今回は「割ピンを特殊工具で抜く」についての記事です。
割ピンは、ねじやナットのゆるみ止め、軸(シャフト)の抜けや脱落防止、チェーンのジョイントのピンの抜け防止、などに使用されることが多く身近な締結部品ですが、メンテナンスや部品交換の作業で取り外さなければいけないことがあります。
ところが、割ピンを抜く作業は、抜くときに手を怪我したり部品を傷つけてしまうことあるので、できればやりたくない作業なのです。
そこで今回の記事では、割ピンを容易に抜くための専用工具やペンチを使用した方法などのメリット、デメリットについて紹介しようと思います。
記事の目次
割ピンは特殊工具を使用して抜く
割ピンとは
割ピンとは、2股で細長い金属製のピンのことで、穴に入れて折り曲げて使用します。
主に、ねじやナットとのゆるみ止め、軸(シャフト)の抜けや脱落防止、チェーンのジョイントのピンの抜け防止、などに使用されることが多いですが、その他様々な状況で使用されることが多いと思います。
割ピン
割ピンを抜く方法
割ピンは、部品交換やメンテナンスなどの作業で抜かなければいけないときがあります。
実際に経験するとわかると思いますが、この割ピンを抜く作業は簡単に抜くことができずに時間がかかったり、空振り(スカる)して手をケガしてしまうことがあるので意外と面倒で、正直やりたくないと思うことでしょう。
ところが、そんな面倒な割ピン抜きが簡単にできる特殊工具があるんです。
割ピン抜きが簡単にできる特殊工具
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コッターピンプライヤー(割りピンプライヤー)
この道具は、割ピンを引く抜く専用の工具なので手をケガすることなく作業性が良いのでおすすめなんです。
コッターピンプライヤー
取扱説明書は英語でしたが、なんとなくわかりますね
でももし、特殊工具がない場合はオーソドックスですが下記のやり方で引き抜くことができます。
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ペンチの刃で頭を掴みテコで抜く
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割ピンの曲がりを完全に修正して真直ぐ抜く
ただ、この方法は無茶して抜くと手をケガしたり、部品が傷ついてしまうので注意が必要です。
それでは、割ピンを抜く方法として紹介した3つの方法を紹介していきましょう。
割ピンを抜く3つの方法
コッターピンプライヤーを使用する
コッターピンプライヤーは割ピンを抜く専用工具です。この工具は、割ピンの頭の穴にピンを指してハンドルを握ると割ピンが抜けてくる仕組みで「叩いたり」「コジたり」しないので自然と抜くことができます。
コッターピンプライヤーで抜く
この方法のメリットとデメリットをまとめますと、、、
メリット
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手をケガしない
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周囲の部品に傷をつけることがない
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狭い場所でも抜くことができる
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真直ぐに綺麗に抜くことができる
デメリット
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引き抜く力がやや弱い
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割ピンの頭の穴にピンを入れるときに、やや手こずることがある
実際に使用していますが、結構気に入っています。デメリットもそれほど気にならないですし、やっぱり手を怪我したり部品に傷がつかないのがとても良い工具です。
ペンチの刃で頭を掴みテコで抜く
ペンチを使用して割ピンを抜くやり方は、ペンチの刃の部分で割ピンの頭を掴みペンチの先端を支点としてテコでペンチを起こすと割ピンが抜けてくるやり方です。
ペンチで割ピンを抜く
この方法のメリットとデメリットをまとめますと、、、
メリット
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テコを利用するので少ない力で簡単に抜き取ることができる
デメリット
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ペンチの先端で周囲の部品に傷がつくかもしれない
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ベンチを起すスペースが必要。狭い場所だとうまくいかない
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割ピンの頭に刃の痕が付き、抜くときに曲がってしまうので、完全に再使用不可となる
作業スペースが狭くてペンチが使用できない場合にはニッパーを代用することもできますが、ニッパーは割ピンの頭を使く力が弱く、ニッパーの先端が欠けたり損傷したりすることがあるのでおすすめできません。
また、ペンチでテコで引き抜くと割ピンの再使用は絶望的になりますが、そもそも割ピンは再使用しないことが基本なの問題ないでしょう。でももし、再使用するしかない場合にはこの方法は使えません。
割ピンの曲がりを完全に修正して真直ぐ抜く
割ピンは穴に入れて曲げて使用するモノなので、この曲がっている部分を真直ぐにして割ピンの頭を工具で引っ張れば抜くことができます。
曲げを真直ぐにするためには、ウォーターポンププライヤー、プライヤー、ペンチなどの掴む部分の面積が広い工具を使用すると良いです。ただ、一度曲がった金属を真直ぐにすることは結構難しい作業となります。
真直ぐの修正が中途半端だと、割ピンを抜くときに引っかかて上手く抜けずに工具が滑って手をケガすることになります。私は何度かこの方法で手をブツケてケガをしたことがります。ですから、そうならないためには割ピンを根気よく真直ぐに修正するようにしましょう。
割ピンをまっすぐにして抜く
この方法のメリットとデメリットをまとめますと、、、
メリット
- 作業スペースが狭くてもできるやり方
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真直ぐに抜けるので、再使用できるかもしれない
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割ピンの周辺の部品を工具で傷つけたりするリスクがすくない
デメリット
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真直ぐにすることが難しい
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上手く抜けずにスカって(空振りして)手を怪我したり部品を傷つけてしまう
割ピンを抜く方法のポイントのまとめ
それでは、割ピンを抜く方法について重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- 割ピンを抜く方法は、安全で正確なコッターピンプライヤーがおすすめ
- ペンチを使用する場合は、テコで割と楽に抜くことができるが、部品に傷がついたり作業スペースが必要となる
- 割ピンの曲がりを完全に修正方法は、真直ぐにすることが結構難しい
以上3つのポイントが大切です。
今回は、割ピンを抜く方法について私がおすすめする方法を紹介しました。コッターピンプライヤーは結構おすすめですので、興味がある方は購入してみてください。
参考
*割ピンについてはこちらの記事で詳しく解説しています
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割ピンの規格と材質【呼び径は実物の径ではなくピン穴径】
続きを見る
*割ピンの購入はこちらから
*割ピンを抜くときに便利な専用工具はこれ
関連記事:【締結要素】
以上です。