【仕事と思考】

3DCADと2DCADの違いを体感【組立したら不具合ほぼゼロの結果】

2022年1月13日

 

今回は「3DCADと2DCADの違いを体感」についての記事です。

機械装置を設計するためにはCADは欠かせませんが、近年は3DCADへの切り替えや導入が加速しています。今後3Dへの対応に遅れをとっていく企業は競争力が低下していくリスクがありますが、そのような時代の流れの中で、私の職場でもいよいよ3DCADによる機械装置の設計が進んできました。

そこで今回の記事では、3DCADで設計された機械装置を組立ててみて感じたことを組立工目線でまとめておこうと思います。

 

3DCADと2DCADの違いを体感

遅れた3DCADの導入

私の職場では長らく2DCADで設計をしてきましたが、数年前に3DCADを導入したことでここ最近では3DCADで設計する割合が増えてきました。

 

 

そもそも、2DCADと3DCADのどちらが良いとか悪いとか不毛な論争もあってか、うちの職場ではなかなか3DCADの導入が進みませんでした。冷静に考えて、3DCADのメリットと世の中の状況を考えれば、これからは3DCADが主流になるのは必至ですし、別に2DCADを否定しているわけでもないのですが、「現状維持が一番」みたいな考えの設計者が半数以上なのです。

それ以外にも、日々の設計業務が多忙すぎて3DCADを勉強して切り替えていく余裕がないってことも、大きな問題でした。この点は会社の方針として、しっかりと舵取りしなければ設計者個人の負担が増えるだけなので、スムーズに3DCADを導入していくことなんて無理なんですよね。

とは言え、世の中に遅れを取りつつも、3DCADを導入して前に進んでいることには違いありません。今後、3DCADを導入したことによるメリットが社内で認識されるようになれば、新規設計はすべて3DCADになる日も近い気がします。当然ですが、過去に2DCADで設計した案件に関わる場合には、3DCADに起こすのは面倒なので2DCADを使用することになるので、まだまだ2DCAD現役で活躍するでしょう。

 

 

組立段階で発覚する不具合はほぼゼロ

私は機械装置の組立工ですが、長らく2DCADで設計された機械装置を組立てしてきて、多くの不具合に直面してきました。

 

私が今まで集計した組立で発覚した不具合のトップ3はコレです。

  • 部品の干渉
  • 取付けピッチ間違い
  • 穴/タップのサイズ間違い

 

上位3項目の合計は集計データ全体の50%占めているのですが、実はここ最近3DCADで設計された機械装置を組立てするようになって気が付いたのです。

 

2DCADから3DCADに変わって気が付いたことはコレ

  • 部品の干渉、取付ピッチ間違い、穴/タップのサイズ間違い、がほぼゼロ

 

これは3DCADを導入する前から予測していたし、期待していたことでもありましたが、さすがに実体験すると「凄い」と感心してしまいました。

部品を取り付けようとしても取り付けられない、、、、こんなことが組立現場で多発していたのですから、その損害は計り知れません。時間、お金、品質、どれを考えてもマイナスでしかないですし、いままでどれだけの損害を与えてきたのか?今では考えたくもありません。

そもそも、2DCADであってもシステムや図面検討がしっかり行われていれば不具合はかなり少なくすることができるはずですが、私の職場では図面検討が機能していなかったので無理な話しでした。

 

 

組立をして気が付いた3DCADの良し悪し

3DCADで設計した機械装置を組立てして、まだ日が浅いですがここまでで気が付いたことをまとめてみます。

 

 

組立目線の良かった点

  • 組立で発覚する不具合がほぼゼロ
  • 3DデータなのでPCで細部まで確認できる
  • 鋼管による配管のレイアウトがわかりやすい

 

前述でも言っていますが、組立で発覚する不具合がほぼゼロでした。発生件数がゼロでない理由は「部品干渉」や「部品点数の間違い」が何件かあったからですが、これは今後の課題ですね。

組立するときに組図(平面図)でわかりにくかった部分をPCを使って3Dで確認してみると、機械装置の隅々までどのような部品がどのような順番で取り付けられているかが明確にわかります。これは、今までの2DCADではありえなかったことです。組立側の私の意見としては、組図、部品図は3Dを展開した平面図でなければ「位置関係」「寸法」「すき間」「精度」が把握できないので、2DCADの時と同じように平面図でOKなのですが、組立しているとやっぱりよくわからない部分があって、その時には3Dで確認できるのは大歓迎でした。

配管が多い機械を組立てしてみると、3Dとの相性が良いことがわかりました。鋼管やPVCなどの配管は現合施工が基本で、寸法測定してパイプを必要な長さにカットしてねじ込みや差込みで接続します。その他、ねじのねじ込み量や差込みの量によってパイプの全長が変わってくる点も現合施工になってしまう要因です。しかも配管は系統が増えるほど複雑に入り組んでしまうので、2DCADで表現するのには困難でした。ところが、3DCADで設計された配管はかなり正確に表現することができるので、現合と言えども3DデータをPCで見ながら配管施工ができるので、いちいちルートを考える必要がないですし、設計段階で配管サポートを製作しておくこともできますし、かなりメリットがあると感じています。

 

 

組立目線の悪かった点

  • 図面の表記や表現方法が悪い、2D図面の組図が見にくい
  • データの容量が大きいのでスペックが低いPCはフリーズする

 

2DCADから3DCADに変わって、紙ベースで図面を出したときの違いがかなりありました。これは使用しているCADやシステム、設定、が関係することですが、今の現状では2DCDの時のと比べて非常に見にくい図面になっています。例えば、三角法で展開が出来ていない、線の太さがイマイチ、線に色がない、部品番号の風船の入れ方、などなどです。単に設計者がCADを使いこなせていないだけなのか?それともどうにもならない部分もあり慣れるしかないのか?今後の課題となっています。もしこの問題が解決できれば、組立での効率はかなり向上するに違いないです。

3DCADは今までの2DCADと比べてデータ容量がかなり大きいのでPCのスペックが低いと厳しいです。組立している時に、詳細の確認、寸法の確認、などでPCで図面データを見ることがあるのですが、私の使用しているノートPCで3DCADのデータを開くと時々フリーズしてしまいます。これは、3DCADを導入する前から分かっていたことですが、線だけで表現された2DCADとモデリングされた部品を組合わせて構築されている3DCADではやっぱりデータ量が全然違うんですよね。この問題は今後PCを買い替えることで解決するしかないですね。

 

ポイントまとめ

それでは、3DCADを導入したことについて重要なポイントをまとめておきます。

 

ポイント

  • 3DCADで設計すると組立作業で発覚する不具合はほぼゼロになる
  • 3DCADはデータで確認すると細部まで分かりやすい
  • 配管のように入り組んでいるモノは3Dで表現すると間違いがなくて分かりやすい

 

以上3つのポイントです。

 

*3DCADの基礎情報の勉強にこちらの本はいかがでしょうか

 

*私がメンタルの癒しにおすすめするのは、入浴剤とアイマッサージ器です。お試しあれ

 

*実際に3DCADでお仕事されている設計ブロガーさんが2DCADと3DCADについて記事を書かれています。 ⇒ 「機械設計メモ2」

 

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以上です。

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