今回は「油砥石の平面修正の方法」についての記事です。
油砥石は、加工部品の平面修正に使用されるため、部品製作、組立、保全作業など機械装置に携わる業務に欠かせないものです。
私は機械装置の組立がメインの作業ですが、「使わない日はない」と言っていいくらい油砥石は欠かせません。
しかし、砥石と言うものは何かを削るわけですから、どうしても変摩耗してしまい使いづらくなってしまう不満があります。
そこで今回の記事では、油砥石の平面の修正方法として、ダイヤモンドサーフェイを使用した平面修正方法を紹介しようと思います。
記事の目次
油砥石の平面修正の方法
油砥石の不満と問題点
油砥石(オイルストーン)は金属部品の打痕やバリを修正するために使用するものですが、私は以前から油砥石に不満を抱いていました。
参考
*油砥石の使用方法はこちらの記事をご覧ください。
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組立における油砥石の使い方と注意点【オイルストーン】
続きを見る
油砥石の不満はコレです
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使用しているうちに砥石の平面精度が悪くなる
面精度が悪い状態とは、このようなことです
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平面が凸凹になる・・・平面の一部分しか使用ていない
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平面が段差になる・・・段差形状の部品に使用ている
- 角が欠けている・・・油砥石を落としてしまった
面精度が悪くなった油砥石
皆さんの油砥石はどうでしょうか?平面精度が悪くなって使いづらくなっていないでしょうか?
私の場合は段差形状の部品に砥石を当てることがあるので、油砥石の平面の状態が悪くなりがちです。
もし、平面精度が悪い状態で油砥石を使用し続ければ、こんなことが起きてしまいます。
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部品の精度が悪くなる・・・削れるところと削れない部分が発生している
油砥石(オイルストーン)を使用することで部品の精度が悪くなってしまっては、面修正の目的からは大きく外れてしまいますよね。
これじゃ困るわけです。
平面修正にはダイヤモンドサーフェイスを使用する
油砥石の不満を解消するためには、変形した面を修正するしかないでしょう。
そこで私が皆さんにおすすめしたいのがコレです。
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日研工作所(NIKKEN)の砥石平面修正用ダイヤモンドサーフェス
この商品は、油砥石の平面修正専用の砥石で、油砥石よりも硬度が高いダイヤモンドです。実際に使用してみると分かりますが、めちゃめちゃ便利です。
出典:日研工作所 NIKKEN
今回紹介している、日研工作所のダイヤモンドサーフェイスの粗さは3種類あります。
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粗目・・・粒度 #160 型式 NKDS-160
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中目・・・粒度 #400 型式 NKDS-400
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細目・・・粒度 #600 型式 NKDS-600
粗さの使い分けはこんな感じです。
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粗目・・・油砥石の精度がものすごく悪い場合や、短時間で沢山削りたいときに使用
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中目・・・適度な修正が必要な場合や油砥石の粗さが中目に使用
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細目・・・平面の仕上げに拘りたい場合や油砥石の粗さが細目/極細に使用
私は普段、中目と細目の油砥石を使用しているので、面修正には中目のダイヤモンドサーフェイスを使用しています。
面修正を実際にやってみる
それでは、油砥石の面修正を実際にやってみたので紹介しておきます。
作業のポイント
ダイヤモンドサーフェイスを使用した油砥石の平面修正には作業のポイントがあります。
作業のポイントはコレです
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ダイヤモンドが目詰まりする場合は、ブラシやエアーで清掃する
なぜか?
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目詰まりしてしまうと、砥石の滑りが悪くなったり削りくずを巻き込んでしまうので、面の仕上がり不良が起きてしまう
これって結構重要で、普段部品に砥石をかけるときと同じで、目詰まりして良いことはありません。なので、この点だけは気を付けましょう。
平面修正
面修正した結果
実際に面修正を行ったところこのようになりました
油砥石の面修正
面修正 前
面修正 完了
いかがでしょうか?もの凄く綺麗になったと思いませんか?
このような状態になるのに、かかった時間は約1分程度です。
ただ、今回は軽度な修正だったので1分くらいでしたが、段差や欠けを修正しようとすると10分くらいかかることもあるかもしれません。
ですが、ダイヤモンドが強力で非常に軽快に削れるので、作業の感触としてはいい感じです。
砥石平面修正用ダイヤモンドサーフェイス紹介動画
今回紹介している、砥石平面修正用ダイヤモンドサーフェイスですが、YouTubeで紹介動画がありましたので紹介しておきます。
油砥石の平面修正ポイントのまとめ
それでは、油砥石の平面修正について重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- 油砥石(オイルストーン)は使用しているうちに砥石の平面精度が悪くなる
- 平面精度が悪い油砥石を使用すると部品の精度が悪くなるので注意が必要
- 油砥石の平面修正には日研工作所(NIKKEN)の砥石平面修正用ダイヤモンドサーフェスがおすすめ
- ダイヤモンドサーフェスの作業ポイントは、目詰まりに注意すること
以上4つのポイントが大切です。参考にしてください。
*砥石修正のダイヤモンドサーフェイスの購入はこちらから
関連記事:【測定器/工具 /電動工具】
以上です。