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【センサ/電子機器 】 【制御/プログラム/PLC】

センサは取付環境が不適切だと誤作動をする【制御の基本】

2021年6月15日

 

今回は「センサは取付環境が不適切だと誤作動をする」についての記事です。

機械装置の自動化に欠かせないセンサですが、その反面センサが関係するトラブルが起きることが結構あります。特に「新規の機械装置」や「長年使用した機械装置」で発生することが多くその原因も様々です。

そこで今回の記事では、センサを扱ううえでの心構えについて私の考えをまとめておこうと思います。

 

センサは取付環境が不適切だと誤作動をする

センサの役割

センサは、検出物体の「状態」や「情報」を電気信号に変換する機器で、自動化された機械装置を制御するために必要不可欠です。

センサが使用される状況は多岐にわたるため、もの凄く多くのセンサが存在します。そのため検出方法や使用用途や価格などによって、どのようなセンサを選定するのか?十分に検討が必要です。

 

*センサの種類は下記の資料を参考にしてください。

出典:オムロン 共通編 センサとは

センサーの種類

 

センサは絶対ではない

皆さんはセンサに対してどのようなイメージを持っていますか?

 

例えばこんなイメージ

  • 高価
  • 高性能
  • 再現性がある
  • 誤作動しない

 

いかがでしょうか?多くの人はセンサに対して好意的な印象を持っていると思います。

 

出典:オムロン デジタルアンプ分離光電センサ(レーザタイプ) E3C-LDA カタログ

デジタルアンプ分離光電センサ

 

ところが私は、機械装置の組立を10年以上おこなってきた経験からセンサに対してこんな印象を持っています。

 

私か感じているセンサの印象

  • センサは絶対ではない

 

その理由は?

  • 「誤作動」したり「検出しない」ことがある

 

こんな事を言うと誤解されてしまうかもしれませんね。

本来センサは再現性があり高性能で誤作動しません。と言いますか、センサに問題が起きてしまったら「間違った状態」や「間違った情報」を検出してしまうので機械装置を正しく制御することができなくなってしまいます。なので、センサに欠陥や故障がない限り「誤作動」したり「検出しない」ことはありません。

私が言っている「誤作動」したり「検出しない」とは、センサに問題があるわけではないのです。

 

つまり、センサが誤作動したり検出しない理由はコレです。

  • センサを正しく扱っていない
  • センサの取付け方法、取付け環境が正しくない

 

異常発生

 

センサが関係する問題が起きると、「センサが悪い」と決めつけてしまう作業者を見かけることがありますが、そうではなくて「センサを正しく扱えていないからセンサが誤作動したり検出しないことがある」と考えると良いです。

逆に「センサは絶対に正しいので問題ありません」「このセンサは実績があります」と言われる人もいますが、この考えも微妙です。というのは、「センサが絶対に正しい」とは「センサを正しく扱っている」時だけの話しであって、センサを正しく扱っていない場合はセンサは絶対ではないし正しいとは言えないのです。

 

なので、センサに関係する問題が起きたらこう考えてください

  • センサが正しく検出できないのはなぜか?
  • 正しく検出できるセンサはどのタイプか?

 

いつもこの視点で考えることができれば問題解決も素早いです。

「なんだそんなことか」と思われたかもしれませんが、実際の現場では結構できていない人が多いんですよ。

 

誤作動の事例

ではここで、センサの誤作動の事例を紹介しておきます。

こんなことが起きたら、あなたならどう対処しますか?

 

反射形センサの光軸の先に反射率の高い部品がある

反射形の光検出センサの光軸の先や検出物体の周囲に反射しやすい部品があると、光が乱反射して検出物体ではなく乱反射した光を検出してしまうことで誤作動してしまうことがあります。

 

検出物体の表面が凸凹している

変位センサの検出物体の表面が凸凹していると、変位センサが検出する値が安定せずに「数値がぱらつく」状態になり誤作動の原因となります。

 

光検出センサを複数個並べて向い合わせで取り付けてある

光電センサやレーザーセンサなどの光センサを複数個使用する場合で、向い合わせで取り付けてあると、系統が違うセンサの光を検出してしまい誤作動することがあります。

 

センサケーブルが動力の電線に束ねて配線してある

センサのケーブルが、機械装置の電源系統やロボットやモーターの動力線と一緒に束ねて配線してあると、センサとの通信や信号のやり取りがエラーになったり、センサから得られる数値に誤差が発生することがあります。

 

センサの正しく扱うチェック項目

センサは正しく扱わないと誤作動してしまうことがあるので、センサの選定やセンサが関係するトラブルが起きたときにはチェック項目で絞り込みをすると良いです。

 

センサを正しく扱うチェック項目

  • 振動はないか?
  • 外乱光の影響はないか?
  • 検出物体の色は適切か?
  • 検出物体の形状は適切か?
  • 検出物体の面粗度は適切か?
  • センサ同士の間隔は十分か?
  • センサの固定は安定しているか?
  • チリほこりなどの雰囲気はないか?
  • センサと検出物体の距離は適切か?
  • 稼働中にセンサを遮る物体はないか?
  • ドグや反射板の固定は安定しているか?
  • センサの近くに磁場を発生する機器はないか?
  • センサケーブルを動力と一緒に配線していないか?

 

私はこのような項目を基準に「センサが正しく検出できないのはなぜか?」や「正しく検出できるセンサはどのタイプか?」を考えるようにしています。

 

センサの取付環境のポイントまとめ

それでは、センサの取付環境について重要なポイントをまとめておきます。

 

ポイント

  • センサは絶対ではなく「誤作動」したり「検出しない」ことがある
  • センサの取付け方法や取付け環境が正しくないと誤作動する
  • センサが誤作動したら「センサが正しく検出できないのはなぜか?」と「正しく検出できるセンサはどのタイプか?」の視点で考える

 

以上3つのポイントです。

 

 

*機械制御の参考にいかがでしょうか

 

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以上です。

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