今回は「悩み相談をされたら、どうやって向かい合えば良いのか?」について、私が行っている方法を紹介する記事です。
悩み相談を受けると、ついつい意見を相手に押し付けがち、アドバイスしがち、ですが、これは極力避けなければいけません。
理由は2つあります。一つ目は「悩みを解決するのは悩んでいる人自身だから、他人の意見を押し付けても解決しない」、二つ目は「そもそも人は他人に言われたことで人は変わらない」があるからです。
記事の目次
人間関係の悩み相談は4段階で解決する
深い悩みは自分を見失うので立ち上がれない
どんな人でも、精神的に追い詰められてパンクしてしまうと、自分自身の悩みや不満が一体なんなのか?分からなくなることが多いです。
とにかく色々な「不満」「陰口」「言い訳」「個人攻撃」を周囲の人達にしてしまうのです。これは自己防衛の反応でもあるので、止めることが出来ません。
そして、最終的には「自分の都合がいいように事実を変えてしまう」ので、根本的な解決には至らず、周囲との関係も悪くなります。
そうならないためには、第三者の助けが必要です。ざっくり言えば、第三者が暗い海の底から引き上げる、ってことです。
私が悩んでいる人を引き上げるときに、大きく分けて4段階に分けて接することにしています。
第1段階
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とにかく悩んでいる人の話しを聞き続ける
第2段階
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本当の原因とその時感じた感情を受止める
第3段階
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原因に対する考え方、解釈を変える
第4段階
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自分の強み、長所を再確認する
第3段階、又は、第4段階まで進めば、そこから先は悩んでいる人が自分の力で解決できるよう仕向けていきます。
下手に第三者が仲裁したりアドバイスしても、モヤモヤが残ったり、わだかまりが残ることが多く、また同じ悩みが起きる可能性が高いのです。
なので、私がおすすめするスタンスは「悩んでいる人が自分の力で解決できるように支える」と言うことです。
感情を受止めて長所を認識する
第1段階 とにかく悩んでいる人の話しを聞き続ける
私が悩んでいる人から話しを聞く前に、相手に伝えることがあります。
「私はあなたをしっかり受け止めます。解決できるまであなたに向き合うので、一緒に頑張りましょう」です。
これは相手と自分自身に向けての言葉です。
第1段階の「とにかく悩んでいる人の話しを聞き続ける」の目的は、人と会話できる状態まで落ち着きを取り戻すためです。
精神的に追い詰められてパンクしていると、正常な判断ができません。なので、悩んでいる人の心に溜まったモノを吐出して吐出して吐出すことが大切で、徐々に冷静さが戻ってきます。これには、数時間で終わる場合もあれば、時間を空けて何日もかかる場合があります。
話しを聞く心構えとしては、話しの内容を真に受けない、なるべく共感しない、ことです。なぜかと言えば、「内容が2転3転するのは当たり前」ですし「感情と事実をごちゃ混ぜになっている」ので、何かを判断するような段階ではないからです。
話しを聞くポイント
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肯定も否定もせずに、ただ聞く
肯定も否定もせずに、ただ聞くなかで、色々な話が出てきます。その一つ一つの話しの中から「本当の原因」を探すことが重要になってきます。悩んでいる人は感情があふれて「本当の原因」を見失っているからです。
第2段階 本当の原因とその時感じた感情を受止める
第2段階の「本当の原因とその時感じた感情を受止める」によって、今後の方向性を見いだすことができます。
悩んでいる人の話しを聞いていると、「誰々に何々言われた」「自分はコレだけのことをやっているのに」「これからどうすればいいのか分からない」と言った話がたくさん出てきます。
その一つ一つの話しの中に悩みの「本当の原因」と「どんな感情を抱いたのか」が隠れています。
探し方のポイントは2つです
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本当の原因は時系列で考える
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無意識に反応した感情を「見える化」する
一つ一つの話しを時系列で整理していきます。この時、メモ、記録は欠かせません。
話しを聞く側が一つ一つの話しについて「いつ」「だれに」「何をされた、何が起こった」を悩んでいる人に問い、その出来事にたいして「どんな感情」を抱いたのか?を思い返して探っていきます。感情は無意識に直感的に反応するものなので、悩んでいる人自身、よくわかっていません。なので、これを「見える化」してきます。複数の出来事が発端となっていることもあります。
起きた出来事が整理できたら、「その時感じた感情」と「現在の悩み」が共通する点を絞ります。そうすると、「××をしたら、○○さんに、△△と言われたことで、▢▢の感情になった」と言う本当の原因が見えてきます。
例えば、悩みの本当の原因のである「××をしたら、○○さんに、△△と言われた」が起きたときに、「私は寂しい気持ちになって泣き出してしまい、相手に不満をぶつけてケンカになってしまった」の「寂しい気持ちになった」という感情を、しっかり認識して自分の中に落とし込みます。
これができると、自分の状態を客観的にとらえることができるので、「だから自分は落ち込んでいるのか」と自分の状態に納得ができるのです。
感情は幼少期に身に付く
人の強み(長所)や好き嫌いの感じ方(感情)は、物心つく前の幼少期に身に付くとされていて、今の自分の無意識の行動として現れます。*それを個性と呼ぶこともできます
そう考えると、例えば「信頼していた人に裏切られた」=「寂しい」と言う感情が過剰に反応する場合は、幼少期の愛情不足が関係しているかもしれません。
愛情が不足すると、平均よりも「愛」に執着しがちで愛が満たされないと、自己防衛で相手を攻撃することがあります。
そこで問題なのは「なぜそのような反応をするのか?」が無意識の行動の結果なので、本人が気づかないことです。結果、同じような悩みを繰返すことになる、と言う悪の無限ループがおきます。
本当の意味で、悩みを解決するなら、幼少期までさかのぼる必要がありますね。
第3段階 原因に対する考え方、解釈を変える
第3段階の「原因に対する考え方、解釈を変える」ことで、今後同じようなトラブルが起きないようしたり、トラブルが起きても悩むことがないようにします。
悩みの原因の考え方、解釈を修正するの方法は2つです
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発端の出来事に関係する自分の行動に焦点を当てる
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相手に言われた言葉、やられたこと、に焦点を当てる
「発端の出来事に関係する自分の行動に焦点を当てる」は、相手に何かを言われたり、何かをされる前に「自分が何をしたのか?」と言うことです。「相手に言われた言葉、やられたこと、に焦点を当てる」は、相手の立場になって、なぜ言ったのか、なぜやったのか、を考えてみることです。
例えば、上司に「この資料を18日の15時までに作ってくれ」と頼まれたとしましょう。その結果、急いで作業をして17日の午前中に完成させて上司に提出したが、不備が見つかり上司に叱責されてしまった、、、と言う出来事があったとしたら、悩んでいる人に「上司はなぜ怒ったのか」と「どうすれば防げたのか?」を考えてもらいます。
この場合ですと、上司が怒った原因は「資料の不備が許せなかった」、どうすれば防げたのか?については「急いで作業をしない」と言った答えになると思われます。
まとめると、良かれと思って資料を早く仕上げたけど、上司が求めていたのは「資料完成の早さではなく、間違いが絶対にない資料」だった。資料の不備については、「急いで作業をしなければ間違うことはない」となるので、急いで資料を作るモチベーションは大切だけど、資料に不備がないことのほうが重要なので、もし17日の午前中に完成したのなら、期日の時間までしっかり確認する。又は、初めから急いで作業をせずに、確実性重視で期日に間に合わせるようにする。このように「方向性を修正すれば同じ失敗は起きない」となります。
そもそもですが、上司と部下のような立場が違う人間関係は「物事の認識」「優先順位」の食い違いが起きやすいので、「いつまでに、なにを、どうするのか」を明確にする癖は大切です。その点も踏まえて、話しを進めておきたいですね。
解釈、考え方の影響
出来事の「解釈」=「考え方」を変えると、その後の結果は大きく変わります。
例えば、下記のような結果を出すときの方程式がありますが、、、
- 考え方×行動=結果
- 考え方×熱意×能力=結果
行動、熱意、能力、は「0~100」までの数値がはいりますが、考え方は「-100~+100」まであるとされています。
つまり、考え方ひとつで、結果はプラスにもマイナスにもなると言うことです。マイナスの考え方の値が大きいほどマイナスの結果が大きくなり、プラスの考え方の値が大きいほど大きな成果が得られるのです。
第4段階 自分の強み、長所を再確認する
「原因に対する考え方、解釈を変える」ことが、どうしても出来ない、うまくいかない、場合に有効なのは第4段階の「自分の強み、長所を認識する」ことです。
悩んでいる人の多くは、自分自身の自信を失っていたり、自己肯定感が低下していることが多いのですが、そのような状態だと、自分の感情や起こった出来事を正しく認識しても、前に進むことができません。
なので、「自分の強み、長所を認識する」=「ポジティブ要素」を再確認し、自信を取り戻すことが有効です。
悩んでいる人が、自分の「強み」「長所」を見つけるためのポイント
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短所から強みを見いだす
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過去の成功パターンを深掘りする
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ストレングスファインダーで強みを見つける
短所から強みを見いだすのはわりと簡単です。
人に「あなたはどんな人ですか?」と尋ねたときに、自分の長所を答えられなくても短所なら答えられることが多いです。例えば「頑固」「自己中心的」と言った短所が出たならば、その短所の解釈を変えて自分の強みにしてしまいます。
頑固は「一度決めたら最後までやり抜く力がある」、自己中心的は「リーダーシップを発揮することができる」のように、解釈を変えてしまい「自分は凄いんだ」と思えるような強みにします。短所から強みに変わった特徴は、過去の成功パターン(うまく行ったこ)と照らし合わせると、作用していることがあるので「あの時は、この強みがあったからできたのか!」と考えることも出来ます。
過去の成功パターンを深掘りすると、自分の強みが見えてきます。
部活、勉強、スポーツ、仕事、人助け、趣味、などなど、どのような人でも過去を振り返れば、「やり遂げたこと」「テンションが上がったこと」「うまく行ったこと」「成長を感じたこと」「めちゃくちゃ楽しかったこと」があったはずです。その時の状況、内容を深掘りして成功パターンを分析すると悩んでいる人の強み(長所)が見えてきます。
例えば、「部活の練習が終わってから自宅で毎日練習、休日にはトレーニングをした結果、県大会で一番になったことがある」となれば、「努力家で粘り強い」「向上心や達成欲がある」などの強みが見つかります。
ストレングスファインダーとは、人の強みを見つけるツールで、簡単なテストをすることで今まで気がつかなかった無意識の自分に気が付くことが出来ます。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
このように、悩んでいる人の強み、長所を見つけて、認識することで、自信がつき自己肯定感も高くなります。そうなると、悩みの原因や出来事を受け入れ、前に進むことができるようになってきます。自分のことを「ダメだ」なんて思っていたら、元気がわいてきませんからね。
誰でも立ち直ることができる
悩み相談のポイント
ここまで紹介した4段階の方法は、私が悩み相談を受けるときに独自に行っている方法ですが、うまくいくコツを挙げるとすると、2つのポイントがあります。
1つ目のポイントは、「立ち直りまでの時間に気を配る」です。例えば、1つの段階を一日(2時間)とするのか、1つの段階に一週間とするのか、は悩んでいる人の立ち直りペースに合わせます。あくまでも、「悩んでいる人が自分の力で解決できるように支えることに徹する」ってことなのです。
2つ目のポイントは、第3段階の原因に対する考え方、解釈を変えるを「必ず落とし込むこと」です。第3段階が不十分のまま、「第4段階の自分の強み、長所を再確認する」が先行してしまうと、「自分は何も悪くない、このままでいいんだ、悪いのは周りの人」と言った感じで悪い意味で開き直ってしまい、解決するどころか以前よりも悪化した人間関係になりかねません。なので、悩んでいる人本人が「もう大丈夫」と言っても、悩みの原因に対する考え方の解釈に問題があると判断すれば、再度第三段階を実施したほうが良いです。
最後に
どんな悩みであっても、結局は逃げることができません。なぜかと言えば「悩みは自分の中にあるから」です。自分から逃げる、、、そんなことできませんよね。
人間関係の悩みを解消するために、「転職したり」「絶縁したり」することも、有効かもしれませんが、もしかしたら別の場所で「同じ出来事」が起きて「同じ悩み」を抱えることになるかもしれません。
それは、悩みの原因の出来事の発端が自分自身にあったり、相手に言われたこと、されたことの解釈が今までと変わっていないから、です。だから似たようなトラブルが起きがちなのです。
なので、ここは辛くても、なんとか悩みを解消して立ち直る方向で進んでもらいたいのです。
その支えとなるように、相談を受ける人は、悩んでいる人をしっかり受け止めて、あきらめずに根気よく、立ち直りへ導いて欲しいと思います。
ポイントまとめ
それでは、人間関係を悩んでいる人について重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- 悩み相談するときは、悩んでいる人が自分の力で解決できるように支えることに徹する
- 話しを聞くときは、肯定も否定もせずに、ただ聞くこと
- 本当の自分の気持ちを見つけて受止めると正常なメンタルを取り戻していく
- ものごとの考え方、解釈を変えると、今後どうすればいいのか?見えてくる
- 強み、長所を再確認して自信を取り戻すと、前に進めるようになる
以上5つのポイントです。
*人間が成功するために必要なことは、この本に書かれています。私のおすすめの本です。
関連記事:【前向き思考/悩み/メンタル】
以上です。