今回は「エアーの圧力を上げるためには増圧器」の記事です。
増圧器は工場エアーをさらに圧縮して圧力を高める装置ですが、その構造と使用用途について再確認しておこうと思います。
エアーの圧力を上げるためには増圧器
増圧器とは
エアーの増圧器とはコンプレッサーから供給されたエアー(工場エアー)を増圧弁で2倍~4倍の圧力に高めて、エアタンクに貯蔵し供給する装置です。
現場では増圧器のことを、「増圧弁」と呼ぶこともありますが、増圧弁単体では高めた圧力を貯めておくことができないので供給に問題が起きます。
ですから、増圧弁と言ったらエアタンクとセットで使用するもの=増圧器と言う認識となります。
引用抜粋:SMC 増圧弁/エアタンク VBA/VBATseriesカタログ
エアタンクの必要性
補足としてエアタンクの必要性を記述しておきます。
エアタンクの役目は3つ
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脈動防止
- エアーの冷却(水分の分離)
- エネルギーの貯蔵(蓄圧で大量消費に対応する)
なぜこの3項目が必要なのか?
それは、コンプレッサーや増圧弁で圧縮された空気は、、、
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脈動する
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空気の温度が上がり水分の含有量が増える
そして、圧縮空気は貯蔵しておかないと、、、
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大量消費に対応できない
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コンプレッサーを運転し続けないといけない
と言うことなのです。
ですから、圧縮した空気はエアタンクに貯めてから使用するのです。
使用するシチュエーション
通常、機械装置に使用するエアーはコンプレッサー(工場エアー)から供給されるエアーを減圧して(減圧弁/レギュレータ)使用しますが、では増圧器はどのようなシチュエーションで使用するのでしょうか?
例えばこのようなシチュエーションで、、
- 小さなシリンダで大きな出力が必要な場合
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一部の機構で一時的なエアーの大量消費がある
- 大きな出力が必要で、工場エアーの圧力では足りない
他にもあるかもしれませんが、大抵はこのような選択肢だと思います。
余談ですが
増圧器が増圧しているときは「ポンポンポンポン・・・・」と音がしますので、増圧器の存在には気が付きやすいです。
大抵の場合、機械装置のベースフレームの下側や天井に搭載されいますね。
増圧器の仕組み
それでは、増圧器の仕組みについて考えてみたいと思います。
増圧弁の仕組みについては下記のSMCのカタログをご覧ください。
引用抜粋:SMC 増圧弁/エアタンク VBA/VBATseriesカタログ 作動原理
*クリック拡大
コンプレッサーからのエアーを2つのピストンと逆止弁、方向弁をうまく組み合わせて増圧させていますね。
少しわかりやすくしみますとこのような感じだと思います。
動作イメージ
*クリック拡大
ピストンの理論出力は「ピストンの受圧面積」×「空気の圧力」なので、、
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圧縮する側・・・駆動室の出力 + 増圧室の出力 = ピストン2個分の出力で圧縮する
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増圧される側・・・増圧室の出力 = ロッド分受圧面積が少ない = 圧縮する側との出力差がより大きくなり圧縮され増圧される
このように、出力差をうまく使い増圧しているようですね。
増圧器のポイントのまとめ
それでは、増圧器について重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- エアーの増圧器とはコンプレッサーから供給されたエアー(工場エアー)を増圧弁で2倍~4倍の圧力に高めて、エアタンクに貯蔵し供給する装置
- 増圧器は、工場エアーでは圧力が足りない、大きな出力が必要、エアーの大量消費がある、などの状況に有効
以上2つのポイントが大切です。
*空気圧の基礎知識はこちらを参考に
*増圧弁の購入はこちらから
関連記事:【空気圧/油圧】
以上です。