今回は「ベベルボックスのABS絶対値を校正する方法」についての記事です。
簡易的にざっくり角度を測定するときには、新潟精機さんのデジタル角度計「ベベルボックス」がおすすめです。簡単に角度を測定することが出来ます。
ただ、簡単に測定できる反面、±0.2°の誤差があるので、精度にこだわる時には不満があります。
そこで今回の記事では、ベベルボックス(品番BB-180L)の誤差をすくなくるために【原点=絶対値】を校正する方法をまとめておこうと思います。
記事の目次
ベベルボックスのABS絶対値を校正する方法
ベベルボックスの絶対値が狂っている
先日、新潟精機さんのデジタル角度計「ベベルボックスBB180L」を購入したので、さっそく測定してみたのですが、問題が発生しました。
ベベルボックスの問題
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レベルニックで「0.001°」に水平調整した石定盤に、ベベルニックを置いたら「0.1°」の表示になった
レベルニックとは、新潟精機さんの高精度なデジタル水準器で、測定器の校正にも使用される信頼性のあるデジタル水準器です。
で、そのレベルニックで水平調整した石定盤にベベルボックス置いたら「0.0°」表示になるはずなのに、「0.1°」表示になったんです。
水平度が狂っている
取扱説明書で精度について確認すると、品番「BB-180L」のベベルボックスの読み取り精度は「±0.2°」となっており、どうやら不良品ってわけじゃないようで、±0.2°以内であれば品質は問題ないようです。
とは言え、全くの水平にも関わらず「0.0°」表示にならないのは納得できないので、ベベルボックスの精度の再設定をしたいと思います。
出典:新潟精機 ベベルボックス BB-180L 取扱説明書
測定器の絶対値(ABS)
ベベルボックスの測定モードには、「絶対測定(ABS)」と「比較測定(ZERO)」の2つがあるので、どのような意味なのか?おさらいしておきます。
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絶対測定(ABS)・・・測定器本体に設定されている絶対値(0点)からの変化量を表示
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比較測定(ZERO)・・・作業者が自分で0点を決めて、そこからの変化量を表示
今回問題となっているのは、絶対測定(ABS)なのですが、測定器本体の【原点=絶対値】が0.1°狂っているってことになります。
なので、水平の基準となる定盤に置いた時に、「0.0°」と表示されるように、原点を書き換えることができればいいのですが、残念ながら取扱説明書に絶対値の書き換え方法は記載がありませんでした。
しかも、絶対値は測定器の電源をOFFにしてもリセットできませんし、0点は覚えているのでなんともしようがありません。
参考
ABSとはABSOLUTEの略でアブソリュートと読み、「絶対的」「絶対」という意味があります。アブソリュートと言われれば、原点からの数値を測定したり、原点から設定された数値分移動する、ことです。
【BB-180L】ベベルボックスの絶対値を校正する方法
ベベルボックスの絶対値の校正のために、いろいろとボタンを操作していたら、偶然に絶対値の書き換えができたので紹介します。
【BB-180L】ベベルボックスの絶対値の校正方法はコレです
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【ON/OFF】ボタンと【ZERO】ボタンを同時押しする
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画面に【-1-】が表示される
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【ON/OFF】ボタンを押すと【-1-】が点滅した後に表示が【-2-】になる
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【ON/OFF】ボタンを押すと【-2-】が点滅した後に、表示が【0.0°】になる
*ただし、この方法は取扱説明書には記載がないので、自己責任です。私は問題なく使用できています。
ベベルボックスの絶対値の書き換え方法
この作業が終わったら、一度電源をOFFします。再度電源をONしたら測定してみて、絶対値が校正できているのか確認をします。絶対値は電源をOFFにしても記憶されているので、その確認です。
ちなみにですが、電池交換をした場合は、書き換えた絶対値を忘れてしまうので、電池交換したら再度校正が必要になります。
ポイントまとめ
それでは、ベベルボックス【BB-180L】について重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- 「BB-180L」のベベルボックスの読み取り精度は「±0.2°」
- 絶対値の書き換えを行えば、校正ができる
- 絶対値の書き換えは取扱説明書に記載がないので自己責任です
以上3つのポイントです。
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関連記事:【測定器/工具 /電動工具】
以上です。