今回は「ユニオンの漏れの原因と対策/シールテープとパッキンで漏れを止める裏技」についての記事です。
配管の漏れが多い部分に「ユニオンからの漏れ」があります。ユニオンは漏れが起き易い継手なのですが配管の接続やメンテナンスの都合上、使用している部分が多くあります。
今回の記事では、ユニオンから漏れる原因と対策や漏れを止める裏技を紹介しようと思います。
記事の目次
ユニオンの漏れの原因と対策
配管作業でユニオンと言えば「ユニオン継手」の事です。「ユニオン継手」とは分割式でパッキン内蔵の継手です。
ねじ込みや差し込みの配管を施工する場合の作業性を良くし、施工後のメンテナンス(ばらす)を容易にすることが出来ます。
鋼管のユニオン
漏れる原因と対策
ユニオンにはパッキン/ガスケットが内蔵されていますが、この部分に何らかの問題が起きて「漏れ」が発生する事があります。
主な漏れの原因と対策を一覧にしました。
漏れの原因 | 対策 |
ユニオンのパッキンが斜め当たり | 配管の角度を修正 |
ユニオンパッキンに隙間(配管の距離)があり締めてもパッキンに接触していない | 配管の距離を修正 |
ユニオンの締付け不足でパッキンに隙間がある | 増し締め |
パッキンの接触面に異物があり隙間が出来ている | 異物の除去/交換した時は異物が入る事が多い |
配管の熱膨張でユニオンのねじが緩み隙間ができる | 温間時に増し締め(立上げと立ち下げを繰り返した時) |
パッキンの劣化(パッキンが割れる) | パッキン交換 |
斜め当たりと隙間のイメージ
最も多い漏れの原因
漏れの原因として最も多いのがユニオンの緩みです。これは配管が「熱くなったり冷めたりする=熱膨張」することで緩みが起きます。
熱膨張する配管の代表と言えば「蒸気配管」です。蒸気配管の場合は配管が温間になった時に必ずユニオンを増し締めします。私の経験では温間のまま使用していればパッキンが損傷しない限り漏れる事は無いと思いますが、蒸気を止めて配管が冷間となりそこから蒸気を流し温間となった場合にはユニオンが緩み漏れが起きる事が多いです。
補足
蒸気配管のユニオンから漏れが頻繁に起きるようでしたらユニオンを廃止してフランジに切り替えた方が良いでしょう。フランジでしたらユニオンに比べて漏れるリスクはかなり低減されます。
もしユニオンからフランジに切り替える時に、スペースの問題で通常のフランジが取付出来ない場合には「3本固定の組フランジ」が有効です。4本固定のフランジよりも省スペースです。
引用抜粋:日立金属株式会社
漏れが起きたら初めに行うこと
配管の種類や用途問わず、ユニオンから漏れが起きている時の対応としては、第一に増し締めを行うことです。
漏れると言うことは内部に隙間がある為ですから増し締めしてどうなるか?です。もし漏れが治まらない場合にはバラシて原因を探りますが、大概の場合はパッキンが劣化して割れているのでパッキン交換で解決します。
漏れを止める裏技
ユニオンからの漏れを止める方法として、正攻法ではなく応急処置として漏れを止める方法があります。絶対に止められる保証はありませんが、実績はありますのでやってみる価値はあります。
漏れを止める裏技
-
パッキンにシールテープを巻く
-
パッキンを2枚入れる
ではこの2点について詳しく解説します。
パッキンにシールテープを巻く
パッキン/ガスケットにシールテープを巻き付けて隙間を埋める(漏れの原因)方法です。
パッキンが損傷しているが新品が無い場合やパッキンが薄くてユニオンの突き当てに隙間がある場合にシールテープを巻き付けます。
イメージ
パッキンを2枚入れる
パッキン/ガスケットを2枚重ねて隙間を埋めて漏れを止める方法です。
配管が短くパッキンに隙間が出来る場合やパッキンが薄くてユニオンを締めても隙間が埋まらない場合にパッキンを2枚重ねて入れる事ですき間を埋めて漏れを止めます。
イメージ
ユニオンの漏れと裏技のポイントまとめ
それでは、ユニオンの漏れと裏技について重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- 漏れが起きたら増し締めをする
- 増し締めで漏れが止まらないときは、パッキン交換、配管の距離や角度を修正する
- 漏れを止める裏技は「パッキンにシールテープを巻く」「パッキンを2枚入れる」これによりすき間を埋めることができる
以上3つのポイントです。
*今回紹介した部材はこちらから購入できます。
関連記事:【シール要素】
以上です。