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【仕事と思考】

世代交代によって社長と社員の情熱が失われる【中小企業の存続危機】

2023年2月21日

 

中小企業庁から公表されている「 小規模企業白書 」2017年によると、企業生存率は起業から5年で81.7%となっています。

私の肌感覚であったり周りの人達に聞いてみたところ、10年後の生存率は20%前後です。資料では欧米諸国と比べて緩やかな生存率となっていますが、実際にはもっと急激に淘汰されてるかもしれませんね。

 

出典:中小企業庁 2017年版 中小企業白書 中小企業のライフサイクル

中小企業庁の企業存続率

 

どちらにせよ、長く会社を続けていくことは簡単ではありません。会社の規模感、世の中の情勢、経営者の手腕、自然災害、資金繰り、運、などなどいろんなケースがあるのだと思います。

そんな中で、私は最近、会社の存続にかかわる気になることがあります。

それは、、、社長、社員、の世代交代です。

つまり、会社が世の中から消える原因の一つに、世代交代が挙げられるのではないか?と考えているのです。

 

世代交代によって社長と社員の情熱が失われる

2代目社長の情熱はどこに

中小企業では家族経営で2代目が創業者の子供であることが多いですが、世間では「家族経営の2代目はダメだ」なんて言われています。

創業者の親が偉大だったが為に比べられて批判されてしまうのか?それとも2代目自身になにか問題があるのか?

 

 例えばこんな批判

  • 考えが甘い
  • 苦労を知らない
  • 世間を知らなすぎる
  • 真面目に仕事をしていない

 

で、最終的には「だからダメなんだよ、2代目は」なんて言われる。

色々な批判に晒される2代目社長。私が今までお付き合いしてきた会社さん、社長さんのことを思い出すと、批判される原因が社長にあるとするならば、思い当たる節があります。

 

偉そうな社長

 

2代目社長が批判される原因

  • 情熱がない

 

創業者が完全に引退せずに、会長、役員の立ち位置で在籍しているうちはまだよいのですが、創業者が完全に引退すると2代目の本性が徐々に顔を出します。

会社を継いだものの「仕事が好きじゃない」「とりあえず安定が一番」「ある程度お金が自由に使えるから満足」みたいな感じで、一つ一つの仕事にイマイチ身が入っていないのです。

これが私が言う「情熱がない」と言うことです。何事も行動するためには原動力が必要です。その原動力は仕事に対する情熱によって生まれるもの。

情熱がないために、全ての出来事にたいして後手になてしまうことが多くなり、結果、世の中の情勢に振り回される、競争に負ける、労災事故が起きる、と言った状態になります。

このような2代目社長のふるまいや雰囲気と言うのは隠しようがなく、会社全体に広がりますし、その評判は社外にも広まります。面白いもので、悪い情報は一瞬で広まります。

で、ここで一番起きてはならないことがあるのですが、それは社員のモチベーションの低下です。社員の働く理由は人それぞれですが、基本的には成果を出さなければ満足いく賃金が得られないので一生懸命です。社長に認められたい、お客さんに満足してもらいたい、自分が満足する結果を出したい、沢山給与が欲しい、などなど。

ところが、このような社員のモチベーションは、社長に情熱がないばかりに「頑張っても意味がない」「テキトウにやっていればいいや」と言った感情を抱かせてしまうのです。

結果、どうなるか?と言えば、、、、徐々に会社の売上は低下し社長が社員に檄を飛ばすようになってブラック化していきます。

 

社員の世代交代によって変わること

創業者が2代目社長に交代する、つまり世代交代ですが、実はこの世代交代は社長だけの話しではありません。

 

社長以外の世代交代

  • 社員も世代交代によって変化していきます

 

創業メンバーの社員は社長が2代目に交代するときに引退のタイミングを迎えることが多いです。そうなると、2世代目、3世代目の社員がどのような心構えで仕事をするのか?がポイントになります。

 

社員は2極化されます。

  • 情熱がある人
  • 他力の無責任な人

 

解雇される社員

 

情熱がある人とは創業メンバーから考え方であったり技術の伝承を受けている人、そもそも仕事が大好きな人、使命感やこだわりが強い人のことで、仕事の意欲が高いです。他力の無責任な人とは創業時の苦労を知らない、危機感がない、一つ一つの仕事の重要性を理解していない人のことで、求められた成果を挙げられず貢献度が低いです。

この分け方はちょっと極端かもしれませんね、中間的な人もいるでしょうし。ただ、世代交代によって情熱が低下するリスクは高いと言えるでしょう。

そもそも入社の動機は「この仕事がどうしてもやりたくて入社した」って人は少数で、「何となく興味があって給与もそこそこ貰えそうだから」って人の方が多いと思います。となると、どうやって目の前の仕事に情熱を持てばいいのか?がテーマになります。

会社を起業して10年未満であれば会社は萌芽期や成長期であるので、日々の仕事の中で自然と社員たちに情熱が芽生える可能性が高いのですが、安定期に入っている会社の場合は悪い言い方をすれば「頑張らなくても大丈夫状態」なので社員の意識は高まりにくいです。

そういった意味で社員の世代交代は重要です。創業メンバーと同じレベルの情熱を持つことは難しいのかもしれませんが、ある一定の情熱は確保したいところ。もし、2世代目、3世代目の社員に情熱が継承できなければ、最終的に「何のために働いているのか?」と自分の存在に疑問を感じ始め大きな問題を起して解雇されるか、最悪は会社が倒産して路頭に迷うかもしれません。

 

安定の恐ろしさ

2代目社長に情熱がない、2世代目、3世代目の社員に他力の無責任な人が増える、、、、このような状態をさらに加速させる原因に「安定」があります。

 

安定とはどんな状態か

  • 資金に余裕があり仕事量も十分にある

 

資金繰りに困らない、毎年の売上の目途が立っている、仕事量も一定量を確保できている、、、、このような安定している会社ではほどほどに働けばOKって雰囲気があります。余裕があるから気が楽ってことは良いことなのかもしれませんが、実際には人間は自分の役目を放棄してサボり始めたり自分の欲求のままに行動し始めます。これが安定の弊害です。

安定すると緊張感がなくなり目標がなくなり頑張らなくてもいいので気が緩んでしまうわけです。結果、手抜きの仕事をする、問題が起きても見てみぬふりをする、仕事中に遊び始める、自分で率先して取り組まずに他人にやらせる、などと言った行動をします。

 

 

普通はこのような状態になってしまえば早々に会社は傾いていくのですが、基盤がしっかりしている会社だとなんとか持続していけてしまうことがあります。

そうなると、会社に関わる人達の働く態度がますます悪化していきます。最終的には魂の抜けた幽霊みたいな魅力ゼロの人間のできあがりです。

 

情熱を持つためにはどうすれば良いのか?

結局は社長次第です

会社が将来どうなっていくのか、、、、結局は社長次第です。

当たり前と言えば当たり前ですが、上に立つ人間の言動が全てを左右します。

 

社長に必要なこと

  • 夢を語り挑戦すること

 

夢とは「これからどうしていくのか?」の未来の目標です。半年後でも10年後でも良いのですが、とにかくこれからどうするのか?を社員にはっきり宣言することが大切です。

挑戦とは「未知の世界で結果をだす」や「今まで出来ていたことの1ランク上の結果をだす」と言うことで、社長自ら挑戦するのです。

 

リーダーシップがある男

 

会社員と言うのは基本的に「従う」ことが前提にあるので、社長が夢を語り挑戦することに大きな影響を受けます。

例えば、夢は目標となり、挑戦は期待と希望となります。そして夢を語り挑戦することで常に不安定の状態になるので日々の仕事に緊張感が生まれます。これは社員に働く意味を示すきっかけになるんです。

誰でもポジティブな毎日を過ごしたいのに、自分ではその方法が分からない。そんな時に、社長の言動が社員をポジティブにし、会社全体に活気が満ちてきます。これが情熱がある状態です。

勿論、社員から反発されたり、失敗して会社の存続が危ぶまれることもあるかもしれませんが、そのようなリスクを気にしていたら行動などできません。だから、社長には是非大きな一歩を踏み出してもらいたいのです。

 

働く幸せを考える

話しが少しそれますが、、、、

会社がどうなるかは社長次第ですが、社長であっても社員であってもまずは自分自身の幸せについて考えてみることも大切です。

 

人間の幸せは4つある

  • 人に愛されること
  • 人に褒められること
  • 人の役に立つこと
  • 人に必要とされること

 日本理科学工業の前社長の大山泰弘さんが広めた言葉です。この言葉、住職に教えてもらったそうですね。

 

人に愛されることは家族、友達、恋人、から得られる幸せですが、人に褒められること、人の役に立つこと、人に必要とされること、の3つは仕事から得られる幸せとされています。

どんな人でも子供のころから現在まで振り返れば、人に褒められて嬉しかった、人の役に立って満足感があった、人に必要とされて自分の価値を感じた、と言ったことが少なからずあるはずで、これが幸せと言うことなんです。

別の言い方をすれば「人に尽くす=幸せ」とも言えますが、これは人間が生きていく意味に通じることですし、仕事の情熱の源にも通じます。

仕事に情熱がない、、、、情熱が持てない、、、、そんなときは、自分の興味があること好きなことの中から、人に褒められそうなこと、人の役に立ちそうなこと、人に必要とされそうなことを絞り出してみて、仕事に活かす、または起業する、転職する、方向で考えてみると良さそうです。

自分に情熱がないことを人のせいにしていても、結局は自分の人生、自分で自分の責任をとらなきゃいけません。

だから自分と向き合って、自分の幸せとはなんなのか?考えてみる必要があるのです。

 

ポイントまとめ

それでは、世代交代によって社長と社員の情熱が失われるについて重要なポイントをまとめておきます。

 

ポイント

  •  会社は世代交代によって情熱が失われて衰退する
  •  会社が安定していると、衰退が加速する
  •  社長が夢を語り挑戦することで会社は立ち直ることが出来る
  • 自分の幸せと働くことを結び付けると生きる意味が分かる

 以上4つのポイントです。

 

*働く幸せとは何なのか?答えがここにあります。

 

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以上です。

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