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【作業/工事/ユーティリティ】

ステンレス配管におすすめの液体パッキン【ヘルメチックのF-119とF-109】

2020年7月15日

 

今回は「おすすめの配管用液体パッキン」についての記事です。

私がおすすめする液体パッキンはヘルメシックの「F-119」ですが、それ以外にも「F109」を使用することもあります。

今回の記事では「F-119」と「F109」の違いを一覧でまとめておこうと思います。

 

ステンレス配管におすすめの液体パッキン

配管用液体パッキンとは、ねじ込み配管のネジ部に塗布する漏れ防止の接着剤です。

 

配管用液体パッキンと言えば接着剤メーカーの「ヘルメチック」さんが有名ですが、私が普段使用している液体パッキンは「F-119」と「F109」です。

そして、漏れが起きやすいステンレス配管におすすめする配管用液体パッキンは「F-119」です。

 

引用抜粋:ヘルメチック

配管用液体パッキン

配管用液体パッキン

 

ヘルメチックのF-109とF-119の違い

使分け

ヘルメチックのF-109とF-119の違いを端的に言いますと、

  • F-109・・・水回りの鋼管に最適。鋼管(スチールパイプ)以外に使用できない。
  • F-119・・・特にステンレスに最適で、薬液にも強い。配管の種類を選ばない。

 

このような特徴がありオールマイティーに使用できるのはF-119ですが、一般的な用途として鋼管で水回りの配管をすることが多いので、F-109を使用している方も多くいます。

 

F-109とF-119

 

配管においてステンレスのねじ込みは「漏れ」が起きやすい配管とされていますが、F-119はシリコン樹脂のゴム性質なのでねじ込むときに「ヌルヌル」と滑らかにねじが入るのでねじがかじって漏れるリスクが低い特徴があります。

私が使用した感触ですと、ステンレスは熱伝導率が低く一部分が集中的に膨張することが考えられますが、ゴム性質のシール材がその膨張にうまく追従して長期的な漏れの防止となっているのではと感じています。

 

物性特性

両者の物性特性を比べてみます。

注目は「F-109が溶剤で硬化タイプ」で「F-119が無溶剤で弾性タイプ」であることです。

 

F-109 F-119
溶剤 メチルアルコール 無溶剤
粘度 3400cps 60000cps
耐熱 150℃ 60~220℃
耐圧性 5MPa 5MPa
乾燥時間 10~24時間 8~12時間(25度) 18~24時間(5度)
硬化後 硬くなる(樹脂接着剤) 弾性がある(シリコン樹脂接着剤)
使用できる配管 鋼管(スチールパイプ) ステンレス/鋼管/塩ビ/砲金

 

流体特性

両者の流体特性を比べてみます。

F-119の方が幅広く使用できるようです。

 

F-109 F-119
上水道
給湯
蒸気 〇(150℃迄) 〇(180℃迄)
冷温水
排水
植物油
ガソリン × ×
灯油 ×
軽油 ×
大口径
不凍液 ×
消火栓
都市ガス ×
LPG ×
エアー

 

耐薬品性

両者の耐薬品性を比べてみます。

一目瞭然ですが、F-109は水系統以外には使用できず、その逆にF-119は薬液に強い性質があります。

 

F-109 F-119
沸騰水
都市ガス ×
LPG ×
塩酸(3%) ×
濃硫酸 × 分解(×より悪い)
硫酸(10%) ×
濃硝酸 × ○~△
硝酸(10%) ×
酢酸(10%) ×
フッ酸 × 分解(×より悪い)
水酸化ナトリウム(1%) ×
水酸化ナトリウム(20%) ×
水酸化ナトリウム(50%) ×
アンモニア水(10%) ×
塩化ナトリウム(10%) ×
炭酸ナトリウム(20%) ×
過酸化水素水(3%) ×
アセトン ×
エチレングリコール ×
プロピレングリコール ×
ブチルアルコール ×
エチルアルコール ×
トルエン × ×
灯油 ×
ガソリン × ×
軽油 ×
塩化メチル ×

*濃硫酸・フッ酸に使用できるシール剤は無い

 

ヘルメチックのF-119とF-109の違いのポイントまとめ

それでは、ヘルメチックのF-119とF-109の違いついて重要なポイントをまとめておきます。

 

ポイント

  • ステンレスや薬品にはF-119が最適
  • 水の鋼管配管にはF-109が最適
  • F-109は溶剤で硬化タイプ  F-119は無溶剤で弾性タイプ

 

以上3つのポイントです。

 

補足 ステンレス配管のねじ切り注意点

ステンレスの配管について補足しておきたいことがあります。

 

それは、「ステンレスパイプにねじを切って使用する場合には厚肉管でなければならない」と言うことです。

例えば20Aなら3.0mm、25Aなら3.5㎜のパイプのことです。

 

 

なぜ、厚肉管でなければならないのか?

 

それは、ステンレスは粘りが強く、ねじを切りにくい金属だからです。

つまり、ねじ切りマシンでねじを切るときにステンレスは切りにくいので、パイプの回転とダイスの切削スピードに回転差が生じて、パイプの内側に強い負荷が発生するのです。そのため、肉厚が薄いと三角形に変形してしまうので、厚肉管の強度があるパイプが必要なのです。

 

ですから、もしねじを切って変形してしまう場合があれば、肉厚を厚いタイプに変更することをおすすめします。

*ちなみに、薄肉のパイプは溶接配管として使用します。

 

まとめ

今回は「ステンレス配管におすすめの液体パッキン」についてまとめてみました。配管用の液体パッキンには種類があり、使用できる用途を理解していないと漏れの原因となります。今回紹介した「F-119」はオールマイティーに使用できるので、これさえ持っておけば大抵の場合は対処できると思います。参考にしてください。

 

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以上です。

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