今回は「ねじにゆるみ止め剤を塗る方法【ロックタイトの塗り方】」についての記事です。
皆さんはねじのゆるみ止め剤をねじに塗布するときに塗布量に気を付けていますか?なんとなく多めに塗布している方もいるのではないでしょうか?
実はゆるみ止め剤を塗布しすぎるとトラブルが起きる可能性があるので、塗布のし過ぎには注意しなければなりません。
今回の記事では、塗布のし過ぎで起きるトラブルと塗布量や塗布の仕方などのゆるみ止めの注意点について解説しようと思います。
ねじにゆるみ止め剤を塗る方法
ねじのゆるみ対策の一つに、ゆるみ止め剤を使用する方法があります。
ロックタイト
ゆるみ止め剤の使用方法は、脱脂したねじに塗布して締めこむだけなのですが、この作業には注意しておきたいことがあります。
それは、塗布の量です。
塗布量の注意点
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ゆるみ止め剤を多めに塗布してはいけない
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必要以上に塗布する必要はない
実はこのポイントを守らないとトラブルに発展することがあるのです。
必要以上に塗布してはいけない理由
なぜ、ゆるみ止め剤を必要以上に塗布するとトラブルに発展するのか?その理由は下記の2点にあります。
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部品の間に入り込み部品が固定される
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ゆるみ止め剤が付着した部品は酸化して錆びる
この中でも、部品の間に入り込み部品が固定されるについては、部品が外せなくなる可能があり非常に厄介です。
必要以上に塗布されたゆるみ止め剤は必ず「はみ出る」ので、はみ出たゆるみ止め剤があらゆる隙間に入り込み硬化してしまいます。そうなると部品を分解するときにねじを外しても部品が引っ付いて固まっているのでバラシの妨げになるのです。
また部品の美観についても、ゆるみ止め剤が付着した部品は酸化して錆びることがあるので必要以上に塗布するべきでないし、もし付着した場合は速やかに拭き取るようにしたほうが良いです。
錆の事例を紹介しますと、ピロー型軸受のホーローセットに低強度のゆるみ止め剤を使用するときには、軸受側に表面処理がないので液体が付着したホーローセット周囲に錆が発生してしまう事が有ります。
塗布量の対策
前述で塗布しすぎによる問題について説明しましたが、ではそのような問題が起きないようにどうすれば良いのか?考えてみましょう。
対策案
ねじのゆるみ止め剤を塗布しすぎない方法は下記の2点です。
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ボルト側のみに塗布する・・・めねじ側には塗布しない方が良いです。どのくらい塗布したのかが把握できません
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ねじ山から溢れない量を塗布する・・・緩み止め剤は色付きですので量は目視で確認します
この方法が守れれば、必要以上に塗布することを軽減できると思います。
*イメージが付きやすいようにねじ山への塗布量の良い例と悪い例を載せておきます。
塗布イメージ
良い例 塗布量はねじ山から溢れない

良い例 塗布量はねじ山から溢れない
悪い例 ねじ山から溢れている

悪い例 ねじ山から溢れている
補足 ねじが沢山ある時の効率が良い塗布方法
補足としてねじが沢山ある時の塗布方法を紹介します。
ねじが沢山ある場合に一本一本にゆるみ止め剤を塗布していたのでは非常に時間がかかり効率が悪いと思います。
そのようなときにおすすめの塗布方法は、、、
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1個のねじに多めに塗布しておき、2個目のねじのねじ山を合わせて回転させ2個同時に塗布する
このやり方は素早く多くのねじに塗布できるので有効です。
*下記の塗布イメージを参考にしてください。
塗布イメージ
1個目に多めに塗布する
両手でボルトを持ち、2個目(塗布していない)のねじにねじ山を合わせ回転させる
ポイントまとめ
それでは、ねじにゆるみ止め剤を塗る方法ついて重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- ゆるみ止め剤は塗布しすぎるとトラブルが起きる
- ボルト側に塗布し、めねじ側には塗布しない
- ねじ山から溢れないように塗布する
- ねじの本数が多い場合は、ねじとねじを合わせて塗布する
以上4つのポイントです。
参考
*低強度のゆるみ止め剤はコレ
*中強度のゆるみ止め剤はコレ
*高強度のゆるみ止め剤はコレ
関連記事:【潤滑油/グリス/ケミカル 】
以上です。