今回は「立ち作業と座り作業の疑問」についての記事です。
私の職場では5年前までは「立ち作業:4」「座り作業:6」でしたが、現在は「立ち作業:8」「座り作業:2」です。
その結果、立ち作業の割合いを増やしたことで、疲れにくく、集中力が増して作業効率が向上しました。近年、座り作業は健康に悪影響と言われていますし、立ち作業にはメリットが多いと思います。
そこで今回の記事では、私の実例をもとに「立ち作業」と「座り作業」についてお話ししよと思います。
記事の目次
立ち作業と座り作業の疑問
ここ最近、作業中(仕事中)の姿勢について耳にすることがあります。
こんなこと
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座って作業をすると作業効率が落ちる、立ち作業の方が効率が良い
さらにはこんなことまでも、、
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座り作業は健康に悪影響で、死亡のリスクが高まる
とまで言われています。
皆さんはどう思われますか?
世間では立ち作業と座り作業についていろいろと言われていますが、機械組立工の私にも考えがあります。
私の考え
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座りっぱなしでも立ちっぱなしでも、体の負担になる
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どこかに疲れがでると、集中できずに作業効率は落ちる
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適度に体を動かしながら作業をする方が良い
そして現在の私の職場では
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「立ち作業:8」「座り作業:2」
この割合で作業を行っています。
これは10年以上組立工として作業をしてきた私の答えです。
適度に体を動かしたほうが良い理由
私の職場は5年前までは「立ち作業」と「座り作業」の両方で組立作業をおこなっていました。
割合で言いますとこんな感じです。
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「立ち作業:4」「座り作業:6」
一見しますと座った状態で組立作業をすると、作業者の負担が少なく作業の進捗は良いように思えます。
私も「座る=楽」というイメージがあり、体の負担が少なく作業に集中できるモノだと思っていました。しかし、長年組立を作業をおこなっていると自然と疑問に感じるようになったのです。
私が感じるようになった疑問
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「座り作業」をしている作業者は組立ペースが遅く、なんだかダラダラと仕事をしているように見受けられる
こんなことに気が付いたのが数年前でした。
私は座り作業も立ち作業も両方経験しているのでわかるのですが、座り作業は30分を過ぎたあたりから体に違和感で起きて落ち着かなくなり、集中力が散漫になります。また私の場合は、作業中に立ち上がることも多いので、立ったり座ったりするのが面倒と感じます。
立ち作業の場合は、じっとその場に固定で立ち続けていれば10分で我慢できなくなりますが、実際は歩幅の範囲で動きながら作業をしているので意外と疲れなかったりします。
そんな経験からこんな考えになったのです。
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適度に体を動かしながら作業をする方が良い
適度に体を動かす、、、もう座り作業は必要ないのかも。
そもそも座り作業は必要か?
組立作業と言っても多種多様な形態があり、細かい作業では腰を据えてやったほうが良い場合もあります。
だから、座り作業と立ち作業のどちらが良いかは環境によるかもしれません。
そこで、私がおこなっている機械装置の組立て作業を整理することにしました。
このような作業条件
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ライン作業ではない
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部品やボルトを棚から持運ぶことが多い
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拡大鏡を使用するような細かい組立作業はない
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部品の大きさは手のひらサイズから大きいモノは2000mm以上ある
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ASSYで組立が終わったらベースフレームに設置するが、これは座り作業ではできない
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一点物の組立てなので、作業中に「あれがない」「これがない」と作業場から離れることがある
こんなことを考えていると思ったのです。「私の職場には座り作業は必要あるのか?」ってことです。
作業場(持ち場)から離れる頻度が多く、部品も比較的大きめ、、、そうなるとフットワーク良く作業ができる方法が効率が良いように思えます。
最適な作業スタイルを考える
さてここまでで、立ち作業と座り作業ついて考えてみましたが、キーワードを整理してみましょう。
キーワード
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適度に体を動かしながら作業をする方が良い
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座って作業をすると作業効率が落ちる、立ち作業の方が効率が良い
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作業場(持ち場)から離れる頻度が多く、部品も比較的大きめ
このキーワードから考える作業スタイルは、、、「立ち作業が適しているのでは?」と言うことです。
中腰が一番疲れる
私の独断の判断ではなかなか決定しずらいので、組立作業をしている仲間にも「立ち作業」と「座り作業」について、作業効率が良くて自分に合っているのはどちらなのか?聞いてみました。
すると、仲間の答えは一致していたのです。
「基本は立ち作業が良い」
皆さん、長年組立作業をやられてきて、現状の組立作業には立ち作業が良いと判断されたのです。
そこで、冒頭でも言いましたが、今までは立ち作業と座り作業の割合は「立ち作業:4」「座り作業:6」であったので、これを「立ち作業:8」「座り作業:2」の割合にまで変えることを決めたのです。
立ち作業の作業台の不満
立ち作業には勿論、立ち作業用の作業台が必要ですが、実は私には立ち作業用の作業台に不満を持っていました。
作業台の不満
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立ち作業用の背の高いテーブルは高さが合わなくてイマイチ作業がやり辛い
具体的には「現状使っているテーブルの高さが低い」のです。
作業台は高すぎても低すぎても体の負担になって作業効率が悪いと思うのですが、ではどのくらいの高さが良いのでしょうか?
と言うことで、実際に色々な高さで実験してみました。
実験結果
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「テーブルの高さ = 腰の高さ」が目安になりそうでした。
*自分の腰の高さは約900mmでした。
ここまでの情報を元に、「サカエ」で作業台のラインナップでテーブルの高さを調べてみました。
- 座り作業の基本は740mm
- 立ち作業の基本は900mm
- 座りと立ちの共用は800mm
私の判断ですがまとめますとこのような感じでした。やはり、「腰の高さ=テーブルの高さ」で判断して間違いなさそうです。
引き続きサカエのカタログで、立ち作業用の作業台を調べていたのですが、、、、あることに気が付きました。
「800kg程度の中量級作業台にキャスター付きがない」「立ち作業用の高さ900mmがない(2020年現在は900mmあります)」と言うことです。
比較的大きめの部品を組立てるので、ある程度の耐荷重が必要なのですが、どうやら重荷重に耐えられるキャスターがないようなのです。
中量級の作業台
私の理想とするのは、作業に応じてレイアウトがスピーディーに変えられるキャスター付き作業台なのでこれでは困ります。
そこで、キャスターはハンマーキャスターのウレタンタイヤで選定して、サカエの作業台にブラケットを溶接して取付けて自分たち専用の作業台を作る事にしました。
私が製作した作業台スペックはこちら
- 大きさ・・・1800×900
- テーブルの耐荷重・・・800kg
- キャスター4輪の耐荷重・・・600kg
- 高さ・・・920mm
- テーブルマット・・・部品に傷かつかないように静電マット1800×900
*良い具合のキャスターが無かったので、耐荷重は600kgまでとしました。
*高さは立ち作業の標準が900ですが、自分たちの使い勝手は920mmが良いとの判断でブラケットの溶接とキャスターの外径で高さを920に設定
立ち作業の割合を増やした結果
立ち作業用の作業台を数台導入して、作業割合を「立ち作業:8」「座り作業:2」に変えてみました。
その結果、作業者からこんな声がありました。
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集中できる
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意外と疲れない
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体に違和感がない
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腰が痛くなくなった
そもそも立ち作業と言っても、私の環境では作業中に歩幅程度は動きますし、部品やボルトを取りに移動する事もままあります。直立不動で立ち続けるわけではないので、座り作業よりも立ち作業の方が体の負担が少なくなり、集中して作業ができるようになったようです。
私自身も、立ち作業メインに切り替えて、以前よりもフットワーク良くスピーディーに作業が進んでいると感じています。
*ライン作業のように同じ作業の繰り返いではないので、効率が良くなったか?の厳密な検証はできません。
ポイントまとめ
それでは、立ち作業と座り作業について重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- 座り作業は効率が悪く、健康に悪影響
- 座り作業が必要な作業もある
- 立ち作業の比率を増やすと効果的。私の場合は「立ち作業:8」「座り作業:2」
- 立ち作業のテーブルの高さは重要。目安は腰の高さ。
以上4つのポイントです。
立ち作業の割合を増やしましたが、中には細かな作業で座り作業でなければ捗らないこともあるので、100%立ち作業とするのは難しそうです。ですが、自分の作業環境に応じて見出す必要がありますが、「基本は立ち作業」とした方が健康面や作業効率で考える方が無難そうです。
*作業台の購入はこちらから。いろいろなタイプがあります。
関連記事:【作業/工事/ユーティリティ】
以上です。