを防ぐことができます。
次に「立ち入り禁止の看板表示」をおこなうことです。
作業エリアの周知徹底をしていても、カラーコーンとバーで区画していても、無関係な作業エリアに侵入してくる人はいます。そのため「立ち入り禁止」「○○作業中」「○○株式会社の作業エリア」などの看板を表示することで注意喚起をおこないます。
そして最後に「カラーコーンとバーで区画」です。
私は作業エリアの区画は、第三者の侵入を防ぐための基本であり一番重要だと思っています。いくら周知徹底しても、看板表示しても、「いったい、どこからどこまでが作業エリアなのか?」が明確にされていないと、第三者は誤って侵入してしまう可能性があるからです。
ところがです、作業エリアの区画は「区画のやり方」が悪いと「ぱっと見、区画しているように見えても第三者が侵入してくる」ことがあるので、正しい区画のやり方を知っておく必要があります。
近道行為は人間の行動特性
数年前ですが私は「第三者の侵入経路について」実験したことがありました。
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実験期間は3週間
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15m×40mの作業エリアをカラーコーンとバーで区画
区画の実験
あえて「バーが無い場所」と「バーが低い場所」を設定して、第三者が侵入する経路を観察してみました。
実験の結果
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第三者は侵入しやすいところから入ってくる
作業エリアの両脇には十分な通路があったにも関わらず、第三者は普通の顔して侵入してきました。
侵入してくるところは?
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バーが低いところ
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カラーコーンのみでバーが無いところ
バーが低いとまたいで侵入してくる、バーがないとカラーコーンとカラーコーンのすき間から侵入してくる、と言った行為が見られました。
このような人間の行動を何というのか?
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近道行為
人間は本能的に、面倒臭い行為をしたくないので、とにかく手順を省略したり、行動を簡略化しようとします。たとえ、安全教育や作業前ミーティングで「無関係の作業エリアに侵入しないように!」と言われていてもです。
例えば、資材をとりに行こうとしたときに、カラーコーンとバーで区画されたエリアがあったとすると、迂回して資材をとりにいかなくてはなりませんが、それは面倒臭い行為なので簡略化したいと本能的に反応します。つまり、区画エリアに侵入して資材をとりに行こうとします。これが「近道行為」と呼ばれる人間の危険行為です。
そのため、カラーコーンとバーがあり作業エリアと認識できていても、人間は本能的に侵入し易い部分があれば侵入してきます。
今回の実験で言えば、カラーコーンのみでバーが無い部分から侵入、バーの高さ低いところをまたいで侵入、と言うことです。
切れ目なく区画して周知徹底する
実験の結果から、作業エリアの区画は正しく区画しないと効果がないことが分かりました。
では、どうすれば良いのか?
作業エリアを正しく区画するために
- 区画と看板表示を組合わせる
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バーの高さは約700mmとする
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切れ目なくカラーコーンとバーで区画する
- 侵入してきそうな場所には、モノを置き全く侵入できないようにする
作業エリアの区画を強固にする
カラーコーンとバーで作業エリアを区画するだけでは、無理やり侵入してくる可能性があるので、看板表示をして注意喚起すると効果的です。「ここは自分の作業エリアじゃない」「ここはしっかり管理されているから侵入したらマズイことになる」といった認識をさせる効果があります。
バーの高さは、一般的な規格の約700mmよりも低くすることがないように、そして区画に切れ目がないように全周をカラーコーンとバーで繋ぎます。
それでも、もし第三者が侵入してきそうな部分があれば、資材などのモノを置き全く侵入できないようにします。これは作業エリアのレイアウトに関係することなので、作業内容や進捗を加味しながら作業動線を考えてレイアウトしましょう。
と言うことで、この対策を実際におこなってみたのですが、第三者の侵入はゼロとはいきませんでしたが、ほぼゼロになりました。区画の方法としては問題ないとおもいますが、安全教育と周知徹底を強化すれば侵入ゼロになる見込みはありそうでした。人間の本能を制御するのって難しいですね。
ポイントまとめ
それでは、作業エリアについて重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- 第三者は侵入しやすいところから入ってくる
- 人間は本能的に面倒臭い行為をしたくないので、近道行為をする
- バーの高さは約700mmとしカラーコーンとバーで切れ目なく区画する
- 作業エリアの区画だけでなく、看板表示を組合わせると効果的
以上4つのポイントです。
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以上です。