今回は「仕上げ技能士の基本を学ぶおすすめの本」についての記事です。
機械を組立てる作業は手作業が欠かせません。いくら工作機械の精度が高くなったとはいえ、ただ部品を取付けていけば機械が完成することは難しいでしょう。特に、日常的に行われているやすり作業には平面を仕上げるような高等テクニックからバリを取ったり面取りしたりと加工の基本となる作業です。
今回紹介する本は、仕上げ作業の基本を学ぶのにおすすめの本なのですが、特に「やすり作業」に関する情報がもの凄く多く解説されています。これは仕上げ技能士を目指してない人であっても、モノづくりに関わる人にはおすすめする本です。
仕上げ技能士の基本を学ぶおすすめの本
仕上げ作業ってなに?
手仕上げ作業は、機械加工がされた部品を手作業によって必要な寸法や形状の部品に仕上げたり、要求精度が高い組立を行うことです。
手仕上げ作業には技能検定(国家資格)があり、合格した者だけが技能士を名乗ることができます。
出典:中央職業能力開発協会 仕上げ(機械組立仕上げ作業)
技能検定では手仕上げ作業は3つの分野に分けられています。
-
金型仕上げ作業
-
治工具仕上げ作業
-
機械組立仕上げ作業
さらに、手仕上げ作業技能士は難易度によって特級、1級、2級、3級があり、受験資格にも制限があります。
テクニックを学ぶための本
部品を加工したり組立たりする行為を、人間の手作業で仕上げることは簡単な事ではなく、繰り返しトレーニングして体に覚えこませなければなりません。
例えば0.01mm単位や0.001mm単位の精度を手作業で加工することなんて、素人が簡単にできるわけがありません。これは機械装置業界に携わっている方なら理解できることでしょう。
なので、私は手仕上げ作業をやられている方には尊敬していますし、その技術を学びたいと思っていました。そのため、手仕上げについて以前からいろいろな本で勉強していたのですが、皆さんにおすすめしたい本に出合ったので紹介します。
手仕上げ作業のテクニックを学ぶためにおすすめの本はコレです
-
ザ・手仕上げ作業―ものづくり現場で受け継がれる技術と技能
ザ・手仕上げ作業―ものづくり現場で受け継がれる技術と技能
本の中身はこのような構成になっています。
-
第1章 手仕上げ作業のポイント
-
第2章 基準面を確保しよう!
-
第3章 各種形状の仕上げ作業
-
第4章 表面性状の仕上げ作業
-
第5章 穴あけ・タップ立て作業
-
第6章 仕上げ精度の確認法
なかでも、手仕上げの基本となるやすりに関する情報が豊富で、非常に細かく説明されているので直ぐに実践することが可能です。
私が勉強になった内容
私が「ザ・手仕上げ作業―ものづくり現場で受け継がれる技術と技能」を読んでみて、衝撃的で勉強になったことが3つあるので紹介します。
勉強になった内容はコレです
-
作業台とバイスの高さ
-
やすり作業のフォーム
-
やすりの平面修正の方法
この3つは全て「やすり」がけの重要なポイントなのです。
作業台とバイスの高さはやすり作業をする前段階として整えておかなければいけないことですし、正しい姿勢でやすり作業をするためには作業台とバイスの高さが重要となり、具体的な高さ関係や寸法が紹介されています。
やすりの平面は部品を正しく削るために重要なのですが、そのために「やすりの反りを修正する方法」が紹介されています。正直私は目からウロコでした。確かにやすりが反っていれば上手く削ることが出来るわけがありませんが、やすりの平面を測定し反りを修正するなど、見たことも聞いたこともなかったし、その発想もありませんでした。本当に勉強になりましたね。
仕上げ作業のポイントまとめ
それでは、仕上げ作業について重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- 仕上げ作業は手作業で高い精度の仕事をすること
- やすり作業は「作業台とバイスの高さ」と「正しいフォーム」が重要
- やすりの平面精度は重要なので、反り測定し修正する必要がある
以上3つのポイントです。
参考
*昭和の中学生の教科書は凄いですよ
-
【昔の機械加工の教科書】昭和30年代の中学校の授業は凄かった
続きを見る
*【ザ・手仕上げ作業―ものづくり現場で受け継がれる技術と技能】の購入はこちらか
関連記事:【技能士/資格】
以上です。