今回は「セーフティドアスイッチヘッドの向きを変える方法」についての記事です。
セーフティドアスイッチは安全上の理由で、特に箱物の装置には必ずと言っていいほど備えられいます。
今回はオムロンのドアスイッチを例に紹介したいと思います。
記事の目次
セーフティドアスイッチのヘッドの向きを変える方法
セーフティドアスイッチとは
セーフティドアスイッチは安全スイッチと呼ばれる危険回避を目的とした機器で、安全カバーや安全柵の扉の開閉を検出します。
各社から様々なタイプがラインナップされています。
オムロンのセーフティドアスイッチ
電磁ロック式セーフティドアスイッチ
セーフティドアスイッチには電磁ロック式のタイプがあります。
電磁ロックとは「ロック=施錠」ができるドアスイッチで、施錠して扉が開かないようにすることができます。
つまり、扉の開閉の検出に施錠をプラスしたドアスイッチとなります。
ヘッドの向きを変える方法
今回紹介するセーフティドアスイッチはオムロンのD4シリーズですが、このタイプのセーフティドアスイッチは「キー」と「本体」が挿入されるヘッドの向きの組み合わせが変更できます。
組立をしていると、図面と現物のセーフティドアスイッチの状態が違う場合がありますが、設計側は扉のレイアウト都合でキーの挿入口を組替え前提で図面を描いているので、組立側で組替える必要があるのです。
実は知らない作業者もいて混乱してしまいます。
ヘッドの組みかえ方法
ヘッドの組替え(キーの差込口変更)は簡単です。
ヘッド上部にある4本のねじを緩めて一度ヘッドを取り外し、その後、キーの挿入口が目的の位置となる組合せを確認して組付けます。
オムロンのセーフティドアスイッチ
ねじを緩める
ヘッドを組みかえる。使用しない挿入口にはキャップを付け替えておく
取扱説明書には注意点が記載されているのでこちらも確認しておきましょう。
引用抜粋:オムロン セーフティドアスイッチ 取扱説明書 使用上の注意
ヘッドの方向変換について
- ヘッドの4隅のねじを取り外すことで、ヘッドの向きは4方向に変更できます。なお、異物を介在させないように注意してください。
- 使用しない箇所の操作キー挿入口は付属のキャップヘッドを取付けてください。
- 通電状態でヘッドのねじを外さないでください。機械が誤動作する恐れがあります。
- カバーを外した状態でヘッドの方向変換を行わないでください。
- ヘッド単体の状態で操作キーの抜き差しを行わないでください。ヘッド取り付け後、操作キーが挿入できなくなる原因になります。
検出やロックができないトラブルの原因
今回紹介しているタイプのセーフティドアスイッチですが、キーを差しても検出ができなかったり、電磁ロックが効かないトラブルが起きることがあります。
トラブルの原因として考えられることの一つに「ヘッドのゆるみ」があります。
オムロンのセーフティドアスイッチはヘッドのねじがキチンと締め付けられていないとスイッチのON/OFFが機能しない構造なのです。
セーフティドアスイッチのしくみ
補足
今回紹介しているオムロンのセーフティドアスイッチと類似の製品に、IDECの「HS5D形 安全スイッチ」があり、こちらも操作ヘッドの組替えをおこなうタイプですが、ヘッドのゆるみ対策で「操作ヘッドの外れ検出機能」があります。
セーフティドアスイッチのポイントまとめ
それでは、セーフティドアスイッチについて重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- セーフティドアスイッチは安全スイッチと呼ばれる危険回避を目的とした機器
- 電磁ロック式セーフティドアスイッチは施錠ができるドアスイッチ
- セーフティドアスイッチには「キー」と「本体」が挿入されるヘッドの向きの組み合わせを変更できるタイプがある
- 検出やロックができない場合は、ヘッドのゆるみを疑うこと
以上4つのポイントが大切です。
今回は、セーフティドアスイッチについて解説しました。ドアスイッチには様々なタイプがあり、今回の紹介したタイプが応用できるモノとできないモノがありますが、一例として知っておくと良いと思います。
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以上です。