今回は「ウレタンチューブ(エアーホース)の経年劣化/変形と膨張」についての記事です。
ウレタンチューブは機械装置のエアー配管としては一般的です。新品のウレタンチューブを使用する場合には問題になることはありませんが、実は経年劣化によって中古のウレタンチューブを再使用するとトラブルが起きる可能性があります。
そこで、今回は私の実体験を踏まえてウレタンチューブの劣化についてまとめておこうと思います。
ウレタンチューブのエアーホースは経年劣化する
ウレタンチューブとは
ウレタンチューブとは、ポリウレタン素材の機械や装置のエアー配管として使用される一般的なエアーチューブです。使用圧力は0.8MPa以下で柔軟性と耐久性のバランスが取れたモノです。
ポリウレタンは、プラスチックに様々な分子を配合することで、柔軟性、耐摩耗性、耐油性などの特徴があります。
ウレタンチューブの代表的な商品の紹介
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SMC・・・型番「TU」
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NITTA・・・型番「U2」
経年劣化
ウレタンチューブは、長年使用し続けると経年劣化によってある変化が起きます。
起きる変化はコレです
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膨張と変形
通常は膨張と変形が起きても、機械や装置に特に目立った問題が起きることはありません。
ですが、エアーチューブをカット(切る)して再使用する場合には少々厄介な問題となります。
厄介な問題とは?
それは、経年劣化しているので、エアーチューブが膨張と変形して、、、、
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エアーチューブが継ぎ手に入らない(径が合わない)
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継手に挿入できても奥まで入らない(エアが漏れる)
と、このような問題が起きるのです。
劣化を現物で観察してみる
エアーチューブを観察すると、ワンタッチ継ぎ手のチャック部分に食い込みの痕が見られ、その食い込みを境目として若干ですが膨らんでいるように見えます。
この膨らみが経年劣化が進むにつれて顕著なモノとなります。(エアーチューブは全体的に膨張/変形する)
もし、膨張/変形しているエアーチューブを途中で切断してワンタッチ継ぎ手に挿入しようとすると「入らない」と言うことになりますが、切断せずに写真のような状態のままでしたら再使用が可能です。
*こちらのエアーチューブはそれほど経年劣化していないので、膨張/変形の具合が分かりずらいですが参考にしてください。
イメージ
経年劣化の目安
ウレタンチューブが経年劣化して再使用が難しくなるのはコレくらいです
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5年を経過した当たりが劣化の目安
実際には、年数以外だけでは判断難しく使用環境に大きく左右されます。
例えばこのような使用環境は要注意です
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温度が高い
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油が付着する
このような環境では膨張と変形のリスクが高まります。
もし、再使用が出来ない場合の対処方法はコレです
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丸ごと新品のエアーチューブに交換(引き直す)
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膨張/変形していない部分をカットして新品のエアーチューブを繋ぐ
膨張、変形してしまったウレタンチューブを元に戻す方法はないので、このような方法しかありません。
ウレタンチューブの経年劣化のポイントまとめ
それでは、ウレタンチューブの経年劣化について重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- ウレタンチューブとは、ポリウレタン素材の機械や装置のエアー配管として使用される一般的なエアーチューブです
- 経年劣化で、膨張と変形が起きる
- 膨張と変形が起きると、「エアーチューブが継ぎ手に入らない」「継手も挿入できても奥まで入らない」の問題が起きる
- 膨張や変形したウレタンチューブを再使用することはできないので「丸ごと新品のエアーチューブに交換」するか「膨張/変形していない部分をカットして新品のエアーチューブを繋ぐ」方法しかありません。
以上3つのポイントです。
*エアーチューブの使い分けについてはこちら
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【圧力】エアーチューブの種類と特性一覧【エアーホースを使用環境で使分ける】
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*ウレタンチューブの購入はこちらから
関連記事:【空気圧/油圧】
以上です。