LMガイド

LMガイドの従動側の平行出しを素早く行う/ダイヤルゲージ

LMガイドとは

引用・抜粋 5分でわかるTHK

LMガイドは「Linear(直線)Motion(運動)Guide(案内)」の略で、機械要素部品の一つとして、機械を真っ直ぐ動かすときの案内部分に使われています。

引用・抜粋 THK直動システムサポートブック LMガイドの特徴

  • 上下、左右からの荷重を負荷できる
  • 理想的な転がり案内の為ため摩耗が極めて少ない
  • LMガイドか取付けられるベース加工、組付けから生じる真直度、平坦度、平行度などのミスアライメントを平均化して吸収する特性がある

 

走り平行度については長さや等級によって様々ですが、私が取り扱うLMガイドはおおよそ0.005~0.01以下の精度です。

ここまでで、LMガイドは非常に高性能な直動部品であると言うことが分かると思います。素性が良い部品ですから、組付けの精度には気を使って作業をおこないたいですね。

 

走り平行度の平行出し方法

平行出しの方法にはいくつかのやり方があります。突き当ての基準面が有る/無しでも状況は違いますが大まかには下記の2通りに分類できます。

  • ダイヤルゲージを使用し測定しながら平行出しする
  • LMブロックのテーブルをスライドさせながら平行出しする

上記の2通りの方法で平行出しをするイメージ図を下記に示します。

ダイヤルゲージを使用 イメージ図

テーブルをスライド イメージ図

この2通りの方法にはどのような違いがあるでしょうか?下記に一覧でまとめてみます。

*2つの方法を比べる

ダイヤルゲージ テーブルをスライド
芯出し工数 多い 少ない
精度 数値で芯だしが出来る 数値で管理できない
測定器の必要性 ダイヤルゲージ/マグネットスタンドが必要 手道具だけで出来る

 

このような違いや特徴がありますが、私は新規で組立る場合にはダイヤルゲージを使用する事を推奨しています。

その理由には下記の2つがあります。

  • 精度の保障
  • 精度が出る構造/部品であるかの確認

この2つの目的でダイヤルゲージを使用します。やはり新規の機械/装置ですから精度の保障は欠かせませんね。

もしダイヤルゲージで測定した結果、平行度に問題があれば原因を追究し「部品が悪いのか?」「LMガイドが悪いのか?」状況に応じて対応します。

また、現場での部品交換や保全作業であれば「精度が出ていたはず」「精度が出るはず」ですからテーブルをスライドさせる方法は有効です。

 

補足 取付面の状態

LMガイドを組立てる時には必ず取付面の状態を確認しましょう。ごみ、打痕、キズなどがあってはなりませんので、そう言った場合には砥石を使って面の調整をします。

油砥石の使い方はこちらの記事をご覧ください ⇒ 油砥石(オイルストーン)の取り扱い

 

基準側/従動側の平行出しを素早く行う方法

LMガイドの平行出しが「上手くいかない」「時間が掛かる」「何度も測定と締め付けを繰り返さないと出来ない」など不満を持っている人もいると思います。

今回は私が実践している、後戻りが少なく素早く平行出しが出来る方法を紹介します。

 

今回の平行出しの前提として、LMガイドの基準側の固定は完了をしておいてください。

  • 突き当て基準面に密着させて固定する
  • 突き当てが無い時には、平行の基準がとれる面からダイヤルゲージなどで平行出し、固定をする

 

それでは平行出しを素早く行う方法の手順を下記に示します。

  1. LMガイドの両端を測定する
  2. 両端の数値を揃えてねじを仮締めする。この時にねじが穴の中心である事が望ましいです。  *両端以外のねじは締めてはいけません
  3. どちらかの端から順番に数値をそろえながら仮締めしていく。
  4. LMガイドの全長の半分を過ぎたあたりで、END側端の仮締めを開放してフリーにする。
  5. 引き続き、数値をそろえながら端まで仮締めしていく。これで、仮の平行出しが完了。
  6. 確認の為、端から端まで測定して問題なければ増し締めします。
  7. 増し締め後、最終確認でもう一度測定し完了です。

この方法の一番重要なことは、「初めにLMガイドの両端の数値を揃えて仮締めしておく」です。点と点を結んで基準側LMガイドと平行の線を作る、と言うイメージです。

下記のイメージ図を参考にしてください。

両端の仮締め イメージ図

*クリックで拡大

 

平行出しの進め方 イメージ図

*クリックで拡大

 

平行出しポイント イメージ図

*クリックで拡大

 

走り平行を測定する面 イメージ図

*クリックで拡大

 

後戻りが起きやすい方法

私が実際にやってみて、おすすめできないやり方は「どちらかの端から順番に測定/締付をおこなう」です。一見すると上記で紹介した方法と変わらないのでは?と思うかもしれませんが、そうではありません。

基準側との平行をおおよそで揃えておかないと、調整シロがなくなって調整限界に陥る可能性があります。それだけでなく、平行出しが出来たとしてもLMガイド間のピッチも図面寸法との誤差も大きくなる場合があります。

おすすめできないやり方 イメージ図

 

補足動画

下記はNSKのLMガイド組付け動画です。より細かなイメージがつかめると思いますので参考にしてくだい。

 

余談

LMガイドを使用する構造には様々なタイプがあります。例えば、基準側と従動側のLMガイドの取付ベースフレームが独立していて、LMガイドのピッチも2000mm以上、全長は10000mm(10m)だったりするものがあります。こんな場合でも、基本的には今回ご紹介した手法で作業をおこないますが、初期設定としてベースフレームのレベル/水平/鉛直/ピッチ/真直度などを適切にしておくことが必要になります。構造にもよりますがそれなりの技量が必要になります。

参考ですが、私の実績では上記の状況でLMガイドの平行度は0.1mm以下でした。

どんな順番で、どんな道具で、どんなやり方で精度を出すのか?組立工の技量が試されます。

以上です。

 

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