この記事はAIで音声配信しております。
今回は「機械装置のベースフレームのレベルと水平の調整方法」についての記事です。
機械装置の組立の基準となるのがベースフレームですが、そのベースフレームのレベルと水平の調整方法を紹介しようと思います。
記事の目次
機械装置のベースフレームのレベル出し方法
ベースフレームの精度
ベースフレームとは、機械装置の「土台」となる構造体のことで、このベースフレームの上にさまざまなユニットや部品を取り付けて機械装置が完成します。
また、ベースフレームは組立作業における精度の基準にもなるため、どのような状態であるかを、組立作業の前段階に調整し、把握することが重要になります。

ベースフレームの精度を判断する際に重要なのは、レベル(高低差)と水平度と 平面精度 の3つです。
ベースフレームの精度を判断する3つの基準
-
レベル(高低差)FL(フロアレベル)に対して、ベースフレーム上面が「何ミリの位置にあるか」を示す指標です。装置全体の据付高さを決める基準となります。
- 水平度
ベースフレーム上面の「左右、前後の傾きの有無」を示す指標です。水平度が悪いと、後工程の組立や装置の動作精度に影響します。 - 平面度
ベースフレーム上面の「反り、ねじれ、うねりの有無」を示す指標です。水平度が悪いと、後工程の組立や装置の動作精度に影響します。
上記3つのベースフレームの精度は、組立て精度と組立後の機械装置の品質・性能に影響するため、組立する前段階で把握しておく必要があり、場合によっては、「測定」「調整」を行う必要があります。
今回は、3つの基準のなかでも、レベルと水平の調整方法を解説していきます。
ベースフレームのレベルと水平の調整方法
ベースフレームのレベルと水平の調整方法には、下記の3つの方法があります。
方法
-
水準器
-
オートレベル
-
オートレベルと水準器の併用
水準器とオートレベルの特徴と違いをまとめるとこんな感じです
| 項目 | オートレベル | 水準器 |
|---|---|---|
| 主な用途 | 高低差を数値化する場合 | 水平度を数値化する場合 |
| 測定距離 | 長距離(1~20m以上) | 水準器の大きさの範囲内 |
| 精度 | 短距離なら高精度 | 高精度 |
| 必要人数 | 1名から2名 | 1名 |
| 測れる項目 | 測定ポイントの高低差 | 測定箇所の水平・垂直 |
| 設置時間 | 2分くらい | 置くだけ |
| 用途例 | レベルと水平を同時に測定したいとき | 水平出し |
水準器とオートレベルでレベルと水平の調整をする
水準器を使用する場合
水準器で機械装置のベースフレームのレベルと水平度の調整方法を紹介します。
-
水準器をベースフレーム中心・重要箇所に設置(X/Y方向)
-
ベースフレームの1か所をLFからの寸法基準とする
-
FLとの寸法をアジャストボルトを調整して合わせる
-
四隅のアジャストボルトを調整して基準水平をつくる
-
ベースフレームとFL寸法を確認し微調整する
-
四隅以外のアジャストボルトを接地させる
-
ロックナットで固定する(締付後の水平度も確認)
-
水準器を数か所に移動して全体の傾向を確認し微調整する
出典: 新潟理研測範株式会社 精密平形水準器
ベースフレームのレベル出しを行う際は、まず水準器をフレームの中心付近、あるいは装置の重要な取付面に設置します。気泡式の水準器を2個用いてX方向(前後)とY方向(左右)を同時に確認できるようにするか、2軸タイプの水準器を使用しても構いません。
基準となる高さは、ベースフレーム上の一点を基準点として決め、この基準点とFL(床レベル)の高さを図面寸法に合わせます。この時の測定は、メジャーや直尺を使用してOKです。
基準点を設定したら、四隅のアジャストボルトを調整して水平にします。四隅の調整で水平が取れたら、ベースフレームとFLとの高さを再確認し、必要に応じて微調整します。高さがずれている場合でも、四隅のバランスが崩れないよう注意して調整してください。
次に、四隅以外のアジャストボルト(中央・中間)を床に軽く接地させます。この段階ではあまり荷重をかけすぎないことがポイントで、四隅の水平度が変わらないように加減してください。
すべてのボルトの調整が完了したら、アジャストボルトのロックナットを締め付けて固定します。ロックナットの締付けによってわずかに傾きが発生するため、軽く締めて水平を確認し、問題がなければ本締めするという手順が望ましいです。
最後に、水準器の設置位置を数か所に移動し、フレーム全体の水平状態を測定して、必要であれば微調整して完了となります。
水準器の欠点
水準器には、レベルと水平の調整をする場合の欠点があるのでまとめておきます。
欠点
-
水準器は水平に対しての傾きは分かるが、高低差を数値化することができない
-
ベースフレーム面が機械加工(面削)・F材・アルミ材などの平面度が良い場合のみ使用が可能
-
ベースフレーム面が黒皮の場合は、平面度が悪いので水準器での測定ができない
水準器にはこのような欠点があるため、使用する場面には注意が必要です。
また、これらの制約を回避して、レベルと水平を測定する場合は、オートレベルを使用する方法が適しています。
オートレベル
オートレベルで、機械装置のベースフレームのレベルと水平度の調整方法を紹介します。
-
ベースフレームの1か所をLFからの寸法基準とする
-
FLとの寸法をアジャストボルトを調整して合わせる
-
基準とする高さを決め、ベースフレーム上面の四隅をオートレベルと測定治具で測定する
-
四隅のレベルが一致するように、測定しながらアジャストボルトを調整する
-
ベースフレームとFL寸法を確認し微調整する
-
四隅以外のアジャストボルトを接地させる
-
ロックナットで固定する(締付後の高低差も確認)
-
最後に、フレーム全体のレベルを再度測定し、必要に応じて微調整をする
*私が実際に使用していて、皆さんにおすすめしているオートレベルは、株式会社ソーキさんの「オートレベルB20」です。古くから販売しているモデルですが、過去10台以上の他社のオートレベルを使用してきた経験から、ソーキのB20がおすすめと言えます。
出典:株式会社ソーキ オートレベル B20 カタログ
オートレベルを使用したベースフレームのレベル出し作業では、まずフレーム上の一点をLF(フロアレベル)からの寸法基準(図面指示がある)として決めます。この基準点の高さに合わせるため、アジャストボルトを調整してFLとの寸法を調整します。
次に、基準とする高さをもとに、ベースフレーム上面の四隅をオートレベルと専用の測定治具を用いて測定します。四隅のレベルが一致するように、測定結果を確認しながらアジャストボルトを慎重に調整します。その後、ベースフレームとFLとの寸法を再度確認し、必要に応じて微調整を行います。
四隅のレベル調整ができたら、四隅以外のアジャストボルトを床に接地させます。この段階では四隅の数値が変わらないよう注意します。全ての調整が完了したら、アジャストボルトのロックナットを締め付けて固定し、締付け後も高低差を確認します。
最後に、フレーム全体のレベルを再度測定し、必要に応じて微調整を行うことで、ベースフレームのレベルと水平の調整は完了となります。
イメージ
四隅を測定する

オートレベルを覗くとこのように見える。レベル測定治具の目盛りをオートレベルの十字線で読み取ります。

オートレベルで数値を読み取るときの注意点としては、上記の写真のように見えた場合、「目盛りの黒色の横線」の「どこを水平線が差しているか?」を読み取るようにします。
細かく読みよることで、1/100の水平調整が可能となります。
四隅以外のレベルについて
オートレベルでレベル調整をしていると、四隅以外のレベルは四隅に対して「高い・低い」状況が起きることがありますが、特に気にしなくて大丈夫です。
なぜか?
-
これから取り付けていく部品やユニットは四隅の基準点からの高さとし、合わない場合にはシム調整、最悪は追加工で合わせればOK
基準点さえ決まれば、そこに対しての寸法を合わせれば良いだけなので、深く考える必要はないとの考えです。
水準器とオートレベルを併用して調整する
ベースフレーム上面の平面度が良い場合は、水準器とオートレベルを併用してレベルと水平の調整をおこなうと「高さ」と「傾き」の2つの要素を把握してレベル調整ができるのでおすすめです。
細かい手順は割愛しますが、下記のような手順になります
-
オートレベルでレベルと水平の調整を行う
-
オートレベルで調整したら、水準器で水平度の確認を行う
-
オートレベルと水準器の測定値のバランスを考慮して微調整をする
この方法のメリット
-
オートレベルで高低差を数値化できるので、調整作業が迅速にできる
-
オートレベルでの水平調整の正確性を水準器確認することで、精度出しの信頼性が向上する
ということで、ベースフレーム上面の平面度が良い場合は、併用することをおすすめします。
ポイントまとめ
それでは、ベースフレームのレベル出し方法について重要なポイントをまとめておきます。
まとめ
- ベースフレームが組立の精度の基準となるので、ベースフレームは水平にすべきである
- オートレベルは高さ測定が可能で、ベースフレームの面精度に左右されずにレベル調整ができる
- 水準器は傾きを測定することが可能で、ベースフレームの面精度が悪い場合は使用できない
- 面精度が良い場合は、オートレベルと水準器を併用がおすすめ
以上4上つのポイントです。
*アジャストボルト/アジャストパットの取付についてこちらの記事をご覧ください
-
-
ステンレスのアジャスタパッドはかじりやすいのでフッ素で対策する
続きを見る
*オートレベルの購入はこちらから
*水準器の購入はこちらから
関連記事:【作業/工事/ユーティリティ】
以上です

