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オートレベルとは【精度と故障事例と設置方法】
オートレベルとは
オートレベルとは「高さ」「高低差」を測定する測定器です。名前にある「レベル」という言葉には「高低」「水平」という意味があります。
出典:ペンタックス オートレベルAPシリーズ
機械精度(1km往復標準偏差)
オートレベルの精度の目安となるのが「1km往復標準偏差」です。1km往復標準偏差とは、1kmの区間で高低を測定した時にオートレベルの位置と測定ポイントを入れ替えたときに生じる誤差のことです。
機種によって違いがあり、例えば1km往復標準偏差が±0.2の場合は高精度な部類で、±2.0の機種は機械精度が低めになります。
短距離で測定したほうが誤差が生じにくい
オートレベルを使った測定には注意したいポイントがあります。
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測定ポイントまでの距離は短距離が有利
オートレベルと測定ポイントまでの距離は非常に重要で、短距離で使用したほうが良いです。それは、「機械精度の誤差」と「測定値の読取りの誤差」を最小限にするためです。私の経験上ですが、距離は6m以下で使用するのが望ましいです。
機械精度の誤差は距離が遠くになるほど大きくなります。オートレベルを除くと視準線(水平の線)が見えますが、その線の水平度は1km往復標準偏差(誤差)に記載がある値分はズレることが予想され、距離が遠くなるほどに誤差が大きくなります。
また、距離が遠くなることは、測定値の読取りの誤差も大きくなる要因です。遠くにある目盛りは小さく見えるので、オートレベルでピントを合わせても明瞭に見えません。そのため、視準線と目盛りの位置関係が不透明になって、例えば、0.5mmの違いを読み取ることが出来なくなります。逆に、6m以下で使用すれば、0.1mm以下の目盛りのズレも読み取ることが可能なので、水準器に匹敵する精度測定、精度調整が可能です。
故障事例
オートレベルは取扱いの問題で機械精度が狂ったり、故障したり問題が起きることがあるので紹介しておきます。
こんな故障事例があります
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オートレベルの水平器が何度調整してもズレてしまう
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測定した箇所を、オートレベルを別の場所に設置しなおしてもう一度測定すると、測定結果が変わる
こんな故障は結構ありがちなので、取扱いには注意したいですね。
取扱いの注意はこれです
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衝撃を与えない
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持ち運びを乱暴にしない
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本体をひっくり返さない
このようなことは、測定器全般に言える事ですが、オートレベルのように本体に自動補正機構を搭載している測定器は特に故障しやすいので注意してください。間違ってもトラックの荷台で転がして運搬しないようにしましょう。
オートレベルは現場に持ち出して使用する頻度が高い測定器なので、きちんと管理するなら定期的な校正も必要です。最低1年から2年おきに校正することをおすすめします。
オートレベルの設置方法
オートレベルで測定するためには、事前準備としてオートレベルを三脚に固定して水平出しをおこなう必要があります。
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三脚を設置する・・・三脚の高さは測定箇所の高さを考えて、大まかに合わせておき、水平具合は天板を目測で水平となるように三脚の足の長さを微調整します。
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オートレベルを三脚の天板に取り付ける・・・天板が球面の場合は、オートレベルの水平器が目測で水平となる位置で固定します。
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水平を調整する・・・搭載されている水平器の気泡が中心となるように整準ねじを回転させオートレベルの傾きを変えます。
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水平の確認と微調整をする・・・オートレベルの水平器が整準ねじと整準ねじの中間位置となる位置で水平の確認と微調整をします。整準ねじの中間位置は3か所ありますのでオートレベルを回転させながら3か所で確認と調整を繰り返します。
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水平器の気泡が3か所で平均的に中心位置となれば設置完了です。
三脚について
オートレベル用の三脚の頭には高さ調整式と固定式がありますが、高さ調整式をおすすめします。
高さ調整式の三脚は、測定治具の目盛りを読取りやすい高さに設定できるメリットがあり、据付や組立作業で使用する場合には非常に有効です。
ただし、高さ調整の機構にガタツキがある三脚も存在しますので注意してください。今のところ私のおすすめは、下記の画像にあるPENTAX製の三脚です。
高さ調整式の三脚
オートレベルに関連する記事
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*オートレベルの購入はこちから
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以上です