今回は「皿ねじのねじ山にはバラツキがある」の記事です。
先日、皿ねじを使用して部品を固定しようとしたら、ねじ山が原因で部品が固定できませんでした。
原因は、ねじ山が首まで加工されていなかったことでした。
では、簡単にまとめておきます。
記事の目次
皿ねじとは
まず初めに、皿ねじとは何なのか?確認しておきましょう。
皿ねじとは、座面が円錐状のねじで皿モミ加工された穴に使用するねじです。
皿ねじを使用することで、皿ねじの頭が取り付け面に収まる(ねじの頭が出っ張らない)メリットがあります。
皿ねじ
皿ねじのねじ山にはバラツキがある
部品が固定できない原因は「皿ねじ」
先日、装置の安全扉の丁番(ミスミで購入)を組み付ける作業があったのですが、皿ねじが問題で丁番を固定できないトラブルが起きました。
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トラブル内容・・・皿ねじを締め付けても丁番が固定できずにグラグラする。
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原因・・・皿ねじのねじ山がねじの首まで加工ができていなかった。
皿ねじ
ご覧のように、ねじの首までねじ山がないので取付け側の部品(タップ側)にねじが入り込まないことで、丁番が固定できなかったのです。
もし、このような状況で皿ねじの交換ができない場合は、取付け側(タップ側)に深めの面取りをおこなうことで、ねじ山が加工されていない部分が部品に入り込むのでねじを締め付けて丁番を固定することが可能です。
ねじ山にはばらつきがある
さて、このようなパターンのトラブルは初めての出来事でしたので、在庫の皿ねじと比べてみることにしました。
皿ねじ
ねじ山を比べてみる
ねじ山を比べてみる
在庫の皿ねじを各サイズランダムに調査したのですが、異常はなく正常なねじ山でした。
今回問題があった皿ねじは20本購入していたのですがその全てに問題があったので、購入したねじのロットの不良の可能性もありますね。
ただ、想像で原因を考えても仕方がないので、ねじを購入している商社に調査依頼をしました。
ねじ山不良の回答
皿ねじを購入した商社に調査依頼したとこと下記の回答がありました。
回答
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ロット全てが不良ではなかった
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ねじ山が加工できていないので不良品
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何百個に数個の割合で、このような不良が発生する
つまり、
モノづくりにおいて部品の精度(不良)の「バラつき」は必ずあり、そのなかでも許容範囲を超えたものが不良品なってしまう。そして不良品はゼロにはできない。
そう言うことなのでしょう。
ただ、不良が発生するのは仕方がないと思いますが、不良品を流通させては問題でしょう。
今後このような不良のねじが流通すことはなくなってほしいものですね。
ばらつきの考え方の参考に
番外編 ねじの不良品
ねじの不良はねじ山だけではありません。このような不良もあります。
皿ねじ
ねじの不良
ねじの不良
ねじの不良
皿ねじのねじ山のポイントまとめ
それでは、皿ねじのねじ山ついて重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- 皿ねじは ねじの首までねじ山がない ことがある。
- 首までねじ山がないものは不良品
以上2つのポイントが大切だと思いました。
*皿ねじの購入はこちらか
関連記事:【締結要素】
以上です。