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【電気配線/制御盤製作 】

ハーネステープは絶縁目的に使用しない【絶縁テープとの違い】

2022年2月24日

 

今回は「ハーネステープは絶縁目的に使用しない」についての記事です。

絶縁テープにはいろいろな種類があります。俗に言います、ビニールテープも絶縁テープに分類されますが、どの程度の絶縁性があるのか?は実は種類によって違いますし、製造メーカーによっても違いがあります。

私は配線作業をする時にをするときに、デンカ株式会社の絶縁テープとハーネステープを使用しているのですが、ハーネステープは薄くて扱いやすいので気に入っています。ところが、ハーネステープは本来配線を束ねる目的のテープで絶縁には不向きなので、特徴を把握して絶縁テープとの使い分けをする必要があります。

そこで今回の記事では、ハーネステープの特徴と絶縁テープとの使い分け基準についてまとめておこうと思います。

 

ハーネステープは絶縁目的に使用しない

ハーネステープとは

ハーネステープとは、複数本の電線をまとめるとき、束ねるとき、に使用する塩化ビニル(PVC)製の絶縁テープで、圧倒的な扱いやすさがあります。

 

出典:デンカ株式会社 ハーネステープ

デンカのハーネステープのカタログ

 

 

ハーネステープは一般的な絶縁テープやビニールテープと呼ばれるテープよりも、電線に巻きつけた時の巻き付け性が全然違います。圧倒的に扱いやすいです。巻き付け性に特化した絶縁テープと言えます。

 

ハーネステープの特徴

ハーネステープの特徴はコレ

  • 薄い
  • 低粘着
  • 程よく伸びる
  • 簡単に千切れる
  • 巻き付け性が良いので振動で緩まない
  • 表面に艶がない(見た目は艶消し)

 

一般的な絶縁テープの厚さはおおよそ0.18mm~0.2mmですが、ハーネステープは0.1mm~0.15mmです。この薄さと、素材(ポリ塩化ビニル)の質によって、一般的な絶縁テープよりも配線に巻き付けた時の巻き付け性とテープ同士の密着性が高いので振動で緩んでしまうことがありません。

 

ハーネステープと絶縁テープを使分ける

ハーネステープの絶縁性は一般的な絶縁テープと呼ばれるテープと同等かやや劣る程度ですが、摩擦に弱く破れやすいので、配線の端子や露出した電線に巻くのには不向きです。なので、基本的には電線を束ねる用途で使用することになります。

また、JIS規格でハーネステープと絶縁テープを判断しますと次のようになります。

 

JIS規格の適合

  • ハーネステープはJISの規格外なので絶縁の保証はない
  • 絶縁テープはJIS規格「JIS C 2336」適合品なので、絶縁用として使用可能

 

JIS規格で比べてみても、やはりハーネステープを絶縁目的で使用することはNGとなります。

 

参考

電気の通り易さは体積抵抗率であらわすことが来ます。数値が大きいほど電気を通しにくい素材となります。

体積抵抗率(Ω・cm)

  • ハーネステープ・・・108~1010
  • 絶縁テープ・・・106~1013

*販売各社のカタログを参考にしたおおよそ値です。

 

とは言え、ハーネステープは非常に扱いやすいので、自動車の12V配線、機械の制御系電源の24Vなどの電圧が低い配線に使用しているのを見かけることがあります。コネクタの抜け止めにに巻き付けたりする使い方はOKですが、本来の使用用途とは違うので自己責任となりますし、客先の仕様でJIS規格に準じるテープを謳ってある場合にはハーネステープを使用することはできません。テープの巻き数を増やせば絶縁性は高くなりますが、テープが層状になるのでズレやすくなるので、やはり長期的に考えるとおすすめできません。

その他にも、耐薬品性、耐水性、耐熱性、高電圧用、などに特化した絶縁テープもあるので、状況に応じた使い分けが必要です。

 

と言うことで、絶縁目的に使用する場合には、JIS規格の絶縁テープの使用が基本となります。

 

出典:デンカ株式会社 ビニテープ

デンカのビニテープのカタログ

 

私が使用してるデンカ株式会社のビニテープはJIS規格の絶縁目的で使用するテープです。

ハーネステープと比べると、引っ張ったときに若干千切れにくく素材が強いです。そのため、ハーネステープのように簡単に破れたりするリスクが低いです。

 

ハーネステープと絶縁テープの見た目の違い

ハーネステープと絶縁テープの実物を比べてみました。

実際にやってみると、ハーネステープは配線によく馴染みますが摩擦に弱いです。逆に、絶縁テープは配線の巻き付け性は一歩譲るものの摩擦には強いです。参考にしてください。

 

ハーネステープと絶縁テープの違い

表面の見た目の違い。デンカ株式会社のハーネステープは艶なし、絶縁テープは艶あり、です。

ビニールテープの見た目の違い

配線に1周巻いた時の見た目。ぱっと見は同じような感じですが、実際にはハーネステープの方が配線になじんでいます。

ビニールテープの見た目の違い

手で引っ張って千切るとこんな感じになります。絶縁テープの方が千切れにくいのでよく伸びます。

ビニールテープの見た目の違い

テープの表面を爪で引っかいてみました。ハーネステープの方が弱く、穴が開きました。絶縁テープは表面がツルツルしていて傷がつきにくいです。

ビニールテープの見た目の違い

 

絶縁についての参考に

絶縁には様々な種類のテープがありますが、その参考には下記のサイトが参考になります。

 

ポイントまとめ

それでは、ハーネステープについて重要なポイントをまとめておきます。

 

ポイント

  • ハーネステープとは、複数本の電線をまとめるとき、束ねるとき、に使用する塩化ビニル(PVC)製の絶縁テープ
  • ハーネステープは摩擦に弱く破れやすいので、配線の端子や露出した電線に巻くのには不向きです。
  • 絶縁テープは摩擦に強いので絶縁目的に使用する場合には、絶縁テープの使用が基本です

 

以上3つのポイントです。

 

 

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以上です。

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