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【締結要素】 【材料/溶接/加工/表面処理】

ヘリサートとエンザートの特徴を比較【使い分けの実例を紹介】

2019年12月25日

 

今回は「ヘリサートとエンザートの特徴/どちらを選択するのか使い分けの実例」についての記事です。

ヘリサートもエンザートも使用したことがなくても一度は耳にしたことがあるかもしれません。どちらも、ねじ山の修理や補強が目的なのですが、両者の特徴には違いがあるので使い分けて使用することができます。

そこで今回の記事では、ヘリサートとエンザートの特徴と使い分けの事例を紹介して皆さんに参考にしていただきたいと思います。

 

ヘリサートとエンザートの特徴を比較

まずはヘリサートとエンザートとは何なのか?について説明した後に、特徴を比べてみようと思います。

 

ヘリサートとは

ヘリサートとは、ステンレスのコイル状のモノです。タップ山が舐めてしまったり、樹脂やアルミ材などの軟質材に強固なタップを成型する為に使用されます。

 

 

ヘリサート

ヘリサート

 

エンザートとは

エンザートとはインサートナットに分類される埋め込みナットで、木材、樹脂、アルミのなどの比較的柔らかい材料に強度があるナットを埋め込むことが出来ます。

 

 

エンザート302型

エンザート

 

素材、エンザートの種類、用途などについては下記のカタログを参照してください

 

引用抜粋:株式会社三友精機

カタログ「エンザート」

エンザートのカタログ

 

ヘリサートとエンザートの特徴一覧

特徴をまとめてみました。

 

ヘリサート エンザート
入手のし易さ 入手難しい。ホームセンターに売っていない事が多い 入手簡単。ホームセンターに売っている。
下穴 使用するヘリサートサイズによってタップの下穴が違う(下穴はエンザートより小さいので省スペース 使用するエンザートによって下穴が違う(ヘリサートよりも大きな穴が必要、スペースを多く取る
穴の深さ ≪ヘリサートの挿入後の長さ+2.5×ネジピッチ≫以上の深さが必要 ≪エンザート全長×1.2≫以上の深さが必要
タップ 使用するヘリサート用(サイズ別)のタップで加工 タップ必要なし、エンザート自体が切削しながら挿入される
挿入工具 専用工具が必要 ボルト/ナットで挿入可能
挿入時のオイル タップオイル不要 タップオイル必要(使用した方が良い)
繰り返し強度 ヘリサートが抜ける、ねじ山がカジル事がある 良好。ヘリサートよりもねじ山は強い

ヘリサートもエンザートもねじ山の修理や補強と言う目的は同じです。

ですが、それぞれに特徴があり状況により使い分ける事ができます。

 

どちらを選択するのか使い分けの実例

ヘリサートとエンザートの特徴について理解したとことで、ここからは使い分けの事例を紹介しようと思います。

 

case1 現場作業

発生状況

  • 会社から1時間の距離がある現場作業で、アルミ部品のねじ山を補修が必要になった
  • 現場近くにはホームセンターはある

 

持っている道具

  • 電動ドリルあり
  • ヘリサートに必要な道具なし

 

この状況での選択肢は下記の2つです

  • ヘリサートで補修する場合・・・会社に帰る→施工→現場に戻る
  • エンザートで補修する場合・・・現場近くのホームセンターでエンザートとキリを購入→現場で施工

 

この場合の補修方法

  • 現場作業で限られた時間での対応が求められましたので、エンザートを施工するを選択しました。

 

case2 組立作業

発生状況

  • 部品の取付を行ったところ、強く締付けていないのにねじ山が舐めた
  • 原因は下穴が大きすぎてタップ山が少なくなっていたこと

 

持っている道具

  • 会社での作業なので、一通りの道具や材料がそろっている

 

部品の大きさ

  • 9tの板厚にM6のタップ

 

この状況での選択肢は下記の2つです

  • ヘリサートで補修する場合・・・問題なく可能
  • エンザートで補修する場合・・・M6用のエンザートの下穴が9mm以上必要な為不可能

 

この場合の補修方法

  • この場合はスペースの問題でヘリサートしか選択方法がありませんでした。

 

事例まとめ

簡単な事例を挙げてみましたが、選択は状況により様々です。

設計段階でねじ山の補強を決定する場合は、部品のねじ山の位置関係(スペース)と作業工程なども検討する必要があり、ねじ山を補修をする場合は部品の変更ができないので、その場の状況が優先されます。

 

ヘリサートとエンザートのポイントまとめ

それでは、ヘリサートとエンザートについて重要なポイントをまとめておきます。

 

ポイント

  • ヘリサートもエンザートもねじ山の修理や補強が目的である
  • 施工の難易度や下穴の大きさなど特徴に違いがあるので、状況によって使い分ける

 

以上2つのポイントを覚えておきましょう。

 

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以上です。

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