【回転運動の要素】 【直線運動の要素】

ブッシュの特徴と種類と潤滑方式/金属と樹脂の定期給油と無給油

2021年4月21日

 

今回は「ブッシュの特徴/種類と潤滑方式まとめ」についての記事です。

機械装置の組立をしていると、軸のはめ合いにブッシュを使用している機構をよく見かけます。ブッシュと大同メタル工業の複層系の無給油ブッシュやオイレス工業の金属系の無給油ブッシュが有名ですが、実際にはその種類はものすごく多くあり、さらには樹脂系のブッシュまであります。

そこで今回の記事では、ブッシュの特徴や種類や潤滑方式などの基礎情報についてまとめておこうと思います。

 

ブッシュの特徴と種類と潤滑方式

ブッシュとは

ブッシュとは、形状が円形で軸や穴に嵌めて使用する緩衝対策の部品で、滑り軸受けの仲間です。

一般的には球を使用していない「軸受け」や「軸の案内」や「軸の位置決め」のことを指し、ベアリングとは違い面接触で支持する特徴があります。

 

複層系無給油ブッシュ

 

ブッシュのメリットとデメリット

ブッシュのメリットとデメリットをまとめますと下記のようになります。

 

メリット

  • 安価
  • 単純構造
  • 高荷重に強い
  • 騒音が少ない
  • 省スペース(薄い)
  • 無給油タイプがある

 

デメリット

  • 摩擦が大きい
  • 高速回転には不向き
  • 精度が低め(軸との遊びが多いタイプがある)
  • 交換が大変、圧入の場合は除去することが難しい

 

出典:オイレス工業株式会社 オイレスベアリングカタログ

 

大まかにまとめるとこのような特徴になるのですが、実際には用途に応じて様々なブッシュの種類や潤滑方式が存在します。

  • ブッシュの種類・・・金属系、複層系、樹脂系
  • 潤滑方式・・・定期給油、無給油

それではこれらを掘り下げてまとめていきます。

 

ブッシュの種類

ブッシュの材質は下記の3種類に区別されます。

  • 金属系ブッシュ
  • 複層系ブッシュ
  • 樹脂系ブッシュ

 

金属系ブッシュ

金属系ブッシュに使用される材料は複数ありますが、その金属をそのまま使用するだけでなく「含油」したり、孔をあけて「固形潤滑剤(黒鉛、モリブデンなど)を埋め込む」などの工夫によって性能を向上させているブッシュもあるので種類が豊富です。

 

出典:オイレス工業株式会社 オイレスベアリングカタログ 金属系ブッシュ

 

金属系ブッシュに使用される材料

  • 鋼合金・・・炭素鋼、耐熱鋼など
  • 鋳鉄
  • アルミニウム合金
  • 銅合金・・・青銅、黄銅

 

金属系ブッシュの特徴

  • 高速に強い
  • 強度が強い
  • 腐食することがある
  • 許容面圧が非常に大きい
  • 高温に強い。おおよそ200~700度まで
  • 無給油タイプと給油タイプがある

 

複層系ブッシュ

複層系のブッシュは外周が金属(裏金)でスライド部分は自己潤滑素材や低摩擦素材となっているので2層以上の構造になっているブッシュです。

 

出典:オイレス工業株式会社 オイレスベアリングカタログ 複層系ブッシュ

 

代表的なスライド部分の素材

  • PTFE(フッ素樹脂)
  • POM(ポリアセタール樹脂)

 

複層系ブッシュの特徴

  • 安価
  • 薄くて非常にコンパクト
  • 許容面圧が非常に大きい
  • 高温に強い。おおよそ280度まで
  • 殆どの複層系ブッシュは無給油タイプ

 

樹脂系ブッシュ

樹脂系の材料には、含油された樹脂素材や自己潤滑性がある低摩擦素材などが使用されます

 

出典:オイレス工業株式会社 オイレスベアリングカタログ 樹脂系ブッシュ

 

代表的な樹脂の材質

  • PTFE(フッ素樹脂)
  • アラミド樹脂
  • ポリアミド樹脂
  • POM(ポリアセタール樹脂)

 

特徴

  • 安価
  • 軽量
  • 腐食に強い
  • 耐薬品性に優れている素材がある
  • 許容面圧が平均的に小さめ(大きいタイプもある)

 

潤滑方式

ブッシュには定期給油タイプと無給油タイプがありますが、どちらのタイプも軸(シャフト)の接触面に摩擦が発生しているので「なじみが良く」「焼付かない」こと、つまり「潤滑作用」が必要となります。

 

潤滑作用が低いとこのようなことがおきてしまいます。

  • 溶着
  • 早期摩耗
  • 遊びが大きくなり精度低下
  • ブッシュの交換が必要になる

このようなことが起きないために潤滑作用が必要です。

 

定期給油タイプ

定期給油タイプは、潤滑油やグリースを定期的に給油する必要があるブッシュのことです。

 

潤滑が必要な理由

  • 潤滑性能が低い素材を使用ている

給油する潤滑油やグリースの種類は、使用環境や素材との相性があるので取扱説明書で確認しましょう。

 

無給油タイプ(個体潤滑)

無給油タイプのブッシュは、潤滑性のある素材を使用しています。

 

無給油タイプの潤滑方法にはいろいろな方式があります。

  • 低摩擦材を使用
  • 含油した素材を使用
  • 自己潤滑性がある素材を使用
  • 孔に固形潤滑剤(黒鉛、モリブデンなど)が埋め込んである

グリスや潤滑油と併用することで、より耐摩耗やスライド性がよくなるタイプのブッシュもありますが、詳しくは使用するブッシュの取扱説明書で確認しましょう。

 

ブッシュの特徴と種類と潤滑方式のポイントのまとめ

それでは、ブッシュの特徴と種類と潤滑方式について重要なポイントをまとめておきます。

 

ポイント

  • ブッシュとは、形状が円形で軸や穴に嵌めて使用する緩衝対策の部品で、滑り軸受けの仲間です
  • 特徴を簡単にまとめると「単純構造で省スペースで高荷重に強い」です。
  • ブッシュの種類には、金属系、複層系、樹脂系、がある
  • 潤滑方式には、定期給油、無給油、がある

以上4つのポイントが大切です。

 

今回は、ブッシュの基礎情報についてまとめてみました。種類が多いのでここでは大まかな説明になってしまいましたが、もしわからないことがあればメーカーのカタログや取扱説明書で確認すると良いと思います。参考にしてください。

*潤滑についてはこちらの記事をご覧ください ⇒ 「潤滑剤の効果と種類」

*ブッシュの圧入方法はこちらの記事をご覧ください ⇒ 「無給油ブッシュとは/プレスとボルトナットで圧入する方法」

 

*無給油ブッシュの購入はこちらから

 

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以上です。

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