今回は「てこ式(ピーク形)ダイヤルゲージの測定子の角度」についての記事です。
てこ式のダイヤルゲージは測定子の角度を自在に変えられる反面、扱いを間違えると誤差が生まれるので注意が必要な測定器です。
今回の記事では、てこ式ダイヤルゲージの測定子の角度の注意点と検証結果を紹介しようと思います。
記事の目次
てこ式(ピーク形)ダイヤルゲージの測定子の角度
てこ式ダイヤルゲージの特徴
てこ式(ピーク形)ダイヤルゲージは、標準形ダイヤルゲージと違い特有の特徴があります。
特徴はコレです
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てこ式ダイヤルゲージは標準形に比べてコンパクト
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深い場所/狭い場所の測定に向いている」
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測定子の角度を変えられるので測定方法の自由度が高い
イメージ
測定子の角度の欠点
てこ式ダイヤルゲージの特徴である、「測定子の角度を自由に変えられる」は実は欠点にもなります。
欠点
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測定子の角度が悪いと測定誤差が生じてしまう
測定誤差は0.001単位の精度出しではこの誤差が命取りになりかねません。
普段何気なく使っていて角度に注意を払っていない方も多いと思いますので、適切な使用方法を下記の資料で確認しておきましょう。
出典:ミツトヨ 精密測定器の豆知識
ポイント
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角度とは、本体と測定子の角度ではなく「測定子と測定物の角度」のことです
測定誤差を実験
面精度の良いレールを測定してみました。
測定子の角度の違いが測定結果にどのくらい影響するのでしょうか?
実験
*測定子の角度はこのような違いで比べました。
測定子の角度
測定結果
0.01と0.001のダイヤルゲージで測定しました。
ダイヤルゲージ:0.001(1㎛)
測定子角度 | 測定ポイント【A】 | 測定ポイント【B】 |
水平 | 0.000 | -0.030 |
45° | 0.000 | -0.027 |
*0.001(1㎛)のダイヤルゲージは明確に違いが判断できました。今回の場合は0.003mmプラスの差が生まれました。
ダイヤルゲージ:0.01
測定子角度 | 測定ポイント【A】 | 測定ポイント【B】 |
水平 | 0.00 | -0.03 |
45° | 0.00 | -0.03より少しプラスしている |
*0.01のダイヤルゲージは注意深く目盛りを読取らないと違いに気が付きません。
0.001のダイヤルゲージで測定した結果からわかるように0.003mmの差ですから0.01単位の分解能のダイヤルゲージでは明確に違いは出ないようです
0.01のダイヤルゲージで読み取る0.003の違い
てこ式(ピーク形)ダイヤルゲージの測定子の角度のポイントまとめ
それでは、てこ式(ピーク形)ダイヤルゲージの測定子の角度について重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- てこ式(ピーク形)ダイヤルゲージは、測定氏の角度が悪いと測定誤差が生じてしまう
- 角度とは、本体と測定子の角度ではなく「測定子と測定物の角度」のこと
- 0.01のダイヤルゲージでは明確な違いは判断つかないが、0.001(1㎛)のダイヤルゲージは明確に違いが表れた
以上3つのポイントが大切です。
実際にやってみると分かりますが、0.001(1㎛)のダイヤルゲージで測定する場合は結果に大きく影響するので測定子の角度は必ず適切にする必要があります。
0.01のダイヤルゲージでも目視では確認しずらいですが厳密には誤差が生じていますから、やはり角度には注意すべきでしょう。
「0.01以下の誤差なんて関係ない」と思うのか「誤差が出るから角度には注意すべき」と思うのか、、、。組立工の差もここで生まれそうですね。
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関連記事:【精度測定/精度調整】
以上です。