今回は「パーフェクトブロックとは/特徴と仕組み」についての記事です。
パーフェクトブロックは、エアー回路に組み込むことでエアアクチュエータ(シリンダ)の出/戻り端や中間位置を保持することができる機器です。
今回は、その特徴と仕組みについてまとめておこうと思います
パーフェクトブロックとは気密を保つ機器
パーフェクトブロックとは、方向制御弁とエアアクチュエータ(シリンダ)の配管途中に設置することで、エア漏れを極めて少なくし気密を保つ機器です。
パーフェクトブロック
特徴と仕組みと注意点
特徴
パーフェクトブロックの特徴は、逆止弁を使用した構造によりエアを管内に封じ込め、エア漏れのリスクが少なくなることです。
5ポート3位置オールポートブロック(クローズドセンタ)を使用した場合でも管内のエアを封じ込めることができますが、電磁弁のスプールバルブは微量なエア漏れがあります。
代表的な使用例は、エアアクチュエータ(シリンダ)の出/戻り端や中間位置を保持することですが、そのほか気密を確保したい状況に応用ができます。
出典:SMC 取扱説明書 ソレノイドバルブ VQ1000/2000 シリーズ パーフェクトブロック
仕組み
流路の仕組みは、エアーのAポートBポートのどちらかの圧力が上がらないと、逆止弁の効果でパーフェクトブロック内の流路が開かない構造です。
エアーは供給側から逆止弁を押し開けるのですが、排気側(リターン側)のエアーは逆止弁効果のためそのままでは流路は塞がれたままです。そのため、エアーの供給側からのパイロットエアーで排気側の逆止弁を押し開け流路が開かれる仕組みです。
この動作は電磁弁(ソレノイドバルブ)からAポートとBポートの供給が入替るのに合わせて作動します。
出典:SMC 取扱説明書 ソレノイドバルブ VQ1000/2000 シリーズ パーフェクトブロック
注意点
パーフェクトブロックの使用には注意点があります
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5ポート3位置PAB接続(プレッシャセンタ)との組み合わせで使用することはできません。
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シリンダ、継手、エアーチューブからエア漏れがあると、気密を確保できません。
プレッシャセンタの電磁弁は、中間位置でAポートとBポートからエアーを供給する仕組みです。パーフェクトブロックのAポートとBポートの両側にエアーが供給されると、AポートとBポートのパイロットエアがお互いの逆止弁を切り替えようとするので、供給側のエアとパイロットエアが同時に逆止弁に作用し切り替わることができなくなります。
参考
*電磁弁の種類の解説はこちらから
-
5ポートの電磁弁の使分けと特徴の紹介【ソレノイドバルブの基本】
続きを見る
また、パーフェクトブロックとエアアクチュエータ(シリンダ)の配管であったり、シリンダのロッドからのエア漏れがある場合は、当然ですが気密を確保することはできません。もし、気密が確保できな場合はエア漏れ疑うことです。
参考
*エアー漏れについての記事はこちら
-
気体の漏れとリークチェック【スプレーや石鹸水で漏れを特定する】
続きを見る
パーフェクトブロックのポイントまとめ
それでは、パーフェクトブロックについて重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- パーフェクトブロックはエア漏れを極めて少なくし気密を保つ機器
- エアアクチュエータ(シリンダ)の出/戻り端や中間位置を保持したときに使用される
- 5ポート3位置PAB接続(プレッシャセンタ)との組み合わせで使用することはできない
- 気密が確保できないときは、エア漏れを疑うこと
以上4つのポイントです。
今回はパーフェクトブロックについて基礎情報をまとめてみました。参考にしてください。
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*空圧の基礎知識におすすめ
関連記事:【空気圧/油圧】
以上です。