今回は「真直度を精密に測定する方法」についての記事です。
真直度の測定は組立作業では欠かせないことでしょう。私も日常的に行っています。例えば、製作部品の単体の精度、組付け後のユニットの精度、など測定することが多いのです。
そんな中で、最近になって真直度の測定方法に疑問を感じる出来事があって、新たな測定方法を試みています。
そこで今回の記事では、真直度を精密に測定する方法について、私のやり方を紹介しようと思います。
記事の目次
真直度を精密に測定する方法
真直度の測定
真直度とは、「どのくらい真直ぐなのか?」と言う意味です。JISでは「直線形体の幾何学的に正しい直線からの狂いの大きさ」と定義されています。
機械装置では真直度は非常に重要な要素で、もし真直の度合いが悪いと様々な問題が起きます
例えばこんなこと、、、
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回転したときに振れが生じる
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スライドしたときにレベル変化する
こんなことが起きないように真直度を測定する必要があります。
測定には、ストレートエッジ、定番、すき間ゲージ、ダイヤルゲージ、などモノの形状や状態によって様々な測定器で測定することになりますが、例えば下記のようなスライドテーブルの真直度を測定しようとしたときについて考えてみたいと思います。
スライドテーブルの真直度を測定したい
機械装置の組立をしていると、「よくある作業」ではないでしょうか?
私もよくやっている作業なのですが、、、、でもよく考えたら、、、、この測定で本当にいいのかな?と思うようになったのです。
真直度を精密に測定する方法
前項で例に挙げた真直度の測定方法ですが、私は、より正確に、より精密に、測定する方法として思いついたことがあります。
真直度を精密に測定する方法
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ダイヤルゲージを2個使用して測定する
下記のイメージ図をご覧ください。
ダイヤルゲージを2個使用して真直度を測定する
いかがでしょうか?これで本当に正確性が増すの?と思うかもしれませんね。
それでは、次項から詳しく説明してきます。
ダイヤルゲージを2個使用して測定するメリット
スライドテーブルをダイヤルゲージ2個で測定する方法は、真直度の測定に有効だと思いますが、まずはダイヤルゲージ1個で測定するとどうなるのかを説明します。
ダイヤルゲージ1個で測定する問題
ダイヤルゲージ1個でスライドテーブルを測定すると、真直度の結果の信憑性は薄い気がします。
なぜか?
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ダイヤルゲージが1個だとスライドテーブルの変化が結果として現れないかもしれない
下記のイメージ図のように、スライドテーブルが弓のような動きをしたときに、ダイヤルゲージに変化が起きないのではないか?と言うことなのです。つまり回転誤差を考慮できていないということです。
そうなると、下記のような状態でもダイヤルゲージの目盛りに変化がないので真直度の結果は0.00mmとなるかもしれませんよね。
ダイヤルゲージ1個の問題
ダイヤルゲージを2個使用して測定
では、ダイヤルゲージを2個使用してスライドテーブルの真直度測定する方法はどうなるでしょうか?
下記のイメージ図をご覧ください。
ダイヤルゲージを2個使用して測定
この方法ですと、スライドテーブルの真直度が変化したときにダイヤルゲージに変位量が現れるので、ダイヤルゲージ1個よりも真直度の正確性が増すと思うのです。
上記のイメージ図は極端に変化していますが、もし真直度の精度が良ければ、ダイヤルゲージの2個の変位量は極めて少なくなります。
真直度を精密に測定する方法のポイントのまとめ
それでは、真直度を精密に測定する方法について重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- 真直度とは、「どのくらい真直ぐなのか?」と言う意味
- スライドテーブルを測定するときはダイヤルゲージ2個の方が正確性が増す
以上2つのポイントです。
参考
テコ式ダイヤルゲージの使い方についてはこちらの記事をご覧ください。
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てこ式(ピーク形)ダイヤルゲージの測定子の角度【測定誤差の実験】
続きを見る
*ダイヤルゲージを2個使用するためには、マグネットベースのオプションパーツを使用すると良いです。
関連記事:【精度測定/精度調整】
以上です。