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【締結要素】

スプリングピンの規格と下穴径まとめ【呼び径と外径は違う】

2022年2月23日

 

今回は、スプリングピンの基礎情報、JIS規格、加工事例、を紹介します。

 

スプリングピンの規格と下穴径

特徴

スプリングピンは、ばね用鋼をロール状に丸めた形状でキリ穴に打ち込んで使用するピンです。その形状から、ロールピンとも呼ばれます。

スプリングピンの再現精度は1/10mm単位程度なので、位置決めには向いておらず「部品の固定」「ストッパー」「スライドのガイド」「回転の支持」などに使用するのが一般的です。なので、部品の位置決めには平行ピンかテーパーピンを使用します。

 

スプリングピン

上側が「波形」 下側が「ストレート形」

スプリングピン

 

負荷に応じて3種類あります。(一般的に流通しているのは一般荷重用と軽荷重用です)

  • 重荷重用
  • 一般荷重用
  • 軽荷重用

 

形状は2種類あります。

  • ストレート形
  • 波形

 

材質は2種類あります。(硬度参考:ミスミ)

  • スチールばね用鋼・・・45〜50HRC
  • ステンレスばね用鋼・・・42〜48HRC

 

使い分け(参考)

  • ストレート形・・・ストッパーなど
  • 波形・・・かじりにくいのでヒンジや樹脂などに

 

加工方法と使い方

  • 穴はピンの呼び径のキリ(ドリル)で加工する
  • ハンマー、ピンポンチで打ち込む、打ち抜く

 

ピン穴加工について

  • 穴の精度はキリ穴仕上げで十分だが、リーマ仕上げの穴でもOK
  • 穴加工のタイミングは、部品段階で加工しても、組立完了後の現合加工でもどちらでもOK

 

呼び径と実物の外径について

  • 実物の外径は呼び径よりも大きい
  • 穴加工するときは、ピン外径の実測値ではなく呼び径でおこなうこと

 

JIS規格 一覧表

JIS B 2808 に基づく規格表です。

 

重荷重用スプリングピンのJIS規格

溝付き重荷重用スプリングピンの規格 参考:JIS B 2808

溝付き重荷重用スプリングピンの規格

 

一般荷重用スプリングピンのJIS規格

溝付き一般荷重用スプリングピンの規格 参考:JIS B 2808

溝付き一般荷重用スプリングピンの規格

 

軽荷重用スプリングピンのJIS規格

溝付き軽荷重用スプリングピンの規格 参考:JIS B 2808

溝付き軽荷重用スプリングピンの規格

 

下穴径と加工方法

スプリングピンと加工のポイントはこちらです

  • 穴はスプリングピンの呼び径のキリ(ドリル)であける
  • スプリングピンの打込みと打抜きは ハンマーとピンポンチ OR 専用のピン抜き を使用する

 

加工はリーマーが不要なので簡単です。今回は、呼び径6mmのストレート形スプリングピンの事例を紹介しておきます。

加工例

呼び径【6】のプリングピンと6mmのドリル

プリングピンとドリル

6mmのドリルで穴をあける

ドリルで穴をあける

ハンマー、ピンポンチで打ち込んで完了

ピンポンチで打ち込む

 

スプリングピンを打ち抜くポイント

  • 穴径よりも若干マイナスしているピンポンチや棒状の治具で打ち抜く

 

これは、よくあることなのですが、、、、穴径と同じ、または、穴よりも若干大きめのピンポンチで打ち抜いたら、今度はピンポンチが抜けなくなってしまった、、、誰でも一度は経験します。なので、打ち抜くときは大きなに十分気を付けてくださいね。

 

ポイントまとめ

それでは、スプリングピンの規格と下穴径について重要なポイントをまとめておきます。

 

ポイント

  • スプリングピンは、ばね用鋼をロール状に丸めた形状でキリ穴に打ち込んで使用するピン
  • ストレート形はストッパーなどに、波形は、かじりにくいのでヒンジや樹脂などに使用する
  • 実物の外径は呼び径よりも大きいので、穴加工するときにドリルのサイズを間違えないようにする
  • ハンマーとピンポンチや専用の治具で打ち込んだり、打ち抜くことができます

 

以上4つのポイントです。

 

*スプリングピンの購入はこちらから

 

*キリ(ドリル)は呼び径です。購入はこちらから

 

*打込みと打抜きに必要です。ピンポンチの購入はこちらから

 

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以上です。

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