今回は「ノックアウト付きBOXに孔を開ける方法」についての記事です。
電気配線に欠かせないBOXですが電線を接続するためには孔が必要です。この孔はホールソーで開ける場合とノックアウト付きBOXを使用する場合がありますが、今回の記事ではノックアウト付きBOXについてまとめておこうと思います。
記事の目次
何とかBOXに孔を開ける方法
ボックスと配線
電気配線をするときに必ずと言っていいほど必要なアイテムに「ボックス」があります。ボックスとは、中継BOX、端子BOX、プラスチックBOX、パネルBOX、分岐BOXなどなど様々な呼び名があり「何とかBOX」って名前の商品が多いです。
「何とかBOX」の使用目的はこんな感じです。
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電線の分岐
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電線の変換
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将来増設用
- 遮断機の取付け
- 電線の接続(中継)
- センサの制御ユニット取付け
出典:東洋技研株式会社 中継ボックス カタログ
このようなボックスはフレームやブラケットなどの構造物に取付け固定をおこなって、電線を接続することになります。
ノックアウト付きBOX
BOXには電線を配線するために電線を通す穴が必要になりますが、穴の施工には2つのパターンがあります。
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ホールソーで孔をあける
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ノックアウト付きのBOXを使用する
ホールソーで孔をあける場合は、作業者が配線しやすい位置に必要な大きさの穴を開けることができるので作業の自由度が高いです。
ノックアウトとは電線管の接続や電線の取出しに使う孔のことです。なので、ノックアウト付きのBOXは穴あけ作業が不要で、初めから決められたレイアウトに穴溝があり簡単に打ち抜くことが出来るようになっています。自由な位置に孔をあけることが出来ないので自由度は低いですが、穴あけ作業がないのでお手軽です。
鉄製のBOXのノックアウト
ノックアウト付きは穴あけ不要なのですが、使用したことが無い方はノックアウトの抜き方が分からない、、、、って場合があります。私も抜き方が分からずに、無理やりやったら壊れるのでは?ってビビッていました。
ノックアウト付きBOXの孔を抜いてみた
鉄製BOXのノックアウト
それでは鉄製のBOXのノックアウトを題材にして実際に抜いてみようと思いますが、まずは抑えておきたいポイントを確認しておきましょう。
ノックアウトの見た目のポイントはコレです
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リブを抜けば板が外れて孔が開く
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孔のサイズが2重構造になっているタイプがある
ノックアウトは溝や凹凸があるので見た目で判断が付きます。よく確認してみると「リブ」と呼ばれるBOXと孔の板をつないでいるモノが確認できますが、このリブを抜けば孔が開きます。
孔の大きさはBOXの種類によって決まっていますが、中には2段階で孔の大きさを変えられるタイプがあります。下記の写真ですと22mmの孔と27mmの孔をあけることが出来るようになっているので、使用する孔の大きさを確認して間違えて抜かないようにしてください。
鉄製BOXのノックアウト
黒〇が22mm用のリブ、緑〇が27mm用のリブです。
ノックアウトの抜き方のポイントはコレです
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リブをドライバー&ハンマーなどで叩いて抜く
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手の指で抜けるタイプもある
樹脂系のBOXはノックアウトが硬いのでドライバーで叩いて抜くことが基本になりますが、今回紹介している鉄製のノックアウトは指の力で抜くことが出来ました。
いずれにしても、「リブを抜けば孔が開く」ってことがポイントになります。もしリブ以外の部分を叩くとBOXが破損してしまうかもしれないので注意してください。
ノックアウトのリブを抜く
リブを抜いて孔が開くとこんな感じになります。返りバリが気になる場合は、やすりをかけて孔を仕上げれば完了です。
この孔にはグロメット(ゴムキャップ)やキャプコンと呼ばれる電線保護部品を取付けて使用することが基本となるので、くれぐれもこのままの状態で配線しないようにしてください。
もし、配線保護部品を使用しないと、断線や水やホコリが侵入するのでトラブルの原因となります。
孔開け完了
ノックアウト付きBOXのポイントまとめ
それでは、ノックアウト付きBOXについて重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- BOXの孔はホールソーで開けるか、ノックアウト付きのBOXを使用する方法がある
- ノックアウトはリブを抜けば孔が開くので簡単
- ノックアウトの大きさには種類があり、2重構造になっているタイプもある
- BOXの孔には配線保護部品を取付けてから電線を配線する
以上4つのポイントです。
*グロメットの孔の大きさについてはこちら記事をご覧ください
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配線保護のグロメットの下穴径を判断する方法【品番か実測で判断する】
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関連記事:【電気配線/制御盤製作 】
以上です。