コミュニケーションの必要性
1つの装置の中で制御が独立しているモノがある場合、お互いにコミュニケーションを取る事が必要になります。コミュニケーションの方法としてI/Oがあります。 (I/OとはI=Input(入力)O=Output(出力)つまり、信号の入力、出力の事です)
人間関係と同じで、コミュニケーションは一方的にするものではありません。お互いの状況を確認し合って”どうするのか?”の判断をしなければいけません。これが出来ていない場合、バグの発生率が高くなりソフトやプロブラムの複雑化を招く事になります。
必要な信号 ≪例えばこんな信号≫
PLCからロボットコントローラへの信号
- 動作許可
- 動作選択信号
- エンドエフェクタ関係の信号(エンドエフェクタとはロボットアーム先端に取付けるモノ)一般的にはロボットハンド
- エンドエフェクタと装置がメカ的にコンタクトする部分の信号
このような信号のやり取りが必要になります。
動作許可
”ロボットが動作して良い”と言う許可信号。装置はロボットだけで成り立っている訳ではありません。ロボットが装置内で勝手に動くと、機内のユニットや可動部と干渉する可能性があります。ロボットが移動する軌跡や位置はあらかじめ決定していますから、ロボットの可動領域が”安全である”と知らせる必要があります。
動作選択信号
”ロボットが何をすればよいのか”を選択する為の信号。通常、ロボットの動作パターンは幾通りもあります。動作パターンプはプログラム別に分けておきますので、どのプログラムを起動させるのか?の判断材料になります。例えば、”原点復帰”なのか”サイクル停止”なのか”搬送”なのかの選択です。
エンドエフェクタ関係の信号
エンドエフェクタとは一般的にはロボットハンドですが、ロボットハンドが”どのような状態なのか?”の信号となります。ロボットハンドはワークにたして”何かをするモノ”ですから、今の状態が分からなければ安全に動くことは困難です。例えば、”チャック開”なのか”吸着完了”なのかの信号です。
エンドエフェクタと装置がメカ的にコンタクトする部分の信号
装置はロボットと他の機内ユニットがお互いに”ワークに対して何かをしている”状態です。そして、お互いにコンタクトする場面があります。その時に、”安全にやり取りできる状態なのか?”や”お互いにどのような状態なのか?”の信号となります。動作許可の信号と同じような意味ですが、ここはお互いにコンタクトする部分で非常に大切な部分ですので項目に挙げておきます。
ロボットコントローラからPLCへの信号
- 動作完了
- ロボットの現在位置
- エンドエフェクタ関係の信号
- エンドエフェクタと装置がメカ的にコンタクトする部分の信号
このような信号のやり取りが必要になります。
動作完了
ロボットが”ある動作をやり終えた”の信号です。この信号はPLCからの信号にたいして”出来ました”の報告する意味で使用します。例えば”ワークをチャックして干渉領域から離脱した”や”1サイクル動作した”などです。
ロボットの現在位置
ロボットが”機内のどこにいるのか?”の信号です。機内の各ユニットはクラッシュの観点からロボットの位置が分からなければ動作できません。全て位置で信号を出す必要はありませんが、干渉しそうな位置関係が存在する場合には必要です。
エンドエフェクタ関係の信号
この場合は”ロボットからPLCへ命令(要求)”をする信号です。例えば、”チャックを開命令”や”吸着命令”などです。この、命令に対して”結果どうなのか?”の信号はPLCから受け取るようにします。
エンドエフェクタと装置がメカ的にコンタクトする部分の信号
これは、PLCからの信号でも説明した通りです。割愛します。
まとめ
コミュニケーション(I/O)が、なぜ必要なのかお分かりいただけたでしょうか?必要性が理解できれば、ここで説明した例以外にも状況に応じて信号を増やしたり減らしたりすることが出来ると思います。
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以上です。