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【材料/溶接/加工/表面処理】

ビットとシャンクの形状は4種類ある【変換アダプターで互換性】

2021年10月11日

 

今回は「ビットとシャンクの形状は4種類ある」についての記事です。

皆さんは「インパクトドライバーにビットを取付けようとしたら差し込み口が合わない」とか「「ホームセンターに工具を買いにきたら、取付部分の形状やサイズに種類があってどれを買っていいか分からない」なんて経験をしたことがありませんか?

実は私はこんな経験を何度もしているので「ビットとシャンクの種類を把握しておくべきだな~」と痛感しています。

そこで今回の記事では、ビットやシャンクの形状について詳しくまとめておこうと思います。

 

ビットとシャンクには形状の種類

工具の取付けポイント

加工機や電動工具を使用して何かを「取付けたり」「穴を開けたり」「削ったり」するときには、加工機や電動工具の先端にビットと呼ばれる先端工具やドリルやタップやエンドミルを代表する切削工具を取付けますよね。

 

インパクトドライバーに六角軸のビットを取付け

コードレスインパクト

 

このような作業は普段何気なく行っていると思いますが、実は工具の取付け(チャック)に関して抑えておきたいポイントがあるので紹介します。

 

工具を取付ける(チャックする)ときのポイント

  • ビット(先端工具)や切削工具の取付け部分(チャック部分)は形状(サイズ)に種類がある

 

ご存じの人もいれば詳しくない人もいると思いますが、私の場合は普段使わない工具の取付け部分は正直分かっておらず、間違って工具を買ってしまったことが何度かありました。

なので、加工機や電動工具は取付けができるビット(先端工具)と切削工具の形状の種類はしっかり把握しておく必要があると思うのです。

 

ビットとシャンクは4種類

ビットやシャンクの取付け部分の形状は大きく分けて4種類あります。

  1. ストレートシャンク
  2. テーパシャンク
  3. 六角軸(六角形の大きさに種類あり)
  4. SDSプラスシャンク/SDSマックスシャンク

*シャンクとは切削工具の柄、軸のことでチャックする部分のことです

 

ビットやシャンクは4種類

シャンクの種類

 

上記の写真を見ると分かるように、形状の違いに気が付くと思います。

この違いとビットやシャンクの呼び名を覚えておくと、加工機や電動工具を使うときやホームセンターで切削工具を買うときなど様々な場面で迷ったり間違ってしまうことは無くなります。

詳しくは記事の後半で説明しますが、是非覚えておきましょう。

 

形状の種類を詳しく解説

ストレートシャンク

ストレートシャンクとは、工具の柄(軸)である取付け部分が真直ぐな円形になっているタイプです。

ストレートシャンクの工具には、例えば「ドリル」「タップ」「エンドミル」などの切削工具や「リューターの刃」を代表する切削したり磨いたりする工具があり、シャンクの直径は切削工具の直径と同径であることが多くその幅は広いです(おおよそ3.0mmから40mmくらいまであります)

 

ストレートシャンクとは

真直ぐな円形になっているタイプ

ストレートシャンク

 

ストレートシャンクの工具の取付け(チャック)には2つの方法があるので紹介しておきます。

  • 3爪チャック
  • コレットチャック

 

3爪チャックはボール盤や電動ドリルなどに代表されるドリルで穴を開ける機械に採用されているチャックです。チャックの開度の幅はドリルの直径を想定しているので広く、一般的には直径3.0mmから19mm(例外もある)まで掴む(チャック)ことが出来ます。

その反面、把持力に弱さがあるので加工工具の負荷が大きいとスリップ(空転)してしまうことがあります。

 

3爪チャック

ストレートシャンクの工具を3爪のチャックで掴む場合

3爪チャック

 

コレットチャックは、フライス(エンドミル)やリューターなどに採用されているチャック方式で、シャンク径(軸径)に適合した専用サイズのコレットを使用しナットを締付けてテーパーによるクサビ効果によって掴む(チャック)ので高い把持力があり芯振れ(軸振れ)も少ないです。そのため負荷が大きい加工や精度が必要な加工に採用されることが多いのですが、コレットは専用サイズとなるのでコレットのサイズを何種類も用意しておく必要があります。

 

コレットチャックとは

ストレートシャンクの工具をコレットとナットで締付けてチャックする

コレットチャック

締付けるとこんな感じ

コレットチャック

 

テーパーシャンク

テーパーシャンクとは、工具の柄(軸)である取付け部分がテーパー(円錐)になっているタイプで、3爪チャックやコレットチャックには使用できません。

テーパーシャンクは芯振れ(軸振れ)が3爪チャックより少なくテーパーによるクサビ効果で把持力も強力なので、直径が大き目の「ドリル」や「リーマー」に採用出れていて、そのような工具は「テーパーシャンクドリル」「テーパーシャンクリーマ」と呼びます。

このタイプの工具の取付け方法は「打ち込み方式」で、加工機の「主軸に直接打ち込む」場合や「ドリルスリーブ(テーパー径変換)」や「ホルダー(アタッチメント)」を使用して加工機の主軸に取付け、取外す場合は「ドリルドリフト」と呼ばれる矢の形をした工具を打ち込んで取り外します。

 

テーパーシャンクリーマ

テーパーシャンクリーマ

 

ドリルやリーマーに代表される切削工具のテーパーは規格化されています。

  • モールステーパー(表記:MT)
  • 工具の直径が大きくなるとテーパー径も大きくなる(MT0~MT7)

 

テーパーの規格の種類は多いのですが、切削工具のテーパー規格の基本はモールステーパ(MT)なので覚えておくと良いです。もしモールステーパーの大きさがわからない時にはテーパー部分を実測すれば判断できます。

 

出典:Winwell Japan 株式会社 カタログ

モールステーパの規格

 

六角軸(六角シャンク)

六角軸(六角シャンク)とは、工具の柄(軸)である取付け部分が六角形になっているタイプで、通称「ビット」と呼ばれています。

角張った軸なのでスリップ(空転)することがないため「打撃」や「振動」を発生する「インパクトドライバー」や「ハンマードリル」に採用されている方式で、ワンタッチ取付けなので簡単でスピーディーです。

六角軸の工具には「プラスビット」「マイナスビット」「六角ビット(キャップボルトの規格サイズ)」「ソケットビット」「ドリルビット」「タップビット」「ホールソービット」「カップワイヤー」「はつり工具」「コンクリートドリル」など多種多様な工具形状があります。

 

六角軸のソケットとプラスドライバー

六角軸のソケットとプラスドライバー

六角シャンク

インパクトドライバーの差込口6.35mmの六角形

六角シャンク

 

六角軸の対辺の大きさには様々な種類がありますが、調べてみますと下記のサイズが販売されていました。

  • 4mm
  • 5mm
  • 6mm
  • 6.35mm(インパクトドライバーの主流の規格です)
  • 8mm
  • 9mm
  • 10mm(電動ハンマードリルなど)
  • 13mm(電動ハンマードリルなど)
  • 17mm(電動ハンマードリルなど)
  • 21mm(電動ハンマードリルなど)
  • 29mm(電動ハンマードリルなど)
  • 30mm(電動ハンマードリルなど)

 

種類が多すぎて迷ってしまいますが、一番普及しているの規格はインパクトドライバーに代表される「6.35mm」サイズで、それ以上の大きなサイズは「はつり」作業に使用される「電動ハンマードリル」などに使用されています。もし、心配な場合には実測したり電動工具のカタログで取り付け可能なサイズを調べることをお勧めします。

その他、差込の長手方向の溝の位置にも「Aタイプ」と「Bタイプ」の2つの種類がありますが、主流は「Aタイプ」となっています。もし心配であればAタイプとBタイプ兼用の六角軸(ビット)を購入すると良いでしょう。

 

因みにですが、六角軸は3爪チャックでも掴むことができるので覚えておくと便利です。

 

六角軸を3爪チャックで掴む

六角軸を3爪チャックで掴む

 

SDSプラスシャンク/SDSマックスシャンク

SDSシャンクはドイツのボッシュ社が開発したシャンクで、種類は「SDSプラスシャンク(直径10mm)」と「SDSマックスシャンク(直径18mm)」の2つがあります。

下記の写真のように、SDSシャンクは「独特な溝の形状」となっており、回転方向はスリップすることがなく長手方向は可動するようになっていて「ハンマードリル」や「振動ドリル」に採用されているシャンクです。

SDSシャンクの工具には「アンカードリル」「はつり工具」などがあります。

 

SDSプラスシャンク

SDSプラスシャンク

差込み角度について

SDSプラスシャンク

 

SDSシャンクは溝形状が独特なので、差込みできる角度が決まっています。時々ですが「入らない」「入れ方が分からない」なんてことがあるのですが、差込みのポイントは「ドリルを手で回転させながら押し込む」です。回転させながら押しこむと角度があったところで自然に入ります。

 

ビットとシャンクの変換アダプター紹介

さて、ここまででビットとシャンクには「ストレートシャンク」「テーパーシャンク」「六角軸(ビット)」「SDSシャンク」の4種類あることを説明してきましたが、実際の作業の中では4種類が非常に面倒くさく感じることがあります。

 

4種類が面倒くさい理由はコレ

  • 互換性がない

 

互換性がないと言うことは、例えば専用の電動工具を何台も用意し、専用の工具もいくつも用意しなければなりません。これは非常に面倒です。

このような問題を解決するために、形状が違うビットとシャンクを使用できるように「変換アダプター」が販売されているので紹介しておきます。

何のチャックに変換するか?何の形状に変換するか?によって変換アダプターの種類は大きので、自分の使用目的に合ったアダプターを探してみてください。

 

*ストレートシャンクの変換アダプターの購入はこちらから

 

*テーパーシャンクの変換アダプターの購入はこちらから

 

*六角軸の変換アダプターの購入はこちらか

 

*SDSの変換アダプターの購入はこちらから

 

ビットとシャンクの形状のポイントまとめ

それでは、ビットとシャンクの形状について重要なポイントをまとめておきます。

 

ポイント

  • ビットとシャンクは「ストレートシャンク」「テーパーシャンク」「六角軸」「SDSシャンク」の4種類があり、工具も専用形状となっている
  • ストレートシャンクは直径の大きさの種類が多い。3爪チャックかコレットチャックで掴んで装着する
  • テーパーシャンクはドリルやリーマーに採用されていて、テーパーの規格はモールステーパー(表記:MT)
  • 六角軸は通称ビットと呼ばれていて工具の形状は多種多様。インパクトドライバーの6.35mmの規格が一般的です
  • SDSシャンクはSDSプラスシャンク(10mm)とSDSマックスシャンク(18mm)の2種類があり、ハンマードリルや振動ドリルに採用されている

 

以上5つのポイントです。参考にしてください。

 

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以上です。

 

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