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【締結要素】 【緩衝器/ダンパー】

調整ボルト・ストッパーボルトの取付方向とロックナットの正しい位置と理由

この記事はAIで音声配信しています。

機械装置の重要な部分には、調整ボルトやストッパーボルトが使われることがよくあります。これらのボルトには、正しい取付け方向があり、ロックナットにも適切な取付け位置があります。

ところが実際の現場では、設計ミスや、組立時の思い込みによって、間違った向きや位置で組み付けられてしまうことがあります。

この状態でエンドユーザーへ納品されてしまうと、後になって「ボルトが緩んだり」「交換したくてもできない」といったトラブルが発生することがあります。

 

調整ボルトやストッパーボルトとロックナットの取付の向き

調整ボルトやストッパーボルト

機械装置には、締結目的以外でボルトを使用することがあります。

 

締結以外で使用するボルト

  • 調整ボルト
  • ストッパーボルト

 

調整ボルト(押しボルト)は、部品の位置を繊細に微調整したい場合に使用され、ストッパーボルトは、直線運動や回転運動の可動範囲を制限するために用いられます。

 

出典:ミスミ カタログ 鍋屋バイテック ストッパボルト SSB・SSBS-B

鍋屋バイテックのストッパーボルト

出典:ミスミ 位置決めボルト 頭部Rタイプ

ミスミの位置決めボルト

 

調整ボルトやストッパーボルトは、締結ボルトとは異なり、ボルトを完全に締め込まず、中間位置で止めた状態をナットでロックして固定します。

このボルトをナットで固定すると言う行為、、、一見すると簡単な作業に思えますが、実はボルトとナットの取り付け位置には注意が必要です。

と言うのも、ボルトには「負荷を受ける方向」が決まっており、またナットには「ボルトとブラケットに対しての取付位置」が決まっているのです。

 

調整ボルトとストッパーボルトの取付方向

調整ボルトおよびストッパーボルトには、取付の方向が決まっています。

この方向を理解せずに組み付けると、調整作業がやり難くなったり、ボルトが曲がったときに取り外せなくなります。

 

調整ボルトとストッパーボルトの取付方向

  • 調整ボルトは「ボルトの頭 OR ボルトの先端」で負荷を受ける
  • ストッパーボルトは「ボルトの頭」で負荷を受ける

 

調整ボルトの取付方向

調整ボルトの場合は、ボルトの頭 、ボルトの先端のどちらでもOKです。

ただし、購入品の調整ボルトの場合、向きが決まっている場合があります。

調整ボルトの向き

 

調整ボルトの取付方向は、負荷側に「ボルトの頭」または「ボルトの先端」のどちらでも構いません。基本的には、調整時の工具の取り回しや作業性を優先して決定します。

ただし、市販されている調整ボルトの中には、負荷に対してのボルトの向きがあらかじめ指定されているものあるので、その場合はメーカーの指定する取付方向に従って組み付ける必要があります。

 

ストッパーボルトの取付方向

ストッパーボルトの場合は、負荷を頭で受けるようにします。

ストッパーボルトの向き

 

ストッパーボルトは、「ボルトの頭」で負荷を受けることが基本として決まっています。

その理由は主に2つあります。1点目は、ボルトの頭部は先端部に比べて当たり面の面積が広く、変形しにくいこと。そして2点目は、万が一ボルトが曲がった場合に、取り外しが可能であることです。

もし、ボルトの先端側を負荷側にした場合に、ボルトが曲がってしまうと、ボルトを取り外すときにブラケットから抜き取ることができなくなる恐れがあります。

そのため、ストッパー用途では、ボルトの頭で受けることが基本となります。

 

ロックナットの取付位置

調整ボルトやストッパーボルトのロックナットの位置は、負荷の方向を基準に考えます。

 

ロックナットの位置

  • ロックナットは負荷に対してブラケットの後ろ側(負荷が抜ける側)に取付ける

 

ロックナットは負荷に対してブラケットの後ろ側にする

正しいナットの位置は、ブラケットの後ろ側です。

正しいナットの取付位置

ナットを負荷側にするのは間違っています。

誤っているナットの取付位置

 

なぜ、ロックナットは「負荷に対してブラケットの後ろ側(負荷が抜ける側)」に取り付けるのか。
その理由には、ボルトとナットのねじ山の噛み合いが関係しています。

ボルトのねじ山とナットのねじ山が噛み合う部分には「わずかなすき間(遊び)」があります。
ナットを締め付けると、ナットとは反対側のねじ山のすき間がゼロになり、ナット側のねじ山にすき間が残る状態になります。

この状態で、負荷側にねじ山のすき間があったとすると、負荷が加わるたびに、そのすき間分だけ「ボルトに微小な動き」が発生します。この動きが繰り返されることで、ナットが緩んでしまうのです。

一方、負荷側にねじ山のすき間がない場合は、ねじ山は常に一方向に押し付けられ、ねじ山のすき間が動かない安定した状態を保つことができるので、緩むことがありません。

そのため、調整ボルトやストッパーボルトでは、負荷に対してブラケットの後ろ側(負荷が抜ける側)にロックナットを取り付けることが基本となります。

 

ロックナットとねじ山のすき間の関係

ナットがボルトを引張る方向と負荷の方向ナットがボルトを引張る方向と負荷の方向

 

ポイントまとめ

それでは、調整ボルトやストッパーボルトとナットの取付の向きについて重要なポイントをまとめておきます。

 

ポイント

  • 調整ボルトは「ボルトの頭 OR ボルトの先端」で負荷を受ける
  • ストッパーボルトは「ボルトの頭」で負荷を受ける
  • ロックナットは負荷に対してブラケットの後ろ側(負荷が抜ける側)に取付ける

 

以上3つのポイントです。

 

 

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以上です。

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