先日、機械検査技能検定2級と空気圧装置組立て技能検定1級をW受験した結果、、、どちらも合格しました。
ただ、、、機械検査は数ある技能士のなかで難易度が高い部類だったので、私にとって2級ですら「めちゃ大変」でした。
私の受験した会場での合格率はざっくり計算したところ「30~35%」でした。一般的に技能検定の2級の合格率は60%と言われているので、相当難しいことがうかがえます。
で、私が何点で合格したのか?を県庁まで行って確認したとこと、、、、
- 学科試験は50/50点
- 実技の計画立案は35/50点
- 実技の製作等作業は40.2/50点
機械検査2級の合格ラインは試験対策の講習で教えてもらった情報によると、学科32.5/50点以上、実技の計画立案25/50点以上、実技の製作等作業は25/50点以上、だそうです。
と言うことで、私の場合は、学科は楽勝でしたがやはり鬼門であった実技の計画立案の点数がやばかったですね。
それでは、どのような勉強方法で合格したのか?まとめておきます。
記事の目次
機械検査技能検定2級に合格する方法
学科の勉強方法
まずは学科試験の勉強方法を紹介します。
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過去問をアプリに入れてスマホで毎日勉強
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過去問はネット公開されている3年分で勉強
学科問題は「〇×」問題と「4択」問題の構成で、計算問題はほぼありません。
このような問題を勉強するためには「いつでも、どこでも」勉強できるアプリがおすすめです。
私が使用したアプリは「暗記メーカー」と言うアプリで、学科の過去問をアプリに入れて自分専用の問題集を作りました。
出典:暗記メーカー google Playの暗記メーカー⇒「DL」 App Storeの暗記メーカー⇒「DL」
学科の過去問の入手方法は2つあります
中央職業能力協会からは前年度から3年分の過去問がHPから公開されています。書籍で入手する場合は雇用問題研究所から各技能検定の問題集が販売されています。(*どちらも解説はないので不明点は別途調べる必要あります)
私の場合は、中央職業能力協会から令和元年、令和2年、令和3年の3年分のみを暗記メーカーに入れ勉強しました。
雇用問題研究所の問題集を購入することも考えましたが、令和元年以前の問題集は中古しか流通していないようで「定価の3倍以上が相場」となっており購入を諦めました。それだけじゃなく受験するのが2級ってこともあり「簡単な問題しかでないよね、しらんけど」って思いもあったので問題集は購入しませんでした。
アプリで作った学科の過去問
暗記メーカーでつくった問題集のリストです
学科の勉強の時間はこんな感じです
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平日毎日1回(1年分)やるだけ
時間はだいたい15分程度なので、会社の朝礼前の空き時間にやってました。勉強した期間は9月から2月の学科試験までの5か月です。
これだけで、過去問はほとんど95点以上が取れるようになります。
実技の勉強方法
では次に、実技試験の勉強の方法を紹介します
- 試験対策の講習に参加してイロハを学ぶ
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計画立案等作業試験の過去問と練習問題を繰り返しやる
- 製作等作業試験は実際に測定作業を繰り返して練習する
機械検査の実技試験は計画立案等作業試験と製作等作業試験があります。
計画立案等試験は実技ですが記述試験となっています。内容は「選択問題」と「測定段取りの問題」があり、測定段取り問題は教えてもらわないと解答を見ただけでは意味不明なほど難しいと思います。
製作等作業試験は、試験官とマンツーマンで部品を測定して記述解答するテストです。測定する課題は「寸法測定(11分)」「歯車のまたぎ歯圧測定(5分)」「三針法によるねじプラグゲージの有効径測定(3分)」「外側マイクロメータの指示誤差測定(6分)」の計4つの課題があります。使用する測定器は課題によって違いますが全部まとめると「外側マイクロメータ」「ノギス」「シリンダゲージ」「ハイトゲージ」です。
このような実技試験は講習やセミナーに参加しないと合格は厳しいです。勤め先で試験対策の勉強会があればいいのですが、私の場合は独学で教えてくれる人がいなかったので試験対策の講習に参加しました。
YouTubeの参考になる動画
私はYouTubeで勉強しませんでしたが、調べてみると機械検査の試験対策がありました。
機械検査の試験対策動画
Oちゃんねるさんは1級、2級の機械検査の試験問題を網羅的に解説しています。
試験勉強のとっかかりとして、まずは観てみると良いと思います。
実技試験の勉強方法を詳しく解説
試験対策の講習に参加する
機械検査の実技は調べても事前情報が少ないく、どうして良いのか分からなかったので講習に参加することにしました。
講習をやっている機関
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(公財)京都産業21
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ミツトヨ(川崎or大阪)
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松本技術専門校(長野県)
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新潟県立上越テクノスクール
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コベルコビジネスパートナーズ(加古川)
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日本技能教育開発センター(東京or名古屋or大阪)
*令和4年時点の情報です、この他にもやってるところあります。
*参加費はピンキリです(3千円から5万円)
講習に参加するメリット
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「測定段取りの問題」のアドバイスを教えてもらえる
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製作等作業試験で実際に行われる測定が練習できる
「測定段取りの問題」は、「部品」の寸法や角度をどうやって測定して計算するのか?を問われる問題ですが、3つの解答が求められます。*毎年違う問題がでるので過去問暗記は無意味です
①「測定方法がわかる測定図を書く(コンパス分度器など使用する)」②「測定の手順を書く」③「指定された寸法や角度を求める計算式を書く(三角関数を使った式)」、以上の3つの解答をしなければならず、はじめての人は解説が無ければ理解できないと思います。そのため、講習に参加することで先生から解答のポイントを学び、分からない事は質問することで解答するための基本的な知識を身につけることができます。
私の場合は、事前に過去問を何度かやってみて「なんとなく理解している」程度で講習に参加しましたが、余裕をもってついていけました。逆にもし基礎知識ゼロで参加していたら「テンパってついていけない」状態になっていたと思います。なので、参加する前に「何となくでもOK」なので過去問にトライしておくとスムーズに勉強が進みます。
*下記の写真は私が参加した講習でおこなった「製作等作業試験」の練習風景です
測定段取りの問題の練習
*寸法測定(外側マイクロメータ、ノギス、ハイトゲージ、シリンダゲージを使用する)
*歯車のまたぎ歯厚測定(歯厚マイクロメータを使用し、測定結果を計算して歯厚を解答する)
*三針法によるねじプラグゲージの有効径測定(三針と外側マイクロメータを使用し計算して有効径を解答する)
*外側マイクロメータの指示誤差測定(ブロックゲージと外側マイクロメータを使用し誤差を解答する)
次に製作等作業試験についてですが、この試験は実際に測定をする実技試験で、「測定段取りの問題」と違い毎年同じ問題です。(上記の写真が測定風景です)
そのため、私が参加した講習では試験と「同じ部品の測定」をすることができました。測定は「寸法測定(11分)」「歯車のまたぎ歯圧測定(5分)」「三針法によるねじプラグゲージの有効径測定(3分)」「外側マイクロメータの指示誤差測定(6分)」の計4つの課題です。
測定の注意点は講師が説明してくれますし、測定中にも質問することができました。測定は感覚的な要素も重要なのでレクチャーしてもらいながら測定の練習できるメリットは大きかったです。
計画立案等作業試験の過去問と練習問題を繰り返しやる
計画立案等作業試験は「選択問題」と「測定段取りの問題」がありますが、選択問題は中央職業能力協会のHPで公開されている過去問3年分で勉強し、測定の段取り問題は過去問だけでなく練習問題をひたすら繰返しやりました。
ただし注意点として、測定段取り問題は過去と同じ問題が出ることがないので、「様々な解答のパターン」を身につけておく必要があります。つまり、同じ問題で練習していても意味がありません。
なので、練習問題をたくさん用意する必要があります。
測定段取りの練習問題の入手方法
- 参考書の練習問題
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かまとんブログさんの練習問題
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中央職業能力協会のHPで公開されている過去問
参考書は「現場と検定 問題の解きかた 機械検査編」を購入しました。最後部のページに「測定段取りの課題」の練習問題が8問あります。
現場と検定 問題の解きかた 機械検査編
「測定段取りの問題」の練習問題を公開している「かまとんブログ」さんは超おすすめです。かまとんブログさん以外に機械検査の練習問題を公開しているブログは多分ないと思います。
入門問題から難しい問題まで10問以上あります。
と言うことで、「計画立案等作業試験」の勉強は10月から試験日の1月まで週に3回30分~1時間おこないました。
製作等作業試験は実際に測定作業を繰り返し練習した
製作等作業試験の「実際に測定するテスト」の練習は2段階に分けました。
2段階で練習する
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第一段階は測定器の目盛りの読取り練習をする
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第二段階は実際の測定を再現して練習をする
まず、第一段階として「測定器の目盛りの読取り練習」を行いました。練習に使用したのはマイクロメーター、ノギス、ハイトゲージの3つです。
マイクロメーターは1μmの読みとり、ノギスは0.05mmの読取り、ハイトゲージは0.02mmの読取り、を測定器の目盛りをランダムに手で動かして停止した位置の目盛りを素早く読み取り、用紙に記入します。
この練習は試験の2週間前から朝と夜の一日2回行いました。
測定器の目盛りの読取り練習のみ行う
一週間程度練習すれば測定器の目盛りを素早く読み取ることできるようになるので、次の段階とし実際の測定を再現して練習をします。(目盛りの読取り練習も平行しておこない試験当日までやりました)
*実際の測定は、講習に参加すれば分かるので、その情報をもとに同じような条件で練習をします。
測定作業のポイント
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制限時間あり
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測定値の計算あり
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試験官とマンツーマン
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減点方式(所作も大切)
各測定作業には制限時間があるのでスマホでタイマー設定して、時間内に測定ができるように練習します。
歯厚測定とプラグゲージの有効径測定は測定値を計算して答えを出すので、電卓が必須となります。足し算引き算ができる単純な計算機で十分です。
試験は試験官とマンツーマンとなるので、同僚などに目の前に立ってもらい「人から見られている緊張」を感じながら練習すると緊張しにくくなります。
試験の点数は減点方式となっていて、測定作業に伴う所作を行っていない、間違っている、場合は減点されます。そのため、解答が正解でも満点になりません。例えば、測定器の0点の確認やブロックゲージ、測定器の清掃用をセーム皮や紙でおこなうことや、測定する品物を清掃用のウエスやブラシで清掃する、と言った所作は必ず行う必要があります。
練習に使用する品物のポイント
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各試験で準備してある品物を用意する
- 用意できなければ、似たような測定ができる部品を用意する
実際に試験に使用する品物を用意することが望ましいですが、私の場合は用意することができませんでした。
そのため、数種類の金属カラーや段付きの軸などの不要な部品を会社でかき集めて練習しました。
令和5年度の試験はこんな感じでした
令和5年度(2023年度)の機械検査作業の技能検定の2級を受験したので、どんな感じだったのか?まとめておきます。
試験日
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令和6年1月21日に計画立案等作業試験(実技)と学科試験
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令和6年2月11日に製作等作業試験(実技)
実技試験の時間
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計画立案試験は13時から1時間45分(途中退出可能)
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判断試験は10時から寸法測定11分、歯厚測定5分、ねじの有効径測定3分、器差測定6分(途中退出不可)
計画立案試験の試験方法
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机に向かって解答する形式
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筆記用具、定規、コンパス、計算機のみ使用可能
判断試験の試験方法
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全員一斉に試験開始
- テーブルで測定をおこなう
- 試験官がマンツーマンの状況で測定する
- 部屋ごとに試験内容が分かれているので試験のたびに移動する
学科試験の時間
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10時から1時間40分(途中退出可能)
学科試験の試験方法
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マークシート形式
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机に向かって解答する形式
ポイントまとめ
それでは、機械検査技能検定2級について重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- 学科は過去問をアプリに入れてスマホで毎日勉強すればOKです
- 実技は難しいので試験対策の講習に参加すること
- 計画立案は過去問だけでなく様々な問題で練習すること
- 製作等作業は測定器の目盛りの読取り徹底的にすること
以上4つのポイントです。
*問題の解き方 機械検査編の購入はこちらか
関連記事:【技能士/資格】
以上です。