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1次側エアーから2次側エアーを配管する注意点【ドレン対策】

2020年5月21日

 

今回は「1次側エアーから2次側エアーを配管する注意点」についての記事です。

2次側エアーの分岐にはエアー特有の事情で注意しなければならない事があります。

今回の記事では、2次側エアーを配管する注意点について解説しようと思います。

 

1次側エアーから2次側エアーを配管する注意点

1次側と2次側

機械装置業界で良く耳にする言葉に「1次側」「2次側」があります。

 

その意味は、、、

  • 1次側・・・供給側
  • 2次側・・・使用側

と言うことなのですが、実は結構曖昧な言葉で使用する場面において「供給側」「使用側」が変わることがありますので、先入観で判断しないように注意してください。

 

さて、エアー配管においては1次側と2次側はこのような意味になります。

  • 1次側エアー・・・圧縮空気発生装置(コンプレッサー)から供給される大元のエアー
  • 2次側エアー・・・機械や装置などのエアーを使用する側

 

一般的な工場には、1次側のエアーが上空に配管されており、その配管を分岐(分配)して2次側のエアーとしています。

 

2次側エアーを配管する注意点

1次側エアーから2次側エアーを配管するときに注意したいことがあります。

 

注意したいことはコレです

  • 1次側エアーから立上り配管で分岐して2次側へ下ろす

 

下記のイメージ図で確認してください。

配管イメージ図

エア配管イメージ図

 

このように配管するのには理由があります。

 

立上がり配管の理由はコレです

  • ドレン対策

 

圧縮空気特有の「ドレン」の対策のために立上り配管をするのです。

 

圧縮空気のドレンとは

そもそもドレンとは何のことでしょうか?

 

圧縮空気におけるドレンとは下記の物質が混濁した液体のことです。

  • チリ埃・・・大気中に含まれていている
  • 水分・・・空気中の水蒸気が水滴になる
  • 油分・・・コンプレッサーの潤滑油が混ざる
  • カーボン・・・コンプレッサーの潤滑油がカーボンとなる

 

圧縮空気を発生させるとドレンも発生します。このドレンは2次側の使用する機器に悪影響を及ぼすので排除しなければなりません。

その1つの方法として、1次側エアーの取出しは「立ち上がる」なのです。

 

*補足 油圧における「ドレン」の意味は空圧とは違います。油圧のドレンとは「機器から漏れた油」という意味です。

 

なぜ立ち上がり配管なのか?

立上り配管にする理由は「ドレンは液体で重たいから立上り配管で下ろすと、2次側へドレンが供給されにくくなる」ためです。

ドレンの供給を100%防ぐことはできませんが、軽減することができます。

 

ドレンの流れイメージ

ドレンの流れ

 

ドレンを100%防ぐことはできないので、最終的には使用する側の末端で「エアフィルター」「ミストセパレーター」などの空気とドレンを分離して、空気を清浄化するフィルターが必要になります。機械装置のエアーコンビネーションにエアーフィルターがセットになっているのはこのためです。

 

配管に溜まったドレンの処理

2次側エアーを立上りで分岐する事でドレンが末端に供給されにくくなりますが、その弊害として1次側配管にドレンが溜まってしまいます。この溜まったドレンは排出できるようにしておかないと、結局は1次側配管がドレンで一杯になり2次側へ供給されることになります。

 

そのようなことが起きないような対策としては、、、

  • 1次側エアー配管に2次側へ供給する配管とは別に、ドレン排出用の配管を施工する
  • ドレン排出用の配管は、1次側配管からそのまま立ち下がる

 

下記のイメージ図で確認してください。

ドレン配管イメージ

ドレンの流れ

 

このように配管しておくとドレン排出用の配管から、定期的にドレンを抜くことが出来ます。ただ間違っても供給用としては使用しないように注意してください。

 

2次側エアー配管のポイントまとめ

それでは、2次側エアー配管について重要なポイントをまとめておきます。

 

ポイント

  • 2次側エアーとは、機械や装置などのエアーを使用する側のこと
  • 2次側エアーは、1次側エアーから立上り配管で分岐して配管すること
  • 立上り配管の理由は、ドレン対策
  • ドレンの処理は、1次側配管からそのまま立ち下げて取り出す

 

以上4つのポイントです。

 

 

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以上です。

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