装置の試運転、デバックはどうやってやればいいのか?
その具体的な方法について、過去の記事「機械装置のデバックのポイント」で紹介しました。
ところが、それを理解しただけでは不十分でした。
もっと具体的に、もっと広い視点で、もっと円滑に進むように、組立工として目指すべき姿勢とは、、、、そんなことを考えながら今回の記事を書きました。
正直、思いつくことをただ書いただけで、結局何を残せたのか分かりません。
記事の目次
- 1 装置に火を入れたらおこなうこと
- 2 装置の試運転とデバッグでやるべき具体的なこと
- 2.1 装置の安全性を評価する
- 2.2 手動操作のILは過剰にとらないこと
- 2.3 声掛けと合図確認を徹底して試運転する
- 2.4 装置が仕様通りの性能であるか検査する
- 2.5 装置間のやり取りはトラブルが発生し易い
- 2.6 問題が発生したら原因ではなく要因を考える
- 2.7 長時間の連続運転をおこない最終確認すること
- 2.8 ワークやセンサによって装置に異常が発生する
- 2.9 人が配線や機器を破損させるリスクがあれば修正する
- 2.10 その場で解決できない不具合は記録に残し共有する
- 2.11 音と振動と臭いを感じ取り装置の異変に気が付くこと
- 2.12 スイッチ1つで誰でも安全に簡単に扱える装置を目指す
- 2.13 OTセンサを遮ったら装置が停止するか?忘れずに確認する
- 2.14 非常停止や安全扉などの安全機能が有効に作動するか確認する
- 2.15 ソフト屋さんとコミュニケーションをとりデバッグ作業をする
- 2.16 可動部の部品、配線、エアチューブなどが干渉があれば是正する
- 2.17 自動運転をする前に可動部とセンサが適切に動作するように調整する
- 3 ポイントまとめ
装置に火を入れたらおこなうこと
装置を組立てたらおこなうこと
機械組立の作業は、部品を図面通りの形に組立て、図面や仕様で決められている寸法と精度に調整する作業ですが、このうち制御がある機械は、試運転とデバッグを行わなければなりません。
参考
制御がある機械とは、FA装置(ファクトリーオートメーション)や自動省力化機械のことを指しますが、簡単に言えば、起動ボタンをONしたら各センサからの情報をもとに各可動部が順序に従って自動的に動作する装置のことです。
試運転の目的
-
操作性に問題はないか確認する
-
安全性に問題がないか確認する
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設計通りの性能であるか確認する
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各可動部が正しく動作しているか確認する
-
装置を構成している部品やセンサなどに不具合はないか確認する
デバッグの目的
-
制御(ソフトウエアのプログラム)にバグ(エラー)がないか確認する
装置の試運転とデバッグは、装置の品質を評価する作業ですが、機械の品質は、数値化できないこと20%~40%(定性的)、数値化できること60%~80%(定量的)であるため、容易に評価できません。それは、数値化できない事は人の感覚で判断しなければならず、数値化できることは根拠がある基準値に対して判断する必要があるためで、しかも、人の感覚と数値を総合的に判断しなければならないこともあります。
そのため、試運転とデバッグをどのような方法で行えばいいのか?どのようなことに注意しておこなえばいいのか?を知識として、実際に経験を積んで、身につけておく必要があります。
試運転とデバックのフロー図
すべての装置が該当するわけではありませんが、おおよそこのようなイメージで試運転とデバックを行います。
装置の試運転とデバッグでやるべき具体的なこと
機械組立工に必要な、装置の試運転とデバッグでやるべき具体的なことをまとめてみました。
試運転やデバッグの考え方と注意点
- 装置の安全性を評価する
- 手動操作のILは過剰にとらないこと
- 声掛けと合図確認を徹底して試運転する
- 装置が仕様通りの性能であるか検査する
- 装置間のやり取りはトラブルが発生し易い
- 問題が発生したら原因ではなく要因を考える
- 長時間の連続運転をおこない最終確認すること
- ワークやセンサによって装置に異常が発生する
- 人が配線や機器を破損するリスクがあれば修正する
- その場で解決できない不具合は記録に残し共有する
- 音と振動と臭いを感じ取り装置の異変に気が付くこと
- 非常停止や安全扉などの安全機能が有効に作動するか確認する
- ソフト屋さんとコミュニケーションをとりデバッグ作業をする
- 可動部の部品、配線、エアチューブなどが干渉があれば是正する
- 自動運転をする前に可動部とセンサが適切に動作するように調整する
それでは上記について、次項から解説していきます。
装置の試運転とデバッグでやるべき具体的なこと
装置の安全性を評価する
装置の組立が終わり試運転とデバックがある程度進んで、その装置の実態が明らかになってきたら、装置の安全性を評価してください。
装置の安全性を評価する
- 有害物質に人が触れない構造であること
- 高温や低温な部分に、人が触れられない構造であること
- 装置が動作するときに、人が可動部に触れられない構造であること
上記の安全性が確保されていない装置は、作業者の身体に重大な害をもたらす危険性があります。
装置の危険性
- 火傷する
-
挟まれる
-
巻き込まれる
- 健康被害が発生
このような危険性は必ず改善しなければなりませんが、その方法には、機械的な対策と電気的な対策があります。
機械的な対策
- 安全扉
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安全柵
-
安全カバー
- 断熱する
- 集塵、排気する
- 危険性を知らせる表示をする
機械的な対策の基本は、人が有害物質、高温/低温部分、可動部、に触れられないように物理的に遮断することです。例えば、アルミフレームや角パイプなどの骨格に、鉄板、メッシュ、樹脂板を取付けて装置全体を覆う方法や、個別にカバーで覆う方法があります。
電気的な対策
-
セーフティセンサ
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IL(インターロック)システム
- 異常を検出して、停止し発報する
電気的な対策の基本は、人に危険が及ぶリスクをセンサで検出し、電気的に装置を停止させることです。例えば、セーフィライトカーテンで人が危険性がある部分に侵入したことを検出する、人が装置に侵入するときは部分的に可動しないようにILを組み込む、有害物質の値を常時監視する、などの方法があります。
このように、装置の安全性は作業者を守るために重要なことであるため、リスクがある部分は必ず機械的および電気的な対策をしてください。もちろん、客先の作業者の教育と訓練も不可欠ですが、それは客先範疇の話しであるので、まずは、装置メーカーとしての責任を持ちましょう。
手動操作のILは過剰にとらないこと
装置が自動で動作するためのPLCのプログラムはソフト屋さんが作るのですが、そのプログラムが、扱いやすく、バグがなく、仕様を満たしているか?を確認し、どのような動きにすべきか?を取りまとめるのは組立工の役割です。
その中で、クラッシュや労働災害が発生しないために、プログラムに組込まれているIL(インターロック)回路について気をつけたい事があります。*ILとは、ある一定の条件が整わないと他の動作ができなくなるような回路のことです。
IL回路の気をつけたい事
-
手動操作のILは過剰にとらないこと
ILは、自動運転中では、クラッシュが発生しないこと、労働災害が発生しないこと、を目的として、各可動部同士の動作にILを組み込みますが、手動操作の場合は自動運転のようなILのとり方だと弊害があります。
弊害とは、手動操作したときに「自動運転と同様の動作順番でなければ動作しないので、熟知した作業者でないと手動操作で動作させることが全くできない」と言うことです。俗に言う、インターロックガチガチじゃん!てやつです。この状態では、クラッシュはしませんが、動作させることができないので、非常に操作性が悪いと言えます。
そのため手動操作は、ある程度の自由度があるILにして、作業者が自分判断で動作させられるようにしなければなりません。
手動操作のILの基本概念
- クラッシュしなければ動作順序を無視して動作してもOK
-
クラッシュするリスクがあっても、必要であれば動作すること
そもそも、作業者が手動操作をする目的は、「装置がトラブって自動運転ができないため手動操作してトラブル対応したいとき」や「可動部の調整や確認をしたいとき」であるため、自動運転の動作順序ではなく臨機応変な動作順序で動作する必要があります。
そのため手動操作のILは、クラッシュしなければ動作順序を無視して動作してもOK、クラッシュするリスクがあっても必要であれば動作すること、を基本概念とします。
ただし、手動操作のクラッシュによって、装置が自動運転できない状態に陥ってしまうことは避けなければならないので、クラッシュを許容する目安としては、部品が破損しないクラッシュはOKとし、クラッシュして破損するリスクがある場合は、TP(タッチパネル)に「このボタンを押すとクラッシュします、本当に押しても良いですか?」と言った内容の警告を出したうえで、手動操作ができるようにしておきます。
だたし、手動操作のILのとり方は、結局は人の感覚で決めることなので、全ての人が満足することはありえません。そのため、組立工が作業者目線で実際に操作して、操作性はどうなのか?判断し、客先の意見も取り入れつつ、ソフト屋さんと相談しながらプログラムを作る必要があります。
声掛けと合図確認を徹底して試運転する
現場は、騒音が大きく、離れた場所で個別で作業することがあり、その状況下で装置の試運転やデバッグ作業を複数人で行うため、お互いの意思疎通を図るために大きな声で仲間に声掛けをし、ジェスチャーによる合図確認をおこないます。
声掛けと合図確認の目的
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注意喚起のため
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これから起きることを正しく認識するため
試運転やデバッグは装置が未完成の状態で行われるため、動作させながら調整をすることがあり、また予想外の事態が発生することがあるので、労働災害のリスクが非常に高くなります。さらに、装置の調整や問題解決のためには、動作させる瞬間を目視確認する必要があり、現在の状態をリアルタイムで共有する必要があります。このような理由から、声掛けと合図確認は必ず行わなければなりません。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
装置が仕様通りの性能であるか検査する
装置は図面通りに組立てても、必ずしも目的の性能が発揮されるわけではありません。それは、機械部品には組立誤差や部品の寸法誤差、可動部の初期なじみなどがあり、電気部品にはセンサの設定が必要であり、そのセンサには固体差があるので個別の調整が必要となり、さらにはノイズで安定しないこともあるからです。その他にも設計ミスによって性能が出ないこともあります。そのため、装置に電源を投入したら試運転をおこないながら、仕様通りの性能となるように各部の調整をおこない、性能を検査し評価する必要があります。
性能の評価
- 検査項目/検査方法はリスト化して検査表作る
- 数値化できないことは、人の感覚で判断する
- 数値化できることは、測定して数値で判断する
装置の性能を検査するためには、予めその装置の仕様と役目、そしてあるべき姿を加味した検査項目と、その検査方法をリスト化した検査表を作成する必要があります。検査表は、この装置を十分理解している設計者か、発注元(客先)が作成し、組立工はそれに従って検査を行います。
検査表の内容は、人の感覚による検査項目(質的データ)の、安全性、メンテナンス性、操作性、信頼性などがあり、測定して数値で検査する項目(量的データ)には、精度、速度、風量、騒音、温度、タクトタイムなどがあります。
注意点として、人の感覚による検査は、検査する人によって結果に違いがあるため、最終的な判断は発注元(客先)がおこなうことが一般的ですが、出荷間際に追加や変更が発生することがあるので、早い段階で立ち合いをおこなった方が良いです。測定した数値で検査する場合は、正確に測定ができ、再現性がある測定でなければならないので、検査方法に問題があれば変更する必要があります。そのため、検査の目的を理解した上で、柔軟に対応することが求められます。
このような検査は、ある意味組立て次第でどうにでもなる訳ですが、改ざんしたり虚偽を記載することは絶対にやめてください。もし、合格しない項目があれば、上司や設計に報告し対応すればいいだけですから、誠実に検査をおこないましょう。
参考
装置間のやり取りはトラブルが発生し易い
インラインの装置は、装置と装置がワークの受渡しをする部分にトラブルが発生し易いので、起こりうるパターンを想定してデバッグするようにしましょう。PLCのプログラムを作成するのはソフト屋さんですが、試運転デバッグの作業の主導権は組立が持つべきなので、組立が責任をもって行ってください。
ワークを受渡ししている時に起こりえること
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上流側の装置がサイクル停止
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下流側の装置がサイクル停止
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上流側の装置が非常停止(自動運転OFF)
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下流側の装置が非常停止(自動運転OFF)
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下流側の装置が受渡し中に受入ができない状態になり停滞
上記の時に、起こりうるトラブル
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ワークが装置間で停滞してタイムオーバー異常となる
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ワークが装置間にありサイクル停止できない
- ワークが装置間にあり原点復帰できない
このようなトラブルは、設計や客先が決めた装置の仕様によって対処方法が変わるので、試運転の段階に入るまでには必ず確認しておき、対処できるようにデバッグ作業を進めます。
方法としては、デバッグをおこなっている段階は装置単独運転であるので、相手装置との信号を疑似的にやり取りして仕様通りの受渡し動作ができるようにデバッグします。例えばですが、信号線にスイッチを配線して一つ一つの信号をON/OFFさせることで、疑似的なやり取りが可能となります。
装置間のトラブルの対処方法は仕様によって違います
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作業者がワークを取り出す
- 原点復帰でワークを払出す、受入れる
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サイクル停止でワークを払出す、受入れる
- 装置間にワークがある状態で原点とする
上記の通り、仕様によって装置間にワークがある場合の対処方法に違いがあり、このような動作ができるようにデバッグをしますが、もし、プログラム(ソフト)で対応できない場合は、構造変更、センサ変更/追加などの改造が必要なることがあるので、改造する視点でもデバッグをしてください。
場合によっては、現状を客先に見てもらい、装置間のトラブルを許容してもらえることもあるので、組立、ソフト、設計の3者で情報共有して状況判断しましょう。
問題が発生したら原因ではなく要因を考える
装置の試運転やデバッグ中に、何らかの問題が発生したら、「これが悪い!」と急いで原因を断定してしまう人がいますが、たとえ正解であったとしても、それはたった一つの原因でしかなく、真実を突き止めたことにはなりません。
理由は、装置は多種多様な部品で構成されているため、どの部品がどのような影響を及ぼすのか断言できるものではないし、その装置の制御方法に前例がなければ、どのような制御方法が最適なのか分からないし、ワークの状態が変化することもあるため、容易に原因を断定できるものではないからです。
装置の問題を解決するための必要なこと
- 原因ではなく要因を考える
- 目の前の出来事を正しく認識する
まず1点目は、問題が起きたら原因ではなく要因を考えることです。
原因とは「問題を引き起こす単一の理由」であり、要因とは「問題を引き起こす可能性がある複数の要素」です。つまり、装置に起きる問題は複数の要素が関係している可能性があるため、初めから「原因はな何か?」と考えるのではなく、「どのような要因が考えられるか?」と考えることが大切なのです。例えば、ワークの搬送異常が起きたら、その要因として、センサがワークに干渉している、ワークのガイドが広くて蛇行している、搬送レベルが不均一である、ワークが反っている、センサの反応が不安定である、などが考えらます。これらの複数の要因から問題の全体像を把握することで、真の原因を見つけることが出来ます。
次に2点目は、目の前の出来事を正しく認識することです。
問題が発生したときに、その問題を瞬時に正しく認識することは至難の業です。そのため、時間をかけて問題の発生状況や現状の装置の状態を正しく認識する行動を意識的にとります。具体的には、問題発生部分を注意深く観察して異変を見つける、発生状況を詳細に記録する、問題発生までの経緯や変化点を時系列で記録する、意図的に問題を発生させ要因を見える化する、問題に関係する部分を測定し数値で現状を把握する、起きたことを過去の事例(経験)と比べる、第三者と意見交換する、などです。これによって、問題解決に必要な正しい情報を得ることが出来ます。
以上の考え方を基に、問題が発生した際には、装置の現状把握と情報収集を行い、それによって見えてきた要因をもとに原因を仮説し検証、そして最後に対策を講じるという一連のプロセスを実行しましょう。
長時間の連続運転をおこない最終確認すること
装置の具体的なデバッグ方法は過去記事の「機械装置のデバッグのポイント【試運転のバグ出しは3段階】」でまとめていますが、このようなデバッグをさんざんやりつくしたら、最終確認として、数時間の連続運転をおこないます。
その理由は、数を流せば各可動部に微妙なズレが生じてチョコ停止する、数時間繰返し動作すると、初期なじみによって精度が変化してチョコ停止する、様々なワークを投入するとワークサイズの誤差によってチョコ停する、ことが往々にして発生するからです。
連続運転の内容
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2時間から8時間の連続運転をおこなう
- ワークの投入と受取は実際のタクトタイムを再現しておこなう
- 動作モードとワーク品種が複数ある場合は、それぞれのパターンで連続運転する
連続運転は主に上記の内容でおこないます。
まず初めに、装置の連続流動の時間についてですが、私の経験上、2時間から8時間の連続流動を客先から指定されることが多いですが、特に指定がない場合は、2時間の連続運転をおこないます。2時間の理由は、多くの製造業では労働2時間おきに休憩の周期だからです。
次に、タクトタイムについてですが、連続運転は実際のタクトタイムで運転しなければ実際の稼働を保証することができないので、仕様のタクトタイムでワークの投入と取出をおこないます。そのため、ワークの投入と受取の方法は、連続運転用の装置が必要になることがあるので、設計と相談して事前に準備しておきます。
最後に、動作モードとワーク品種が複数ある場合は、それぞれのパターンで連続運転しなければなりません。理由は、動作モードを変えたらダマ停するときがある、ワークの品種を変えて運転したら時々ワークが引っかかってチョコ停する、などの不具合が起きることがあるからです。このような不具合を撲滅するためには、全ての動作を確認するしかないのです。
連続運転の合否
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タクトタイムが出ていること
- 連続運転中に、チョコ停が発生しないこと
- ワークに適切な加工や検査ができていること
- ワークに不良となるダメージをあたえないこと
連続運転の合否は上記の通りです。
この項目が合格となるように、メカ調整、ソフトのデバッグをおこない、必要であれば改造をおこないましょう。
ワークやセンサによって装置に異常が発生する
装置の試運転とデバッグが終盤に差し掛かったときに、今まで起こらなかったような異常が発生することがあります。
異常が発生する理由
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ワークの表面、寸法、形状、温度が変化した
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センサの取付け位置、設定がギリギリすぎる
ワーク起因の異常は、設計時に想定していたワークの状態と異なるワークを投入したことで発生します。例えば、ワークの色が違う、光沢が違う、摩擦係数が違う、寸法が違う、形状が違う、温度が高い、温度が低い、帯電しているなどの理由です。これは、試運転している最中に、繰り返し同じワークを使用することでワークの状態が変化する場合もあれば、客先から提供されたワークの中に少数混ざっている場合もあります。このようなワークについては、一体どの範囲までのワークを許容するのか?を設計と客先で決定してもらい、その結果によって、調整が必要か、改造が必要か、投入するワークを判別するか、何もしなくて良いのか、などの対応が分かれます。
センサ起因の異常は、センサの取付け位置と設定が検出物体に対してギリギリの場合に発生します。例えば、検出物体が多少ズレると検出できない位置にセンサが取付けてある場合や、センサの設定が検出物体の状態が多少変化したら正しく検出できない設定になっている場合です。本来は試運転の初期段階で気が付くことですが、連続流動をすることでメカ部品やワークなどのあらゆるバラつきの影響が表面化することもあるので仕方がありません。再度、センサ調整をおこない、それでも解決できなければ、センサの取付け方法やセンサの種類を変更を検討してください。
このように、装置は試運転を行わなければ、良い事、悪い事、が分からないのが実情です。そのため、試運転の重要性を理解し、問題が発生することをある前提にしておく必要があります。
人が配線や機器を破損させるリスクがあれば修正する
装置を客先に納めた後、その装置を運用する過程において、定期的なメンテナンスや突発的なトラブル対応があり、その度に機内で人が作業をおこなうことになります。この当たり前の行為には、人が装置を破損させてしまうリスクがあるため、試運転の段階で修正しなければなりません。
機内で人が作業するときのリスク
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配線を踏みつけたり、引っかけて断線させる
- センサケーブルを引っかけてコネクタが破損する
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センサアンプなどの機器を踏みつけたり引掛けたりして破損させる
メンテナンスやトラブル対応で作業しているのに、配線や機器を断線させたり破損させてしまう、、、、、これって作業者が悪いと思われがちなミスですが、実は人が悪いのではなく装置の機内レイアウトが悪いから起こるのです。
断線や破損などが起きないために
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機内の人が入る場所(人の動線)に配線や機器を配置しない
機内は狭くて入り組んでいるし、汚れていたり暗かったりするので、作業性が最悪な環境です。そのような状況で、断線や破損をせずに作業するためには、作業者に対して配慮した装置でなければなりません。
つまり、機内の人が入る場所(人の動線)に配線や機器を配置しない、と言うことです。
具体的には人の動線に、配線が横切らないようにする、配線が横切る場合は鉄ダクトで保護する、電気機器はBOXに入れる、ケーブルが服に引っかからないように整線する、カバーで覆い身体が触れないようにする、などです。
このような、配慮は長期的に装置を維持していくうえで重要なポイントとなるので、必ず是正するようにしましょう。ただし、その際は、自分勝手に対応するのではなく、関係者と情報共有を行ったうえで、最善の対応をしてください。
その場で解決できない不具合は記録に残し共有する
装置の試運転やデバッグ中に、その場では解決できない不具合が発生した場合、それを記録(手書きでOK)し共有することが解決の第一歩です。不具合を解決できない状況とは、主に「不具合の発生原因は分かるが解決方法が分からない」または「不具合の発生原因が分からないので解決方法も分からない」の2つのパターンを指します。
その場で解決できない不具合が発生したら
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不具合の時系列/状況/状態/現象を記録する
- 不具合を観察し、音、見た目、臭い、触れた感触、などを文章で記録する
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不具合箇所の精度、位置、速度、圧力、電流、時間、センサ値などを測定し表や図で記録する
不具合の記録は、人の感覚や記述的な情報である質的データと、数値で表される量的データがありますが、どちらの情報も問題解決に必要であるため、上記の通り詳細に記録します。
記録するメリットには、目の前で起きた不具合を整理された情報に置き換えることで、客観的な判断が可能になり、また、測定値をデータ化することで、数値によって原因や解決方法を突き止めることもできます。もし、自分の力ではどうしようもできない場合であっても、不具合の記録を上司や同僚などの第三者と共有することで、問題解決の糸口を見つけることができます。
逆に、記録を取らないと、頭の中だけで考えることになるので、思いつきで行動して被害が大きくなる可能性があります。
不具合記録シート
上記は簡単な見本ですが、このような情報をノートやホワイトボードに記録することは、不具合が起きたら反射的にできるようになりましょう。
音と振動と臭いを感じ取り装置の異変に気が付くこと
装置の試運転をしていると、制御(PLCのプログラム)では検出できない異変が起きることがあります。
装置の異変
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異音がする
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振動がある
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異臭がする
異音と振動は、主にボルトの緩みによって固定部品が動いてしまう場合や、可動部の摩耗、潤滑不足、高負荷、異物の侵入などによって発生します。異臭は、電気部品や樹脂部品が高温になった場合や、潤滑油や装置に使用している液体の漏れが起きた時などに発生します。
このような異変が、装置が稼働し始めてから1か月以内で発覚するようであれば、正常劣化ではなく、設計上の問題、組立の施工の問題、の可能性が高いため、試運転をおこなっている段階で察知できる能力が必要です。
機械組立工として必要な能力
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目に見えない状態を正しく感じ取る感性
- 異常あり、異常なし、を判断する知識と経験
装置の異音、振動、異臭は目に見えないので、人間の五感によって察知するしかありません。そのため、機械組立工には、目に見えない状態を正しく感じる感性が必要であり、その感じ取った情報から、異変ありなのか、異変なしなのか、を判断する知識と経験が必要になります。簡単に言ってしまえば、「あれ?なんかおかしくない?」って違和感を感じる能力です。
この能力は日頃の仕事の中で、疑問に思ったことや違和感があることに対して、その答えを知識として調べたか、装置を動かしたり測定して実際の結果として認識したか、と言った行動を繰返しおこなうことで培われます。そのため、疑問や違和感があれば恥ずかしがらずに、遠慮せずに、すぐに行動する習慣にしてください。そうすれば、装置の異変を早期に察知できるようになり、安全で信頼性が高い装置を客先に納めることが出来ます。
スイッチ1つで誰でも安全に簡単に扱える装置を目指す
装置を客先に納めた後、その装置を扱うのは製造現場の製造さんであり、機械の専門家ではありません。そのため、装置に対する特別な知識や経験がなくても、装置が扱えるように、装置の状態を把握でき、スイッチを押すだけで安全に簡単に扱えなければなりません。
実際に扱う人のために、あるべき姿
- 装置の状態をTPに表示すること
- スイッチ1つで自動運転、サイクル停止、原点復帰ができること
*上記は、PLCのプログラムで対応する内容ですが、それができているか?の確認は組立工がやらなければなりません。
まず初めに、装置の状態をTPに表示することについて。
装置の状態をリアルタイムでTPに表示する、または履歴として過去の状態をTPに表示することにより、現在何が起こっているのか、正常なのか異常なのか、どうすれば良いのかを製造さんに知らせることができます。例えば、どの部分に異常があるのかを「○○○○異常」と表示する、図でワークの位置や可動部の位置を表示する、図とメッセージで運転するために必要な材料や原料の残量を知らせる、手動操作においてクラッシュの危険性がある場合は警告を表示する、自動運転中でもワーク待ちで停止している時は「ワーク待ち」と表示するなどです。これにより、製造さんが、どのような操作をすればいいのか、どのような処置をすればいいのかを容易に認識できるようになります。*間違ってもダマ停することがないようにしてください。ダマ停とは、TPに何の表示もなく装置が動かない状態のことです。
次に、スイッチ1つで自動運転、サイクル停止、原点復帰ができることについて。
装置が停止している時に自動運転を開始するためには、装置が原点位置でなければなりません。原点位置とは装置の各可動部が基準位置である状態、または安全に動作できる位置である状態のことです。そのため、自動運転中にサイクル停止スイッチを押したら各部位が原点位置で一時停止しなければなりません、装置が停止している時に原点復帰スイッチを押したら原点位置に動作して停止しなければなりません。そして、装置が原点位置の時に自動運転スイッチを押したら運転開始しなければなりません。つまり、スイッチ1つで自動運転、サイクル停止、原点復帰ができることが、機械を自動化する条件となります。
そのため、サイクル停止できずにタイムオーバーで異常となる、サイクル停止が完了せずにダマ停となる、原点復帰できずに原点復帰完了となる、原点復帰できずにタイムオーバーになる、といった不具合が発生しないようにデバッグで確認します。極力、手動動作で機内の条件出しをするような行為は避けてください。もし、動作が完了できない状態であるのならば、装置の問題点をTPで表示し、どうすればいいのか?一目でわかるようにしてください。
以上のように、装置を扱う人がスイッチ1つで安全に簡単に扱えるように、デバッグをおこなうようにしましょう。
OTセンサを遮ったら装置が停止するか?忘れずに確認する
一般的に、任意の設定位置で動作する可動部にはOTセンサがあります。OTセンサは可動部が可動範囲を超えたときに、メカストッパに当たる前に停止させるためのセンサであり、通常の運転中に反応することがありません。そのため、メインとなる動作に気をとられて、OTセンサが反応したときの確認を怠ってしまいガチなので、チェックリストなどを活用して必ず確認してください。
参考
OTセンサとは、オーバートラベルの略で可動範囲を超えて動いてしまったときに、その状態を検出するセンサのことです。OTセンサとして使用するセンサの出力はB接点とするのが基本で「検出したら電気信号をOFF」や「センサが破損したら電気信号OFF」となるタイプです。
OTセンサの確認方法
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可動部が動作中にセンサを反応させる
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手動動作と自動運転の2つのモードでおこなう
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非常ボタン係りとセンサを反応させる係りの2名で作業をおこなう
OTセンサが反応したら、可動部単体が瞬時停止する、または装置全体が瞬時停止し、装置が異常発報をしなければなりませんが、それが出来ているかの確認をおこないます。
OTセンサの確認方法は、機内に入って可動部が動作しているときに、センサドグの代わりの物でOTセンサを反応させる、またはOTセンサがB接であればセンサケーブルを抜くことで確認します。この作業は危険を伴うため、ソフト屋さんなどに非常停止ボタンを押す準備をしてもらい、組立工がセンサを反応させます。もちろん、非常停止ボタンを押したら装置全体が瞬時停止することを確認した上で作業を行ってください。また、確認作業はプログラムの不備を考慮して、手動操作と自動運転の2つのモードで行う必要があります。「手動操作だけ確認すれば自動運転も大丈夫だろう」と考えてはいけません。
OTセンサの確認をおこなうタイミング
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試運転/デバッグ中に確認
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出荷直前で確認
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現地立上げで確認
OTセンサの確認は、上記の通り大きく分けて3回確認します。
まず初めに、試運転/デバッグ中に確認をおこないます。これは言わずもがなですが、装置に火が入りPLCのプログラムを作り始めた段階であるので、OTセンサと配線に不具合がないか、そしてPLCのプログラムに不備がないか、を初めて確認する作業であるので、この段階での確認は必ずおこないます。
次に、出荷直前で確認ですが、これまでのデバッグによってプログラムを様々変更した結果、OTセンサが機能しない状態になっていることがあるためです。
最後に、現地立上げで確認ですが、出荷と据付の過程でOTセンサの配線を離線、復旧している場合は、配線の間違いによってOTセンサが機能しないことあるためです。
以上のように、OTセンサの確認作業を何度もおこないことは、安全で壊れない装置に仕上げるために必要なことであるので、忘れずにおこなうようにしてください。
*OTセンサについては、下記の記事で詳しくまとめています。
非常停止や安全扉などの安全機能が有効に作動するか確認する
製造現場における労働災害の中には、装置の制御による安全機能が適切に作動しなかったために発生したものが多くみられます。そのため、装置の試運転やデバッグを行う際は、自動運転中に起こりえること、保全作業中に起こりえること、など実際の製造現場を想定し装置の安全機能の有効性を確認しなければなりません。
装置の安全機能
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自動運転中に安全扉が開かないこと
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非常停止ボタンを押したら瞬時停止すること
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自動運転中に安全扉が開いたら瞬時停止すること
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自動運転中に機内に人が侵入したら、侵入エリア一体は動作しないこと
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ライトカーテンを遮ったら瞬時停止、またはそのエリアのみ停止すること
上記の安全機能が備わっていれば、最低限の安全性が確保できていますが、装置の運用方法に関わる安全機能については、注意が必要です。
例えば、投入機/受取機のような製造さんがワークを投入払出しする装置は、自動運転中に機内に人が侵入して作業をおこなうため、装置の運用方法により安全機能の内容が決まります。機内に侵入するときは、IL(インターロック)の有効無効SW(スイッチ)を切り替えて、侵入エリアのみが動作しないようにする、または、どのようなタイミングであってもライトカーテンを遮ったら一時停止する、などです。このような運用方法は、事前に客先と明確な仕様を決めておく必要があります。
また、安全機能を確認するにあたり、悪意を持って確認することが重要になります。悪意とは、定められた手順や操作方法を無視し、異なる方法で装置を扱うことです。製造現場では、「面倒臭い」とか「時間がない」などの理由で、決められた手順を無視して装置を扱うことがあるので、そのような場合であっても、労働災害が発生しないことを確認します。もちろん限度があるので、全ての状況で安全性を保証することは難しいかもしれませんが、人の行動は予測不能であるので、可動部が動作中は人が触れられないこと、装置の状態を監視し異常を検出したら停止すること、を念頭に、装置の安全性を確保するようにしてください。
ソフト屋さんとコミュニケーションをとりデバッグ作業をする
制御によって稼働する装置は、一般的にPLCのプログラムによって動作しますが、そのプログラムはソフト屋さんによって作成されます。ソフト屋さんは電気制御の専門家であり、機械組立とは異なる分野の人ですが、装置の試運転やデバッグ作業では共同で作業を行う必要があります。そのため、ソフト屋さんと組立工の間で適切なコミュニケーションが取れていないと、装置の性能や品質が著しく低下します。
デバッグを行うために
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デバッグは組立工が主導しておこなうこと
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ソフト屋さんとコミュニケーションをとり、自分勝手な行動をしないこと
デバッグとは、装置を動作させたときに表面化したプログラムの不具合を修正することです。この作業は、ソフト屋さんがプログラムの修正に集中できるように、組立工が主導して行います。その理由は、ソフト屋さんは自分が気になる可動部に注視しがちであり、また、可動部の動作を「動く、動かない」のみで判断する傾向があるため、装置全体の仕上がりを任せることには向いていないからです。一方、組立工はプログラムを作成することはできませんが、装置全体の構造を理解しているため、可動部の「良し悪し」を判断できます。また、組立工は装置全体の現状を把握することができるため、実際に使う人の目線で装置を評価することができます。このような理由から、デバッグは組立工が主導したほうが作業がスムーズに進みます。
そして、これが一番大切なことです。デバッグは組立工とソフト屋さんが協力して行うため、お互いにコミュニケーションを取り、自分勝手な行動をしないようにしてください。自分勝手な行動とは、組立工が勝手に操作して勝手に動作確認する、ソフト屋さんが勝手に操作して勝手に確認しプログラム修正する、などです。このような行動は、ギクシャクした雰囲気になりデバッグがはかどらないだけでなく、クラッシュや労働災害のリスクが高くなり危険です。そのため、「いつ」「どのような確認をするのか」「何をするのか」「どうしたいのか」「どのような不具合が発生しているのか」などについてお互いに情報交換を行い、共通認識を持ってデバッグを行ってください。
可動部の部品、配線、エアチューブなどが干渉があれば是正する
装置の可動部は動作するたびに、部品、エアーチューブ、油圧ホース、ケーブルなどが干渉してしまうことがあるので、要チェックです。干渉していると将来的に破損、破れ、断線が発生し、装置がドカ停(長時間稼働できない状態)してしまいます。
そのため、装置を試運転、デバッグしているとき干渉の有無を目視やすき間ゲージで確認し、干渉があれば是正しなければなりません。
最低限、下記タイミングで干渉確認すること
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試運転の初期段階
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客先の立会前の段階
干渉しそうな部分には常に気を配りたいので、客先に納めるまで定期的に「大丈夫か?」と確認をおこなうべきですが、試運転とデバッグの期間中は慌ただしいので、見落としガチです。
その中で、最低限、試運転の初期段階と客先の立会前の段階で確認出来ていれば大事に至ることはないので、チェックリストやToDoリストを活用して、上記のタイミングで忘れずに確認してください。
可動部の干渉対策
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部品の形状を変更する
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部品の取付け位置を変更する
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配線、エアチューブのルートを変更する
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配線、エアチューブのサポート部品を追加する
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やむを得ず干渉する部分は、保護材を取付ける
- 低摩擦材の仕切り板を追加し、干渉ダメージを軽減する
干渉の対策には、部品の変更、部品の追加、などが必要になるので必ず設計に報告し、仮に組立側の微調整で是正できたとしても、今後の設計に役立てるために必ず報告しましょう。
参考
自動運転をする前に可動部とセンサが適切に動作するように調整する
機械組立の作業は、図面通りに機械を組立てることですが、機械は図面通りに組み立てられていても適切に動作するわけではありません。それは、設計ミスによってそもそも適切に動作しない、組立て精度や部品精度には誤差があるため実際に動作させないと良し悪しが分からない、センサは電源投入しなければどの位置で反応するか分からない、などの理由があるからです。
装置に火入れをしたらやるべきこと
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I/Oチェックを行った後に、手動操作を行いながら可動部とセンサを調整する
参考
I/Oチェックとは、システムやデバイスの入力(Input)および出力(Output)が正常に機能しているかを確認するプロセスのことです。I/Oはコンピュータシステムにおいて非常に重要な部分であり、データの受け渡しが正しく行われていることを保証するために行われます。
装置を適切に動作させるためには、組立完了後の電気配線とI/Oチェックを行ったら、手動操作を行いながら可動部とセンサの調整をすることです。手動操作は「各部が適切に動作できるか分からない」を前提として慎重に行う必要があるため、動作スピードを遅くし、数名で声を掛け合いながらおこないます。
間違っても、「組立て段階で調整出来ている」を前提として動作させないでください。あるあるなのですが、各部の確認が出来ていないのにソフト屋さんが勝手に操作してクラッシュし破損する、、、、なんてことが起きることがあります。そのため、組立工が主導権を握り、動作させて調整を行ってください。
具体的には、可動部を動作させてセンサがONするように調整、可動部が何かに干渉しないように調整、センサがワークを検出するように調整、可動部がスムーズ動作するように調整、可動部とセンサの位置関係が目的通りの動作となるように調整、可動部のスピードを仕様通りになるように調整、などを行います。
このような調整は自動運転をするために初期設定となるため、必ず行うようにし、自動運転を行った結果次第では再度調整を行いましょう。
ポイントまとめ
それでは、装置の試運転とデバッグの考え方と注意点について重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- 制御がある機械は、試運転とデバッグを行わなければならない
- 試運転、デバックは組立工が主導し、装置を仕上げなければならない
- 「試運転とデバッグの考え方と注意点」を知識として経験として身につけること
以上3つのポイントです。
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*機械の精度の考え方を学ぶのにおすすめの本です
関連記事:【機械組立の心構えと基本】
以上です。