【緩衝器/ダンパー】

ショックアブソーバー(ダンパー)とは/取付けと使用の注意点

2019年12月26日

 

今回は「ショックアブソーバー(ダンパー)とは/取付けと使用の注意点」についての記事です。

ショックアブソーバーは機械装置の移動する物体のエネルギーを吸収するために使用される緩衝器です。実はショックアブソーバーの取付けと使用には注意点があるのですが、それを守らないことでトラブルを誘発してしまうことがあります。

そこで今回の記事では、ショックアブソーバーの「取付の注意」と「使用の注意」に焦点を当てて解説しようと思います。

 

ショックアブソーバーとは

ショックアブソーバー(ダンパー)とは、ストロークスピードを制限してエネルギーを吸収する装置のことです。

緩衝器メーカーの不二ラテックスさんのカタログには下記のような記載があります。

 

引用抜粋:不二ラテックス株式会社 ソフトアブソーバーカタログ

自動組み立て機械、各種搬送機械、工作機械、etc...産業機械においては、生産性の向上を目指した結果、機械の可動部が高速化され、その結果発生 する、衝撃、振動、騒音等が機械の性能に影響を与えたり、作業環境を悪化させたりしています。ソフトアブソーバーとは、そのような問題を解決して くれる非常に手軽な油圧式緩衝器です。同じような機能を持つ部品として、ゴムやスプリングあるいは空気圧等を利用したものがあります。

 

ショックアブソーバーは種類が豊富

 

ショックアブソーバーは機械や装置の機構に使用する事が多いので、組立をしている側からすると親しみがある部品です。

 

使用目的

良く使用されるパターンとしては、エアシリンダの衝撃緩和の目的で取付けることが多いです。

エアシリンダは油圧と違い動作速度を速くできますので、速度が速い場合は相当なエネルギーとなります。速度の減速が出来ないとストロークエンドで大きな衝撃を伴いますので、ストロークエンド付近でショックアブソーバーを効かせ減速させる事で衝撃を緩和します。

 

取付の注意

ショックアブソーバーは取付けに注意したいことがあります。

 

注意点

  • ストロークエンドまで動作させない
  • フルストロークで使用しないために約1mm前で止める

ショックアブソーバーはあくまでも「緩衝器」ですのでメカストッパーではありません。ストロークエンドまで使用すると、早期に抜けが起きたり、破損します。

 

引用抜粋:不二ラテックス株式会社 ソフトアブソーバーカタログ

(中略)

注意

外部ストッパーなしでの作動禁止 ※FSBシリーズ及び一部のFKシリーズは除く。 ●外部ストッパーなしで作動させると、ボトミングによる母機破損の可能性があります。  外部ストッパーをストロークエンド手前に設置の上作動させてください。

 

メカストッパーとして使う場合

ショックアブソーバーをメカストッパーと使用する場合は、ストロークエンドまで動かさないために必要なことがあります。

 

必要なこと

  • オプションのストッパーナットを取付てストロークエンドまで動かさない

ストッパーナットを使用すれば、ショックアブソーバーをメカストッパーと併用することができます。

 

よくあることに、設計ミスでストッパーナットなしでショックアブソーバーをメカストッパーとして使用する図面になっている場合もあります。そうなると、ソフトアブソーバーをフルストロークで使用することになりボトミングで破損や早期にダンパー抜けが起きてしまいますので、ストッパーナットを使用し約1mmの余裕を設けて組付けることでフルストロークで使用しないようにします。

 

引用抜粋:不二ラテックス ソフトアブソーバーカタログ

*クリック拡大

 

使用の注意

ショックアブソーバーが適切に取付が出来たら実際に動作させて確認します。

 

例えば、エアシリンダの緩衝器として使用する場合のポイントをまとめますと、、、

  • エアシリンダの動作速度を初めに設定する
  • ショックアブソーバーの調整軸を回転させて減衰の強弱を調整します

 

動作速度が速くなるほど物体のエネルギーは強くなるので、速度が決まらないとショックアブソーバーの強さを調整することができません。そのため、エアシリンダの速度を初めに設定して、それに合うようにショックアブソーバーの減衰を調整するこになります、

*ショックアブソーバーに調整軸(エネルギー吸収の強さ/スピード)がないタイプのものは、衝撃吸収の具合を調整する事が出来ませんので再選定が必要です。

 

強ければいいわけでは無い

実際にショックアブソーバーを調整してみますと分かりますが、ショックアブソーバーは万能ではありません。

いくら調整しても綺麗に衝撃が収まらなかったり、調整軸を一番強くしても押し負けてしまったりと上手くいかないことがあります。

*下記の資料で、ショックアブソーバーの特性をご覧ください。

 

引用抜粋:不二ラテックス ソフトアブソーバーカタログ

*クリック拡大

 

ショックアブソーバーにはストローク量や減衰特性などの様々な種類があるので、いくら調整しても綺麗に吸収できないことがあるのです。

 

ショックアブソーバーの選定ポイント

  • エネルギーの強さによってショックアブソーバーを使い分けることが必要
  • 設計の計算による選定が不可欠

もし、実際に使用してみてうまくいかない場合は、うまくいかなかったショックアブソーバーを指標にして違うタイプを再選定すると良いでしょう。

 

ショックアブソーバーのポイントまとめ

それでは、ショックアブソーバーについて重要なポイントをまとめておきます。

 

ポイント

  • フルストロークで使用しない。ストロークは1mm前で停止させる
  • フルストロークで使用するときはストッパーナットを取り付ける
  • 調整しても衝撃が収まらない、押し負ける場合は、再選定する

以上3つのポイントを覚えておきましょう。

 

普段何気なく取付けている部品だと思いますが、「フルストロークで使用しない」と「特性の使分けが必要で万能ではない」事を覚えておきましょう。

 

*ショックアブソーバーの購入はこちらから

 

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以上です。

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